昨晩、東北で震度6強の地震があったと、朝刊で知りました。
東京でも停電があったという書き込みや、東北新幹線が脱線したという記事もありました。一歩間違えば……と背筋が寒くなります。
反対に、まん延防止法全面解除というニュースも。
春分の日まであと4日ですが、何とか春にたどり着きたいところです。
大阪の道路は、東西、南北に向いているものが大半です。
この道路は南港通り。
東西は「通」、南北は谷町筋のように「筋」という名称がついていることが多いのです。
今日の日の出は6:07で、方角は91.2°。
ほぼ真東ですが、そのことがよく分かります。
冬至は約30°南から、夏至は約30°北から太陽が昇ってきます。
これらは地軸の傾きによって起りますが、原理原則を知っていれば覚えずとも腑におちます。
昨年末から読みはじめた今野敏の「隠蔽捜査」。
家の本棚にあったので、何気なく読み始めました。するともう止まらない。
娘が買ってきた本らしいのですが、スピンオフも含めてあっという間に8巻を読み終えました。
私は本を読んだあとに点数をつけています。
シリーズ1作目にあたる「隠蔽捜査」を読んだ時の点数は70点。普通か、ちょっと物足らないという点数です。
簡単に感想も書いておくのですが「 ちょっとキャラクターがかたく、感情が投影しにくい?」としています。
ですが、 「隠蔽捜査2 果断」も読み始めたということは、何か気になっていたのだと思います。その後の点数は全て90点以上。
かなりのヒット小説であること、またドラマにもなったと後で知りました。説明は不要かもしれませんが主人公を紹介してみます。
ガリ勉タイプで、東大卒の警察官僚である竜崎伸也は、警察庁長官官房総務課長という出世街道のトップを走っている。
「変人」で通っているくらいの生真面目さと、能力の高さを買われてのことだが、東大しか認めないという竜崎の方針で浪人中だった長男が、ふとしたきっかけでヘロインに手を出してしまう。
迷いはあったが長男を自首させ、事実を上司に報告すると、大森署長への降格人事となった。
しかし、適切な人員の配置、また現場のことは現場のエキスパートに任せるという方針のもと、所轄の署長として数々の難事件を次々に解決していく。
勤務中に競艇場へ通うが優秀な刑事や、小学校の時はいじめにあっていた同級生が、私大を卒業しキャリア官僚として再会したりと、回りのキャラクターも秀逸です。
本編から竜崎語録を引いてみたいと思います。
日本の未来を憂う人がたちがいる。日本人はだめになったと、二言目には言う連中もいる。そういう人々に、この寒空の下、戦い続けている若い警察官、消防士、海上保安庁の保安官、そして自衛官たちの姿を見せてやりたい。
悪い面だけ見てむやみに批判的になったり、虚無的になったり、あるいは冷笑的になる人々を、竜崎は心から軽蔑していた。そういう連中に限って、自分では何もしていないのだ。
短いのも紹介してみます。意地の悪いライバルと一戦交えたあとの夫婦の会話です。
着替えるために寝室に行こうとすると、冴子の声が聞こえてきた。
「でも、その弓削っていう方面本部長には腹が立つわね」
「いや」
竜崎は寝室に向かった。「小者には腹も立たない」
もうひとつ。
「左遷されてもなお、実力を発揮しようとする君の姿勢がよく分かった」
「どこにいても、国のために全力を尽くします。それが公務員のつとめですから」
「どうやらそれが、ただのたてまえではないらしいな」
「もちろん本音です」
「今、おそらく日本中の警察が君のような人材を求めている」
「繰り返しますが、私はどこに行っても全力を尽くします」
梶部長は笑みを漏らした。今度は苦笑ではなかった。
ドラマでも映画でも、警察物は現場の刑事をある種のスーパーマンだったり、反対に落ちこぼれだったりと、そういったキャラクターにスポットライトを当てることが殆どだと思います。
それが、感情のゆれがないサイボーグのような警察官僚が主役です。
その魅力を「隠蔽捜査5.5 自覚」の解説で文芸評論家の大矢博子さんが解き明かしてくれました。
面白いのは、竜崎自身は職場であろうが家庭であろうがまったくブレていないという点だ。なのに職場ではこの上なくかっこよく、家庭ではダメっぷりが目立つ。合理性のみに拠って立つ竜崎の(人間味のなさ)が。ブレないことによって逆に人間味を醸し出すという、実に興味深い状態になっているのである。
長くなりましたが、最後に竜崎と部下の会話です。
「ご自分が正しいと信じておいでなので、何があろうと揺るがないのです」
「俺はいつも揺れ動いているよ。ただ、原則を大事にしようと努力しているだけだ」
晩酌時の私のニューヒーローなのです。
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2月27日「照明計画」
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