水溜り

 今日は良い天気です。しかし子供は雨の日も大好きです。

 長靴を履き、傘をさすと、非日常モードに入ります。水溜りでバチャバチャしだすと周りが一切見えなくなるくらいテンションが上がってしまうのです。

 私が小さい頃は、舗装していない道路が結構ありました。大きな水溜りはだいたい泥水ですから、深さが分からないのです。

 はまってしまい長靴に水が入る。ヒルもいっしょになんてこともありました。

 同じ街に住んでいますが、舗装していない道はなく、そんな深い水溜りは皆無です。それで子供は躊躇なくバチャバチャするのです。

 幼稚園へ送る道の途中、1ヶ所だけ田んぼが残っています。

 立ち止まって「あそこ、銀色やナ!」と言うのです。

 水路の部分に大きく深い水溜りが出来ていました。光の加減もあったのでしょうが、何か違うものを感じているようでした。

 平らは便利です。車が走れる便利を求めて、人が作ったもの。しかし雨が降っても深い水溜りは無い。不自然ではあります。

デスク

 以前から、働き良い机とは?と考えていました。それで今回、作り変えてみました。

 今のところ、L字の天板が最も広い範囲に手が届くと考えています。その内側は座る位置から離れ過ぎないよう、アールにするのがベストと考えています。

 向って右が私の席です。内側のアール部がないと肘を置く場所がなく、特に近年増えたキーボード打ちの作業が大変疲れるのです。体の動きに合わせれば、無駄なく空間を使えるという結論です。

 図面が出来たので制作しようと、付き合いのある材木店に聞くと「集成材は巾600くらいまで」とのこと。探していたところ「特注なら1300×6000まで可能」とある、広島の山根樫材工場のWebサイトを見つけたのです。

 2000×1300×30の内側をR600に切り取り、逆側には900×700×30の天板をつなげました。

 このエリアでの2人の仕事効率は随分上がったと思います。毎日のことですから「楽しく、気持ちよく働けるデスクにしたい」という目標が達成出来ました。

 以上が完成までの流れです。実は、特注の机は結構値が張ります。

 金額が合わない時は、クライアントにも頑張って机を作ってもらおうという、目論みもありました。それには、まず自分がやらないと、いう事です。

若者は

 今日でスタッフが一人辞めます。

 一ヶ月のオープンデスクを終え、修業生として残り、その後夜間の専門学校に通いながらスタッフとして働いてくれました。

 この1月の話し合いで、2月いっぱいと決まっていたで、突然ではありません。気まずい関係で終えることもありません。

 辞めると言った時には、気まずいだろうと思い理由は聞きませんでした。そうなった場合は、引き止めないと決めていたからです。

 一昨日、もう気まずい事もないだろうと思い、色々話をしました。多少気を遣っているかもしれませんが、「ここに不満は無いが、東京で挑戦してみたい」という事でした。

 彼は文系の大学を出て、卒業後、建築の専門学校に入学しました。面白い事を言っていました。飲食店でアルバイトをしている時、大学の卒業を隠したことがあったそうです。

 「お客さんの態度が明らかに違います。それから、学歴を外した自分とは一体何?と考えました」。自分に向き合い、仕事に向き合い、今に至ったのです。

 私はとしては、残って欲しいという気持ちも有りましたが、自分が選んだ道を歩むのが一番です。悔いや言い訳が残る人生は嫌ですし、私もそうして来たつもりです。

 彼には「麗しのサブリナ」でヘップバーンが言った言葉を贈ります。

 「人生とは何か。どう生きるべきかを知りました。傍観者ではだめだと。……もう、人生から逃げはしません」

 若者は荒野を行け。

実家、実家

 土曜日の昼間は、春一番を思わせるような温かい風でした。ようやく春かなと思うと、夜からは雪。

 長男が水疱瘡にかかってしまい、急遽、妻の実家で面倒を見てもらっていました。日曜の朝、高槻へ迎えに行くと、ちょとした雪景色。

 今年は本当に良く雪が降ります。こんなに降った記憶がありません。

 数年前までは、スキーに良く行っていました。今年はちょっと難しそうです。

 日曜日はいつもの事で私の実家へ。父が「今年は、1回もスキーに行かへんねやったら、孫連れて、ソリ遊びでもしに行ってくるか」と。

 「是非、連れていったって!」が本音ですが、「そやな。時間あったら頼むわ」と私。父子の関係は大体そんなものでしょう。実家と実家。最近はとっても助かっているのです。

ことばの力-生き方編-

 寒い日が続きますが梅は満開です。花は毎年暦通りに。淡々とした営みは、逞しくあります。

 唐突ですが、ことばの力-生き方編-です。「ことばの力」は一応シリーズで書いているつもりなのです。
 
 「たとえ嫌われたとしても真実の方を取る。真実が私の同志だからだ」 山本隆司
 「不幸せの時くたびれる者は、役に立たざるなり」 山本常朝(江戸時代 武士)

 社名統一でゆれる松下電器の創業者、松下幸之助は「成功は失敗の要因が蓄積している状態。失敗はそれを改善するチャンス」と言いました。

 言うは安し、行うは難しです。実行に移すかかどうかは、自分次第。自分を奮い立たせる為、偉人の言葉を求めるのでしょう。

一時大家族

 先週はバタバタとした一週間でした。

 妻は出産の後も、明日のまで入院の予定です。その間、私と長男は実家で生活しています。加えて、母方の祖母が久し振りに香川から出てきて、4世代で実家に暮らしているのです。

 少し前の日本なら、当たり前の事だったのでしょう。私の両親は共に田舎から出てきているので、いわゆる核家族でした。家系的には長寿傾向なので曾祖母に会った記憶はあります。しかし遊んで貰った記憶はありません。

 それを思うと、非常に良い機会だと思います。実家は大きな家ではありませんが、家族4人だったので、私達兄弟には自分の部屋がありました。小さい頃は嬉しいことでしたが、親の加護の元にいるのにプライバシーが完全に保たれているというのも矛盾する気がします。

 仕事人として考えると、個室が無いほうが良いとは思いません。しかし、快適を上回る経験はあると思うのです。むしろ快適でない時にこそ、学ぶことが多いのかもしれません。例えば、ウソをついて遊びに行った帰りは気が重くなるように。

 メジャーリーガー、イチローの父は小学校から高校を卒業するまでの間、一日も欠かさず練習を見に行きました。やはり、愛情=時間という気もします。

 自分が足りていない分、両親に期待していると言う部分もありますが、頭を下げてでも頼みたい気持ちはあります。愛情ある目が多ければ多いほうが良いに決まっていますから。

WHAT A WONDERFUL WORLD

家族がもうひとり増えました。3060gの元気な女の子です。

長男が生れた時、頭に浮かんだのは、ルイ・アームストロングの「WHAT A WONDERFUL WORLD」。彼女にも、同じ言葉を贈りたいと思います。

「ようこそ、素晴らしきこの世界へ!」と。

初めて女の子と聞いた時は、やや驚きました。全くイメージしていなかったのです。

長男の時は逞しく生きて欲しいと願いました。今は、幸せになって欲しいと願います。その違いが何か解りませんが、確かにそう思います。

どこかで思っています。いつかは「花嫁の父か」と。出来るなら、この素晴らしき繋がりを続けて欲しいと願うのです。

雪の京都とプレゼント

 今年は本当に寒い日が続きます。

 昨日は京都にいましたが、寒さのレベルが違います。街中でも随分な積雪になりました。

 しかし午後からは晴れ、キリッと冬晴れに。

 加茂街道から、東山を望みます。

 山、川、盆地が、京都の景色を印象付けます。雪大文字がくっきりと浮かび上がっていました。

 今日はバレンタインデー。もうすぐ、世界で一番嬉しいプレゼントが生れてきそうです。

『スーパーニュース』で「境内の中の家」が紹介

 土曜日は大雪でした。大阪で2㎝の積雪は11年振りで、1997年と言えば「たまごっち」」の年。雪の日の事は思い出せません。

 前回書きました、番組の日程が休み明けに決まりました。

 フジテレビ(8ch)スーパーニュースで6:16pm頃から20分間。(CS、ケーブルテレビはフジテレビ739 7:00pm~8:00pm)

 残念ながら関東ローカル枠なのですが、単純に喜んでいます。

  大阪の神社の境内にある住宅の建替え計画を、昨年の夏から取材して頂きました。VTRは見ていませんが、”密着200日。光りの入らない平屋が、明るい家へ生まれかわる!”建替え版ビフォアーアフターのような感じだそうです。

 恥ずかしながら、私も少し出ています。メインキャスターの安藤優子さんがどんなコメントしてくれるのか、気になりますが、 関東にお住まいの方は是非ご覧下さい。

一級建築士事務所 アトリエ m

素材は揃った

 何度か途中経過を紹介した境内の中の家。計画開始から1年と2ヶ月を経て竣工しました。

 ずっと取材して貰った、テレビクルーのみなさんもこの日で最後になりました。

 アトリエでは掲載誌の撮影とコメント撮り。映像を見ると火が出るくらい恥ずかしいんだろうと、今から覚悟はしています。

 解体、着工、竣工、引越し。20分の番組を創るのに、費やされた時間と労力は膨大です。

 ディレクターは「撮り残しは無いナ。よし!」素材は揃ったと、自分に言い聞かせました。後は編集作業。楽しみにして待つだけです。番組の性質上、放映日はディレクターも少し前にしか知らされないそうです。2月中旬から下旬にかけて、関東のみの放送ですが、ここで告知したいと思っています。

 どの計画も、初めの図面にはテーマを書きます。この計画では”緑溢れる境内に、家族の空を持つ家”。

 目的は達成出来たと思います。

 竣工写真の完成はもう少し先ですが、一番面白い場所から撮った写真です。

 計画地は平安時代より前からあるという神社の境内。神聖な場所での仕事ですが、日々の現場通いでは、つい礼拝を忘れてしまいます。

 竣工の日は、今までの失礼をお詫びし、感謝の気持ちで頭を垂れて来ました。

 一年を通してに神社に伺い、自然溢れる境内で強く感じたのは「この国の四季は本当に豊かだな」という事。どの国にでもあることではないのです。

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