タグ別アーカイブ: 保育園

(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐9‐街角のペインター

 今日は、最後の定例会議でした。

 天気は生憎でしたが、園庭も大分出来上がってきました。

 外壁の杉板工事も概ね終わり、感じがでてきました。

 内部は、家具の取付が始まっていました。

 0歳児室では取付の最中でした。

 この部屋は、ヘの字のプランの角にあたるため、トップライトから光をとることにしました。

 柔らかい光が優しい雰囲気を醸し出していると思います。

 見上げた2階部分の反対にあるのが「こもれびひろば」です。

 トップライトの光を、壁の上部に設けたハイサイドからおすそ分けしてもらいました。

 その光を木漏れ日に見立てたのです。

 3、4歳児室のパーティションを開ければこの大空間に。

 外観を印象付ける杉板ですが、淡い白の塗装をしています。

 庇の下とはいえ、外部にあるので保護を兼ねて塗料を塗るのです。

 塗装チームの職長が「とってもいい感じですねエ。普通は焦げ茶なんかに塗るところを、こんな色合いで仕上るんですね。とっても遣り甲斐があります」と。

 同年代の彼に、なぜここを白木にしたのか説明しました。

 塗装職人は、自分で色を調合できなければ商売になりません。

 街角のペインターは、色に対して繊細な感覚をもっているのです。

 言ってみれば、プロ中のプロから褒めて貰ったことになります。

 その顔をみれば、お世辞ではないと思います。

 これがもしお世辞だったら、もう人間不信に落ちいってしまうのです。

文責:守谷 昌紀

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(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐2‐子は宝

 「トレジャーキッズたかどの保育園」の工事が本格的に始まっています。

 まずは地盤改良工事。

 本格的に建物の設計をする前には、地盤調査をします。

 そのデータに基づいて地盤に改良が必要がどうか、どんな改良をするかを設計するのです。

 この土地は、表面から柔らかい粘土の層が続きましたが、砂礫の良好地盤が見つかりました。

 その層まで穴を掘り、セメントミルクを注入しながら撹拌していきます。

 地面の中に太い電柱を現場製造していくイメージです。

 ちなみに、このオペレーターの人は、新・国立競技場の地盤改良杭を施工してきたとのこと。

 この道のエキスパートなのです。

 大阪は、上町台地を除いて5000年前は海だったところが大半です。

 今回の良好地盤は、砂に礫の混じった層でした。

 砂に丸い礫が混じっているということは、川から運ばれてきたものだと想像できます。

 弱い地盤面を無視すれば、数千年前の地面の上に、コンクリートの柱をたて、その上に保育園が乗っているという図になります。

 過去が現在を支えているのです。

 園の名前は「トレジャーキッズたかどの保育園」となる予定。園の名前の通り、子供は間違いなく人類の宝なのです。

 園の運営会社の方がこんなことを言っていました。

 「大阪で庭を持つのって大変じゃないですか。

 保育園では思いっきり外で遊んでもらいたいですよね。

 近くにウチの園があれば是非通わせたいですもの」

 仕事の基本は人の気持ちになること。

 自分の会社の仕事を、ここまで好きになれることは素晴らしいことです。

 なんとか私たちの思う、理想の園を創り上げたいと思います。

文責:守谷 昌紀

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(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐1‐プロローグ

 大阪市旭区は大阪市の北東部にある。

 京橋、梅田なども近く大変便利なところだ。必然的に人が集まり、非常に人口密度の高い地域となる。

 待機児童を減らすことは、大阪市としても大きな課題となっている。

 その期待を背負って(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園の工事はスタートした。

 敷地は東側で道路に面しており、奥行きが深く30m以上ある。都心部としては比較的大きな敷地だ。

 特徴は、何と言ってもそれを活かした広い園庭だ。

 また、園庭に開いた大きな開口部は、全て南、東を向く。

 その恵まれた条件を活かすため、できる限り庇をめぐらせている。

 庇は夏の日差しをふせぎ、冬の直射をできる限り遮らないよう設計した。

 雨でも窓開けられる。暑すぎない、寒すぎないと、軒下の空間は非常に人に優しいものだ。

 そのデザインコンセプトのまま、ファサードは深い庇と、木の壁で構成した。

 この園の特徴を、街へ伝えることができればと期待している。

 園のメインコンセプトは「2つめのおうち」。

 走り回れるような庭を持ちにくいのが都心部での悩みである。

 小学校に上がるまでの数年間。ここを2つめのおうちとして過ごし、楽しい思い出をつくって貰えれば、創り手としてこれ程嬉しいことはない。

文責:守谷 昌紀

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