おおいなる野外へ‐1396‐

 今日は海の日で祝日。

 今年も恒例の釣り合宿でした。

 奈良の最南端、池原ダムへ。

 長男と釣りにくるのは昨年の海の日以来。実に1年振りです。

 小6と中1では身長も随分違います。大きくなりました。

 暑いのは人も魚も一緒。

 水の冷たい最上流部からチェックします。

 かなり小さくはありますが、狙い通りの1匹を釣り上げました。

 釣りは自然が相手なので、いつも同じとはいきません。

 季節、天気、水温などの情報から、魚の居場所を想像し、釣りなが絞り込んでいきます。

 サイズを測ってリリースするだけですが、自分の仮説が正しかったとき、何とも言えない満足感と、清々しさを感じるのです。

 長男がテニスもしたいと言い出しました。

 高校のとき2、3ヵ月テニス部に属していただけですが、子供の相手くらいなら何とかなります。

 嫌というほど汗をかいて、夏の1日を満喫しました。

 野外好きは小さい時からで、中学生になると電車に乗って遠出するようになります。

 中2の夏、リュックにテントを詰め、釣り道具をもって4人で淡路島へ出掛けました。

 適当な浜にテントを張り、釣ってきた魚を調理し、それなりの食事をつくって2泊くらいしたでしょうか。

 ひもじそうにみえたのか、近所のおばさんが、飲み物や食べ物を差し入れてくれたのです。

 夜はすることもないので、ずっと流れ星を探していました。

 高校1年の夏、兵庫県の香住でテントを張って寝ていると、急に豪雨になりました。

 近くの高級そうなカニ旅館に駆け込み、1人2千円で食堂に雑魚寝させてもらったこともありました。

 翌朝は、少しカニ飯をサービスしてくれたのです。

 社会人2年目だったか、広島の山奥にあるダムがよく釣れると聞き、3人で向かいました。

 スロープから船を下ろして1日釣りをしたのですが、確かによく釣れるのです。

 釣りの最中、岸から半島のように張り出し、平坦な所がある場所を見つけました。

 元々どこかで野宿するつもりだったので、ここに泊まれば、夜も朝もいくらでも釣りができると思い、上陸してテントを張ることにしたのです。

 思う存分釣りを満喫し、食事をつくりビールを飲んで、大の字で寝ていたのですが、深夜に揺り起こされました。

 「いっぱいの目がこっちをみてる」と。

 テントから顔をだしてみると、真っ暗闇の中、無数の獣の目だけがこちらを見ているのです。

 こんなこともあろうかと持参していた「かんしゃく玉」を足下に叩きつけると、夜露に濡れたか蚊の鳴くような音。

 結局、追っ払えたのかも忘れてしまったのですが。

 昨今の熊情報を聞くとゾッとしますが、今こうして生きているので、全て笑い話で思い出です。

 ダラダラとした休日の午後。どんよりとした屋内ほど苦手なものはありません。

 野外へ出かければ何かしら問題が起こり、それなりに解決し、笑い話になり、少しの充実感を得る。間違いなくそうなるのです。

 開高健はこう書きました。

 木のように立ったままで私は頭から腐っていく。

 部屋の壁が倒れかかってくるように感じられる瞬間がある。

 白い紙が鋼鉄の罠に思えてくる。

 空白と沈殿で指一本持あげることもできなくなる。

 指紋で意識が混濁し、萎えきってしまう。

 そんなときである。

 だからだ。おおいなる野外へ出ていくのは。

-開高健- 『オーパ、オーパ!! 国境の南』より

 私も感性の錆を落とし、心の澱を洗い流すのが習慣になりました。

 そう、おおいなる野外へ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】

■「さかたファミリー歯科クリニック」内覧会
7月21日(金)~23日(日) 11:00~17:00
枚方市津田西町1-24-8


「R Grey」9月からの入居募集開始■
7月29日(土)モデルルームオープン予定

大阪市平野区平野西5-6-24

【News】

■3月25日『大改造!!劇的ビフォーアフター』朝日放送(ABC)「住之江の元長屋」再放映■
■10月29日『住人十色』毎日放送(MBS)「松虫の長屋」放映■

『建築家カタログ2016』8月29日発売に「遠里小野の家」掲載

『homify』6月4日「松虫の長屋」掲載
『homify』5月10日「長田の家」掲載
『homify(タイ)』4月25日「加美の家」掲載
『homify(中国)』4月9日「住之江の元長屋」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日

人でよかった‐1395‐

 6月のある日、セミの鳴き声に気付きます。

 それが日に日に大きくなっていき。

 間もなく梅雨明けでしょうか。

 「ほぼゲツモク日記」を始めたのが2004年の9月。

 当初は書いたり書かなかったりで、20005年の10月からは、必ず月木に書くよう「ゲツモク日記」と改めました。

 その後、「現場日記」を別サイトとしたのが2008年9月でした。

 複数の現場が進むようになり、日記だけでは現場で感じたことを書ききれないと思ったからです。

 現在は、工事中の現場が5件あり、週の半分は現場へ。週の半分は会社で仕事をします。

 現場の環境も、郊外での新築あり、市街地のでリノベーションありと、本当に様々。

 やはり現場へ出ると、目にする景色が変わります。

 水を求めてかアゲハチョウが。

 あまりの暑さに、這い出してきたミミズ。


 
 目の前を疾走するトカゲ。

 エサをついばむシラサギ。

 生き物はこの暑さの中を、逞しく生きています。

 アンパンマンの作者、やなせたかしさんは兵役を経て三越のデザイナーとして働き始めました。しかし1953年(昭和28年)に退社。

 1973年(昭和48年)、54歳の時にアンパンマンを発表し、人気漫画家となるのですが、それまでは本当に仕事がなかったそうです。

 漫画の仕事がなく、何でも引き受けたとありましたが、そのひとつが「手のひらを太陽に」の作詞でした。

 あれは漫画の仕事がほとんどなくて辛い時代に、夜、懐中電灯で手のひらを透かしてみたら血管が浮き上がって見えたことからできたんです。

 自分は元気がなくても血は赤いんだなあって。

 懐中電灯ではさまにならいから、太陽にしたんですが、まさかあんなに売れるなんて思ってもみなかったですよ。

 気分とは関係なく真っ赤な血潮が流れている。

 そんな当たり前の真実を聞くだけで、元気がでてくるのだから不思議です。

 嘘か本当かは知らないのですが、明石屋さんまは愛娘の名前を「生きてるだけで丸儲け」から付けたと聞きました。

 流石は究極のオプティミストですが、それが人生の結果とした表れているのかもしれません。

 みんな友達は理解できます。

 しかし、オケラやアメンボでなく、やはり人に生まれてよかったと思うのです。

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日

運命は勇者に微笑む‐1394‐

 昨日は、1年ぶりに「松虫の長屋」へ。

 施工会社の担当者の引継ぎがうまくいっていなかったようで、私も立ち会ってきました。

 天王寺からチンチン電車で2駅。

 ローカル感たっぷりのホームと日本一高いあべのハルカス。

 便利と暮らしやすさが、阿倍野区の魅力でしょう。

 こちらに伺うのは、昨夏「住人十色」の撮影打合せにきて以来です。

 普段使いの風景と、テレビ撮影時がまったく同じではありませんが、それほど大差はないとも言えます。

 そんな写真をあげると「ウチは無理だわ」という声が聞こえてきそうですが、日々の暮らしを楽しくするのが、空間の力だと思っているのです。

 施工会社の引継ぎが終わり、ご主人、お母様と世間話をしていました。

 そうしていると、習い事から奥さんと子供さんが帰宅し……

 いつもの定位置に。

 2人がいつも元気に迎えてくれるので、私はとても訪れやすいです。

 最近、休職、退職という言葉を本当によく聞きます。

 1年休んだことがある私がいうのも何ですが、どこで働いても、いくら休んでも、自分の生き方、考え方を変えなければ、結局何も変わらないと思います。

 その覚悟を決めるために時間が必要なら、それはそれでよいかもしれません。

 しかし、本当に困り、そして成長していくのは、残された側なのです。

 もし自分が特別な存在でないなら、同じような課題、問題は、ほぼ平等に起こっています。

 それから逃げなかった人が、少しよい結果をだしているにすぎないと思うのです。

 運命は勇者に微笑む

 ジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」の中にある一節です。

 人は誰しも弱いもの。だからこんな言葉をよりどころに、今日も勇気をだして働くのです。

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アトリエmの現場日

3代かけて知るお金の使い方‐1393‐

 梅田新道の北東にある露 天神社(つゆのてんじんしゃ)。

 「お初天神」のほうがわかりよいでしょうか。

 梅雨の晴れ間に映る緑は、都心部において一服の清涼剤です。

 1703年、境内で情死した遊女「お初」の名前をとってお初天神と呼ばれるようになりました。

 この実話を題材に、近松門左衛門がえがいた人形浄瑠璃が「曽根崎心中」です。

 「曽根崎心中」の大ヒットによって広く知られ、多くの人が訪れるようになりました。詳しくは社のwebサイトに。

 南に建つのは梅新第一生命ビル。

 かなりの高さですが、神社の参道に敬意をはらい、建物がくり抜かれています。

 法的には不要だったと思いますが、共生するとはこういうことだと思うのです。

 「埋田」が「梅田」となったと言われるほど、江戸時代までキタエリアは何もなかったといいます。

 時々話題にあがる「うめきたガーデン」ですが、入園料が1000円。

 ニューヨークのセントラルパークは無料。天王寺にある「てんしば」も無料です。

 さらにお初天神が朝の6時から深夜0時まで、開いているのをみると……

 ここは大阪の顔となりえる場所。

 誰に権限があるのか知りませんが、英断を下せば喝采しか起らないと思います。

 大阪市民は、ただケチなだけではありません。どこにお金を掛けるべきかを知っていると思うのです、といっておきましょう。

 近くに広がるお初天神通り商店街は、戦後の闇市から発展していった雰囲気を残しています。

 自然発生した街のほうに、私は魅力を感じるのです。

 御堂筋沿いにある「縄すし」。この店には少し思い出があります。

 27歳の頃だったか、作家の友人が個展を開きました。そして、ある方からお祝いを貰いました。

 「こういったお金は、ひとりで使わないほうがいいから」みたいなことをいい、「寿司でも行こう」となったのです。

 独立して2年目。人におごろうと思える程のお金は勿論ありません。

 かといって、おごって貰うのも苦手で、そういう場面は極力避けていました。

 当時、彼とはたまに会うくらいだったのですが、ご馳走になることにしました。

 彼は私の知る中でも育ちがよく、おごるとかおごってもらうとかにまず執着していません。

 「お金の使い方が分かるまでは3代かかる」と言いますが、まさにその3代目。

 品とでもいえばよいのか、こういったものもそれに近い気がします。

 で、この店に連れられて来たのですが、当時1皿が100円から200円くらいだったと思います。

 この値段で、職人が握った寿司を食べられるのだと驚き、ビールで乾杯したのです。

 ゲソの握りとサンマの握りが本当に美味しかったことを舌が覚えています。

 食やお金には、人柄が顕著に表れます。そういっている時点で、まだまだお金の使い方など分かっていないのでしょう。

 お金の使い方が分かっているか。

 もし孫ができたら、彼が成人した時に、ゆっくり考えてみたいと思うのです。

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日

7/21(金)~23(日)「さかたファミリー歯科クリニック」内覧会を開催します‐1392‐

 枚方で進めてきた「さかたファミリー歯科クリニック」

 ようやく完成が見えてきました。

 7/21(金)~23(日)には内覧会を開催します。

 医院の北側には国道307号線が通ります。

 この道路は枚方駅まで続く幹線道路で、かなりの交通量があります。

 枚方市は、京阪電車、JR学研都市線と2本の電車が通りますが、やはり車社会。

 5台の駐車スペースを確保しました。

 まずは、地域の皆さんに知ってもらうことが一番大ですが、ただ目立てばよいというものではありません。

 清潔、信頼、そして機能的でなければ、品のないものになってしまうのです。

 そして、「庇」というコンセプトに思い至りました。

 エントランスを入るとまずは受付。

 そして広い廊下は待合も兼ねます。

 各チェアに、直接アプローチできます。

 サービス動線と、患者さんの動線が交錯せず、かつプライバシーが守られているのです。

 これは、院長である坂田さんからの当初からの要望でした。

 機能的な空間に、丁寧な医療が生まれるのです。

 受付上は吹抜け。

 2階も将来は診察室となる予定です。

 今日からはオープニングスタッフによるトレーニングも始まりました。

 内覧会の詳細をまとめておきます。

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「さかたファミリー歯科クリニック」内覧会
7月21日(金)~23日(日)
11:00~17:00
枚方市津田西町1-24-8
https://goo.gl/maps/cEjeXxwGpyv
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 私は22日(土)のお昼から伺う予定です。

 

 ノボリが写っていますが、5軒となりにある「四川ラーメン」はなかなかの繁盛店です。

 はす向かいにある「香の川製麺」の讃岐うどんもなかなかです。

 近所には山田池公園、ひらかたパークも15分程。

 近くの方は、ドライブがてら是非遊びにきて下さい。

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アトリエmの

けがれとはらい‐1391‐

 昨日、食卓にさくらんぼが並んでいました。

 このあいだ田植えが終わったと思ったら、いつの間にか夏至も過ぎ。

 2017年もあっという間に上半期が終わります。

 お札やお守りをゴミ箱に捨てるのは気が引けるもので、近所の神社へ奉納してきました。

 杭全神社は平安時代に創建され、府社の社格をもちます。

 門の脇に、六月三十日夕刻に大祓式(夏越祓)とあります。

 横には「茅の輪神事」とも。

 門の手前に、「茅の輪(ちのわ)」が設置されていました。

 初めて見たのですが、以下はその案内文です。

 昔から六月と十二月の晦日に大祓いといって今まで半年間の罪祓いを人形に託して流し祓い清め(雛祭りの起源)生々きした生命力の復活を祈願しました。

 (中略)

 とくに病気にかかりやすい真夏を迎える六月の大祓(夏越の祓)には、疫病神を追い払う霊力をもつ「茅の輪(ちのわ)」をくぐって心身を祓い清めるのが昔からの古い伝承であります。

 水無月の夏越の祓する人は 千年の命延というなり(古歌)

 神道は、自然崇拝を基本としたものですが、穢れと祓いの概念が中心にあるといえそうです。

 生きるということは穢れるということであり、祓いによってそれらは取り除かれる。

 非常に寛容な精神文化ともいえるのです。

 織田信長が、今川義元を討った桶狭間への出陣の朝。「敦盛」を舞った話は有名です。

 敦盛は「人間五十年、化天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり」で始まる能の演目。

 ある番組で、この舞によって信長は呼吸を整え、冷静になっていったのではないか、という説が紹介されていました。

 「穢れ」をネガティブな感情、考え方とするなら、「祓い」を儀式と置き換えてもよいかもしれません。

 信長を例にとるまでもなく、成功者は例外なくこの儀式を持っている気がします。

 瞑想、座禅、ジョギングなど方法は様々ですが、いずれもそれは時々でなく習慣となっています。

 脳科学的にも、人の感情は、意思で制御するより、行動で導く方が簡単だそうです。

 「茅の輪(ちのわ)」をくぐってきたので、半年の穢れが全て祓われました。

 6月の晦日を過ぎれば、清い体で勝負の下半期へ突入です。

 穢れは儀式で祓う。

 当たり前ですが、誰もが舞う必要はありません。

 入浴でも、読書でも、ヨガでも、自分がそう思いこむことが何より大事なはずなのです。

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好きは妥協なし‐1390‐

 週末は久し振りにしっかり降りました。

 明日からは、ようやく梅雨らしい天気が続くようです。

 降らなければ心配だし、降れば降ったで文句をいい。

 人の都合を聞いてくれないのが自然ですが、水を治めたものが、この国を治めたといえるでしょう。

 大和川は奈良盆地の水を集め、大阪平野に流れ込んできます。

 元の川筋は、生駒山地を越えてすぐ北上していました。大雨の度に氾濫していたと想像できます。

 それを現在のように付け替えるようとしたのが秀吉です。

 

 2000年前の大阪平野をみると、村落が、谷か河口の低湿地帯に発展したのがよく分かります。

 それには理由があります。

 司馬遼太郎が「この国のかたち」で、こう書いていました。

 谷こそ日本人にとってめでたき土地で、丘(岡)などはネギか大根、せいぜい雑穀しか植えられない。

 江戸期の岡場所(正規ではない遊郭)という場合の岡は、傍(はた)とか第二義的な場所と言う意味だった。

 田は水を抜かなければならないので、緩やかな斜面に棚のように田を造成し、低地へと下っていきます。

 しかし底の地は、しばしば洪水で家なども一緒に流されます。二律背反の緊張の上に成り立っていたのが、日本の村落だったのです。

 山手に人が住みはじめたのは、幕末から明治にかけて西洋人が横浜、長崎、神戸あたりで異人館を営んだことが始まりです。

 ○○ヶ丘が、少し時代をさかのぼれば、ネギしか育たない、傍(はた)扱いだったのは面白いところです。

 甲斐の国(山梨)を、空からみると、さまざまな峡(かい)が割れ込んでいて、細流が多く、山国とは思えない程多くの人口を養ってきたことが分かる。

 はじめて空から見たとき、感動を覚えたと司馬遼太郎は書いていました。

 知らなければ、心が動くことはなかったはずです。

 「知」が考察を深め、真理を見抜く。こういった人を本当のプロフェッショナルというのでしょう。

 学ぶが先か、知りたいが先か。

 今は、「知りたいが先」とはっきり分かりますが、最も時間がある学生時代に、これがなかなか見つからないものです。

 司馬遼太郎は37歳のデビューですし、「ゲームの達人」で知られるシドニィ・シェルダンが小説を書き始めたのは50歳から。

 流石に50歳まで持ちこたえられるのか分かりませんが、好きに妥協だけはしてほしくないのです。

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打ち放しのマンション「R Grey」入居募集始めます‐1389‐

 これまで「平野西アパートメントハウス」と呼んできた、打ち放しのマンション。

 正式名称が決定しました。

 「R Grey」

 意味は昨日現場日記にUPしました。

 募集はすでに賃貸住宅サービスのサイト上で始まっていますが、9月からの入居募集を始めます。

 オーナーである弟は、近隣の相場より少し高めに設定されている家賃を、説明できる資料が欲しいと言われたそうです。

 それでパースを描くことになりました。

 バルコニーの手摺壁は、グレイの木になる予定。

 建物としての頑丈さ、機能、美しさと、一般的な1LDKのマンションとは、違う次元に高めているつもりです。

 しかし、仲介会社がいっていることも分かるので、長所をまとめてみました。

1. 安全

 構造はコンクリート壁式構造。最も頑丈な構造体の1つで、阪神・淡路大震災で一棟も倒壊していないといわれます。

 また、工事の過程も「現場日記」で報告でしてきました。当然ですが、手抜き工事などありえません。

2. 静か

 マンションで多いのが上下階の音の問題です。コンクリート床の厚み18cmで防音床組み。防音対策には細心の注意を払っています。

3. 心地よい

 南向きのバルコニーと大きな開口があり、反対の北側洋室にも窓があります。

 天井高さ2.6mの空間を、南北に風が通り抜けます。3層6住戸なので全てが角部屋。

 また、バルコニーと庇が夏の光を遮断し、冬の光は遮ぎらないよう設計しました。

 平野西公園まで徒歩1分。比較的大きな公園です。

4. 便利

 地下鉄平野駅から4分となっていますが、3分で着きます。

 大阪市内でもかなり減った銭湯が真向かいにあり、駅前にはコンビニが4件、ドラッグストアもあります。

 飲食店は、王将、お好み焼き、居酒屋など。銀行、スーパーは駅前のマンション側に。

 徒歩30秒にある「チャッピー」のたこ焼きはかなりいけます。

 こだわりがあり、違いを求めるシングル、もしくは若いカップルの幸せな暮らしをイメージして設計しました。

 工事費の内情を知っている私からすれば、この質のマンションがこの家賃になることはないと思います。

 一番の理由は、現場日記の第1回目に書きました。土地代がこの計画にはほぼ入っていないのです。

 しかし評価は常に他者が下すもの。

 今できることは、6人または6組の人たちに支持してもらえるよう、誠心誠意物創りをすることだけです。

 9月を楽しみにしているのです。

プラン

平野西公園

銭湯

駅前のコンビニ

王将

銀行とスーパー

チャッピーのたこ焼き

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あなたにとっての太陽とは‐1388‐

 先週土曜日は、Ohanaへ行っていました。

 かやしまフォトスタジオOhanaは、オープンして間もなく8年になります。

 ピカピカではないぶん、より入りやすい雰囲気になりました。

 小物も色々と増え、よりカメラマンである石井さんの個性がでています。

 2階も勝手にのぞいて、撮影してきました。

 階段からみえるのがオリーブの木。

 当初は2m程度だったのが、2階の床より高くなるまで成長しました。

 草木の成長が、建物をより優しくしてくれます。

 壁にかかる数々パネルが、Ohanaのストーリーです。

 建築において、「出来上がった時が完成ではない」という言葉はよく聞きます。

 また「時間が経つにつれ、味わい深いものに」ということも同じくよく聞きます。

 屋根が銅板で、緑青がふいてくる。または檜皮葺きで、それらの色味が落ち着いてくる。

 そういった建物なら別ですが、安定を求められる現代建築において、それは決して簡単なことではありません。

 私の結論を書かせて貰うなら、それを実現するのは住まい手、使い手の愛情以外にありません。

 とびきりその建物を好きになって貰うしかないのです。

 好きだから、この空間にはこんなものが会うんじゃないかといつも考える。

 手入れはちょっと大変と聞くけれど、ここに合う木を植えてみようか、できるだけ美しくしておきたいとなるのです。

 私がどれだけ美しいと思っていても、クライアントが愛してくれなければ、何の意味もないのです。

 クライアントの好きと幸せを、ただただ掘り下げていく。それは「あなたにとっての太陽とはなんですか」という質問に集約されます。

 私の物創りの根幹はここにしかありません。

 2011年にOhanaで受賞したキッズデザイン賞は「私の考えは間違っていなかった」と思えました。

 何より、Ohanaが地域の人々に愛されているという現実が、1番の自信になるのです。

 この日は、裏庭で行われたBBQに呼んでもらっていました。

 ここまで雨の少なかった今年の梅雨ですが、週中からは雨が降るようです。

 この世に変化しないものはありません。

 人は変わる。変われるでは無く変わるんです。

 調子がいいからずっと同じ状態でいたいと言っても無理なんです。

 ならいいほうに変わろうよと、僕はいつも言ってるんですよ

-王貞治-

 もしかするとOhana第2章が始まるかもしれません。

 その時は、前回とは違った深さまで、掘り下げてみたいと思います。

 変化を恐れず、新たな頂きを目指したいと思うのです。

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じゃりン子チエのいる風景‐1387‐

 敷地調査へ行った帰り、板張りの長屋をみかけました。

 昭和40年代以前、街はある程度の統一感があったはずです。

 私はこれを「じゃりン子チエのいる風景」と言っていますが、家は概ね瓦、杉板、などで構成されていました。

 「じゃりン子チエ」の舞台は、昭和50年代の大阪の下街となっています。

 しかし漫画の中の風景は、おそらく作者の幼少期、昭和30年台前半から、40年代前半までの西成区の街並みでしょう。

 私は昭和45年生れですから、50年代の下街で育ちました。その風景とも少し違うのです。

 外壁がモルタルに変わった文化住宅は、昭和40年代中盤から50年代にかけてのものか。

 この時代以降、新建材の発達と流通の進歩により、建築に対しての選択肢が急速に増えていきます。

 素晴らしい点も多くありましたが、日本の街並みはカオスへと陥って行きました。

 カオスは混沌を意味しますが、日本の街並みを語るとき、必ずでてくるのがこのキーワードなのです。

 流通が発展していないということは、その場でつくるということです。

 左官職人の遊び心なのか。

 はっきり言えば、高級でなないが味わいがあるのです。

 今週から築80年の長屋のフルリノベーションが始まりました。

 昭和10年代の建物です。

 壁は土壁。

 中には竹の下地、竹小舞が入っていました。

 隣家との界壁の土壁は、それを残しながらの工事になります。

 屋根裏から出て来た電線。

 現在なら樹脂ですが、昭和10年代はニクロム線に布状のものを巻いて絶縁していたのでしょうか。

 板金もあちらこちらで使われ、そして錆びています。

 80年前の手跡がそこかしこに見てとれるのです。

 効率化をはかるなら、工場で作ったものを現場で組み立てる方が優れています。また安定感もあるのでしょう。

 これをプレファブリケーションといいますが、建築がまるでプラモデルのように作られることに、一抹の寂しさを覚えるのです。

 モダニズム建築の巨匠、前川國男はこう言いました。

 人間は所詮滅びるかもしれず、せめて抵抗しながら滅びようではないか。

 そして、そうならないようにしよう。

 時代の流れは、いかんともし難いものがあります。

 しかし、じゃりン子チエのいる風景、もしくは小京都などと呼ばれる景色をみると、ノスタルジーを覚える人が多くいるのもまた事実です。

 現場に組み立てロボットしかいない時代が来たら、私の役目などあろうはずがありません。

 そうならないよう、ただただ抵抗して生きるしかありません。

 そしてその役割を、僅かながらも担っていると思っているのです。

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