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「阿倍野の長屋」‐12‐これがフルリノベーションだ

 11月初めに撮影をした「阿倍野の長屋」。

 webサイトのページが完成しました。

101北側外観

 北向きの四軒長屋の中央二軒のフルリノベーション。

601※外観 - コピー

 以前の外観です。

102北東外観

 必要なもの、必要でないものを整理整頓していきました。

103エントランス

 エントランスに寄り付きがあると、街への印象はぐっと変わってきます。

201LDK西から

 やはり、これがメインカットでしょうか。

 光庭、ロフト、ボルダリングと、この家の特徴が良く分かります。

202LDK北西から

 上のお兄ちゃんを、奥さんと次男君が見ている写真も楽しそうです。

204キッチン

 食事の風景も、実際に作って貰ったと書きました。

203LDK北から

 ご主人のお母さんも一緒に暮らします。

604※1階 - コピー

 以前のダイニングは1階にありました。

 ボルダリングの壁の後ろに階段があり、5段下がったところに中2階があります。

105中2階和室

 この部屋は、お母さん専用リビング。

 ご家族の友達が遊びに来た時、丁度良い距離感が5段なのでは、という奥さんとの会話から出来上がったものです。

 うるさ過ぎず、一人にせず。そんな気づかい、愛情を空間にしました。

 305ロフト北向き

304ロフト西向き

 ロフトは、子供専用の空間です。

 おもちゃが、リビングに出てこないのが兎に角嬉しいと、奥さんに言って貰いました。

401光庭

 そして、環境を大きく改善したのがこの光庭。

 階段下にも空間があり、裏の路地へと繋がっています。夏には、ここから路地で冷やされた風が入ってくるのです。

 床にあるアクリルの床も、階下に光を落とすためのもの。

402LDK夕景

 洗濯を一手に引き受けるお母さんのリクエストは、広い物干し。

 手前半分を月見台という位置づけにして貰いましたが、とても広い物干台になりました。

403月見台

 快晴のもと、ハルカスを眺めるこの光景を、イメージしてプランを練って行きました。

 「こうしておけばよかった、という所は全くありません」と言ってもらいました。

 北向き四軒長屋の中央二軒に光と風を導いたフルリノベーション。
 
 私も、ほぼやり切ったという気持ちです。

文責:守谷 昌紀

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「阿倍野の長屋」‐11‐写真撮影そしてエピローグ

 11月3日は文化の日。「阿倍野の長屋」の写真撮影でした。

 前日は久し振りの雨でしたが、雲1つない青空が広がりました。

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 とは言え、天気はきまぐれ。

 撮影は早目、早目が鉄則です。

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 屋根上にある月見台から、北に望むあべのハルカス。

 晴れと曇りでは、全く違う景色になります。撮影の時ほど、晴れが嬉しい日はありません。

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 月見台から光庭を降りていくと、ダイニングにつながります。

 この計画は、四軒長屋の中央二軒のリノベーション。この部分は屋内でした。

 ここを減築し、光と風を取り込こむという提案をしたのです。

 これを面白がってくれるクライアントと、それにトライしようという施工会社がなければ、実現することはありませんでした。

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 もと界壁だった壁にも開口をあけ、ロフト部にある子供部屋とLDKが繋がります。

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 撮影の間、人物無しのカットを撮る際は、ここで待機して貰います。

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 それらを繋ぐクライミングウォールは、夫妻の友人も時々登るそう。

 それより、玩具が広がっても気にならない。かつ目は届くロフトを、お母さん友達は評価してくれるとのことでした。

 「こうしておけば良かった、というところは無いんです」と言って貰いました。

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 人物ありのカットは、調理から食事までの撮影です。

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 写真なのにという事無かれ。

 演技ではなく、本当であることが大事なのです。

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 作っている間にお腹一杯になってしまうかもしれませんが。

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 「子供に手伝って貰ってもいいですか」というのは、奥さんのアイデアでした。

 こちらのご家族は、暮らしを楽しもうという気持ちがよく伝わってくるのです。

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 一緒に住む、ご主人のお母さんにも入っていただき、食事の風景も撮影しました。

 これで午前の部は終了。

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 日没後、更に夕景を2カット撮り、この日の撮影は終了しました。

 写真が上がってくるのは3週間後。楽しみですが、間違いのない出来だと確信しています。

31 - コピー - コピー

 昼食のおにぎりの上に乗っていた海苔は、恐竜の形をしていました。福井の恐竜博物館で買った、抜き型だそうです。

 計画のスタートは2013年の秋。

 鍼灸整骨院を経営する忙しい中、夜の打合せがほとんどで、お子さんのお弁当を持って来られた事がありました。

 その海苔も、このような抜き型だったのだと分りました。

 暮らしを楽しむ。人生を楽しむ。それは、何かが無ければ出来ないものではありません。

 物創りを生業としている私が言うのも変ですが、物がなくても意思があれば十分だと思うのです。

 「今まではあまり友人を呼ぶことが無かったのですが、4家族までは行けますよ」という言葉に、自分達の存在価値を見出すのですが。

 日々の暮らしに、ささやかな喜びを付加できたらなら。それが私達の仕事です。
 
 この撮影で計画はひと区切りです。ここまで要した時間は2年。振り返ってみればあっと言う間でした。

 次回はおそらくメディアの取材時だと思っているのです。

文責:守谷 昌紀

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