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家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐5‐取説とエピローグ

 木曜日の昼から「取り扱い説明」、いわゆる「取説」でした。

 引渡し前に、キッチン、ガス給湯器などの担当者が順に現場を訪れます。

 キッチン担当は、少し早めに来て準備中。

 この住宅のメインコンセプトは「家事動線がコンパクト」。

 キッチンとダイニングテーブルは横並びなので、動線は最短です。

 階段の向こうにあるのは洗濯室。

 洗濯機は引っ越し時に据えられますが、その上にあるのは簡易アイロン台です。

 洗濯室からは脱衣室、洗面へとアプローチできます。

 エントランスからの並びは、シューズクローゼット、クローゼット、洗面、脱衣室、浴室。

 脱衣室は洗濯室とつながり、洗濯室とキッチンがつながります。

 更に全てに廊下からもアプローチできるのです。

 そうこうしているうちに奥さんがみえ、説明が始まりました。

 正面に見えるのは中庭。

 コートハウスはやはり光が優しい。

 6畳ほどの空間ですが、2階の窓から1階とコンタクトできるようになっています。

 奥にあるのは当面は土遊び場、将来は緑を植える予定です。

 中庭は2階においても価値があります。

 1、2階ともですが、全ての部屋が中庭に向いて開いているので、完全にプライバシーが守られています。

 こちらの住宅の公開は現場まで、よって今回が最後。

 これもストーリーの1つなのです。

文責:守谷 昌紀

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家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐1‐プロローグ

 敷地は閑静な住宅街で、近くにコンビニもない。

 この便利で忙しない時代、静かさは何にも代えがたいということがわかる。

 息を止めては大げさでも、見ず知らずの人が歩けば、周囲からの視線を気にすることになるだろう。

 金額調整も終え、6月から本格的に工事はスタートした。

 配筋検査を終えると、建物と敷地の関係がよく分かる。

 特徴は、何といっても6畳ほどの中庭だ。

 この建物は、外には完全に閉じている。

 そして全ての部屋がこの中庭に開いている。

 コートハウスも、L型、コの字型とバリエーションがあるが、ロの字のコートハウスは、最も大きな敷地を必要とする。

 反対のいい方をすれば、各部屋へのアプローチを要するため、面積効率が悪いともいえるのだ。

 夫妻は共働きで大変に忙しい。

 その中で、家事動線を限りなくコンパクトに、そして気楽に開ける屋外を求めた結果、このプランに行き着いたのだ。

 家事動線については、奥さんと細に入り打合せをした。

 とてもコンパクトで、スムーズな動線になったと自負している。

 プライバシーが保たれ、家族だけの空がある家。

 ミニマルな箱の中に、豊かな空間を生み出したいと思う。

文責:守谷 昌紀

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