この敷地は南西の角地で、隅切りがあります。
隅切りとは、個人の敷地であっても建築基準法上、建築ができない部分のことです。
その敷地の特徴をどういかすか。
それは建築設計の永遠のテーマですが、これだけ特徴があると反対に、意思決定は早くなります。
どうせ建築できないなら、来客用の駐車スペースにするのがよいだろうと考え、プランを練っていったのです。
その形が、徐々に出来上がってきました。
夏の西側からの直射を避けるため、西に開口部はありません。
それがこの建物の表情と、品格を表してくれると考えています。
特に、屋根の端部は重要です。
内部からみると、その形が分かりやすいでしょうか。
斜めの壁と交差する部分にはスリット状の開口を設けました。
建ぺい率をクリアするため、どこかの面積を削る必要がありました。それならこの部分にくびれをつくり、西側の顔をよりはっきりさせてはと考えたのです。
環境と宇宙の違いは、自分が含まれているか否かの一点だけが異なっているといいます。
環境を理解し、宇宙と一体となれたのか。
もうすぐその答えが明確になります。
文責:守谷 昌紀