タグ別アーカイブ: 中庭

「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐3‐現場マジック

 先週土曜日は、今年初めての現場打合せでした。

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 日差しは暖かですが、開始時の気温は3℃くらいだったでしょうか。

 この時期は、寒さ対策が打合せの精度を左右します。

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 都心部に設計する住宅において、中庭はやはり有効です。

 1月初めでも、深くまで直射が入っていました。

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 この日は、スイッチ、コンセント等の位置決め。

 壁が出来上がる前に確定しなければならないのが建築現場の宿命です。

 少しでも分かりやすくと、監督がテープでキッチンを再現してくれました。

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 洗面化粧台も造作になりそうで、高さ、平面位置と無限の選択肢があります。

 寒空の下、2~3時間をお願いしていましたが、みっちり使い切って、何とか一通りを見て回りました。

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 ご夫妻が帰られたあと、監督、棟梁と細部を詰めてきました。

 庇については、ああでもない、こうでもないと意見を出し合い、ようやく方針が見えてきました。

 まずはチョークで描き、最後に墨入れならぬマジック入れ。

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 朝8時から、現場にいること8時間。

 私達は寒かったと会社に戻りますが、棟梁はここからまたひと仕事なのです。

 会議室では解決できないことが、現場では解決できます。

 これまで何度もそういう場面を見てきましたし、皆が本気で知恵を出し合えば、解決できないことなど無いと思っています。

 現場には、磁場のような力があるのです。

 長く、しつこく、元気よく。

 これが現場での私の流儀です。

文責:守谷 昌紀

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「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐2‐庭樹に何を植える

 11月に着工したこの住宅。

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 基礎を見ると、建物のフォルムが分かり易いでしょうか。

 敷地が特徴のある形をしており、それを活かしたプランとしました。

 仮設トイレの奥に水回り、その前あたりが中庭になります。

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 そして先週、無事上棟式を迎えました。

 この日は奥様が仕事で欠席でしたが、ご夫妻のご両親、ご兄弟、そしてお子様と、賑やかな式典にりました。

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 住宅街に住む場合、特に環境を読み解くことが重要になります。

 この計画においても、南からの光を取るため、なんとか中庭を確保したいと思っていました。

 庭樹の世話はちょっと苦手、と奥さん。

 しかし、その価値を感じてもらい、一旦は無くなる方向だった庭樹が復活しました。

 現在は、ヤマモミジ、ハナミズキ、ヤマボウシが候補になっています。

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 我が家にも、ネコの額ほどの庭があります。

 そこは自然と家を繋ぐ中間領域。

 この季節は、更に価値を感じさせてくれるのです。

文責:守谷 昌紀

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「黒壁の家」‐10‐竣工

 先週の金曜日、晴れ予報をみて撮影に行ってきました。

 もう一度、写真家に撮って貰いますが、まずは自分で撮影です。

 空を青く、建物をくっきりと。簡単なようで、難しいものです。

 濃い色の建物は、夕景が難しいのです。

 光が漏れ出すのが、白い建物より遅くなります。

 そのうち日が暮れてくる。相手は自然なので、待ったなしです。 

 LDKは2月でも十分光が差し込みます。

 中庭と建物の関係は、慎重に計画したところです。

 洗面は清潔感を大切に。

 鏡は後ろが収納になっています。

 浴室は、中庭を見ながら入れるよう。

 ともに、白と濃い色で構成しました。

 洗濯室は、天窓を3つ連続させています。

 これからの季節、花粉症対策にその価値が発揮されるはず。

 5m四方の中庭が、この家を活き活きとさせます。

 立地条件に関わらず、豊かな野外をいかに内部にへき入れるか。この変わらぬテーマを追求してきました。

 コンセプトは「孫が遊びにきてくれる家」。

 子供は厳しく育て、孫は甘やかす。これはご主人の哲学です。

 計画から1年半を掛けて、ようやく竣工しました。

文責:守谷 昌紀

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