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「住吉区歯科医師会館」‐5‐咲きほこる

 世は「平成最後」とかまびすしいですが、新元号が4月1日に発表されると知りました。

 つい先日、娘に教えて貰ったのです。

 そんな世間の喧噪とは関係なく、季節は粛々と進んで行きます。

 現場の近くの長居公園で、早咲きの桜かなと思って近づくと「アーモンド」と表記がありました。

 あのアーモンドなのでしょうか。

 工事も残すところ1ヶ月となり、職人の往来も激しくなってきました。

 来月、クライアントである歯科医師会の皆さんをお迎えする「現場内覧会」を予定しています。

 来客用ヘルメットもすでに準備済。

 壁下地の工事も進んでいますが、全て鉄製のライト・ゲージ・スタッドで構成されています。

 一般にはLGSと呼ばれるもの。

 防火性能に優れていますが、木ではないので加工が簡単ではありません。

 大工ではなく専門の職人の手で施工されるものです。

 トップライト周りの繊細な部分も、LSGで下地をしているのがみてとれます。

 1階の大会議室も随分形になってきました。

 2階の会長室は床下地を施工中。

 トップライトは転落の危険がないように養生中でした。

 「虫歯の鳥などいないのでは」というコンセプトから展開していたったのが、正面の庇です。

 「くちばし」と呼んでいますが、この繊細な部分を鉄骨で構成するのは、なかなかに難しい仕事です。

 最上部のくちばしをどう納めるか、検討している図。

 その直下にあるサッシが、丁度搬入されてきました。

 できる限り外壁と一体化させるため、最後の最後まで検討して貰った部分です。

 建物にとっての顔は、できる限り美しいものにしたいのです。

 バラ科とあったアーモンドの花は、桜に良く似ています。

 冬をやりすごし、今まさに咲き誇る瞬間です。

 日本における近代建築の祖、建築家・前川國男は弟子にこう言ったそうです。

 「自然は美しいね。なぜだと思う。自らに責任を持っているからだよ」

 またこうも言いました。

 「人間は、はかない存在である。頼れる確固たる存在が必要だ。それに建築は応える必要がある」

 建築で一番大切なものは永遠性だと言ったのです。

 この歯科医師会館も、私より長く存在してくれるはずです。永く咲きほこる建築であって欲しいと思うのです。

文責:守谷 昌紀

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