「Epic Games Japan New Office」-6-残工事

 工事としては、ほぼ終わっていましたが、製作期間のかかる電気錠のみ残っていました。

 丁度横浜へ来る予定があったので、立ち会ってきました。

 ちょっと気難しそうな職人さんが、色々と設定をしてくれました。

 「これじゃあ、いけねーよ」みたいな言葉遣いが、職人かたぎをより強く感じます。

 カードキーで出入り出来るようになり、工事は全て完了。

 船便で取り寄せている、イス2脚が来週届くと完成形です。

 来週は、東京ゲームショーがあり、Epic Games Japan は大変忙しい時期です。

 webサイトの新着記事に「iPhone, iPad, iPod touch用にアンリアル・エンジン3をリリース」とありますが、実物を見せてくれました。

 長らくゲームをしていませんが、架空の都市の中をさまよっている気分です。
 
 3D画像を作成するソフトがアンリアル・エンジンですが、アメリカではスタジアムの設計時などにも使われるそうです。

 この席からはどんな景色が見えるかなど、プレゼンに使われるのです。

 戻ってこちらは現実の話。

 どこでも打合せが出来るよう、壁は白いガラスの壁になっています。前面ホワイトボードのイメージ。

 先週本国から出張があったそうで、山手線の絵が。

 横には何故か「OKONOMIYAKI」の文字も。 

 ミーティングルームのイスも全て揃っていました。

 思っていた順番に、並べなおしました。

 早く撮影に来たいのですが、来月初めくらいでしょうか。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-4-イタウバ

 基礎の配筋検査、コンクリートの受入検査と進み、現在は木材のチェックに進んでいます。

 初めて会った時、まず話題に出てきたのが「ローコスト」でした。誰もお金の事が一番気になります。

 直訳すれば「低予算」ですが、真意はこうだと考えます。決まった予算の中で、あきらめずにベストをつくす……ちょっと意訳しすぎでしょうか。

 ローコストを目指すと言ってもる理由がなければ金額は抑えられません。手法は色々ありますが、今回取り上げるのは「自分で出来ることは自分でする」です。

 ご主人は、公園やアスレチックの遊具を作ったり、メンテナンスする会社で働きます。経営者一家なのです。

 普段から堅木を扱っていることから、当初よりファサードにあるルーバーは自身で施工することになっていたのです。イタウバと言う木で正面が覆われます。

 誰でも出来る事ではありませんが、大小を問わなければ、可能性は無限にあります。

 イペ、イタウバ等の堅木は、雨などに対する耐性がとても強い木です。

 それでも日にさらされると、変色してきます。

 灰色っぽくというか、白っぽくというか、色が抜けて変色して行くのです。これを「白ける」と言います。

 クライアントは、塗装はせず、白けた木の色で成立させたいと言ったのです。

 この話は、いたく感じ入りました。塗装で美しく見せるのでなく、自然の変化にあわせて行く。

 素晴らしいコンセプトです。

 変化しないことが良しとされる、現在の建築材料を使い、美しい建物にするのは簡単では……いえいえ、何とか成立させてみせます。

 事務所の前に置いて、変化を見ています。

 日光、紫外線の力は凄いものがあります。

 左から、室内に置くイタウバ、3ヶ月屋外に置いたイタウバ、1年3ヶ月屋外に置いたイペ、です。

 プロジェクト名をつける時「白けても白けない家」を真剣に考えました。

 ゴロが悪いので辞めたのですが、この計画をよく表していると思います。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-3-基礎配筋、受入検査

 9月に入りましたが、残暑は続きます。

 昨日、今日と2日続けての現場検査でした。

 まずは審査機関による、基礎配筋の中間検査です。

 今回は木造3階建なので、「建築基準法」「住宅かし保険」ともに検査があります。

 保険会社に報告する為、検査員は写真を撮ります。合格証を貰いました。


 そして本日はコンクリートの受入検査です。

 スランプ、空気量は規定値内で合格。

 塩分量と強度試験については、後日結果が出ます。 

 ミキサー車が着く前に、打設高さが分かるよう、鉄筋に印を付けました。

 バイブレーターを使って、この高さまで生コンを流していきます。

 夏季につき、スラブ打設後は養生しました。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-18-カルテのIN、OUT

 先週金曜日に続いて、火曜日も打ち合わせの為現場へ。

 工期も残すところ1ヵ月になりました。

 金曜日に、そろそろ秋の気配が……と書いたのですが、8月の最終日も暑い一日になりました。

 左官職人が、サッシと木材の間にモルタルを詰めています。

 トロ詰めと言いますが、これは木造用サッシにはない作業です。

 大開口を実現するために、鉄骨造用のサッシを使っている部分があるのです。

 トコロテンを押し出すような器具で、モルタルを注入して行きます。

 待合の正面は、ガラスを待つのみとなりました。

 診察室と受付の間には小さな窓があります。

 「伊東内科クリニック」は電子カルテの予定ですが、それでもA4大のペーパーのやり取りもあるそうです。

 小さな窓の中央に仕切り板を入れ、INとOUTで使い分ければ、という発想です。

 こつこつとディティールを積み上げて行きます。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-17-診察室には

 お盆を過ぎてはや2週間。

 高校野球が終われば、夏はあっと言う間。国語の先生が言っていた言葉を思い出します。

 空も濃紺からスカイブルーへ変わったような。

 待合室も下地の大半が出来上がりました。

 曲面壁の前に待合ソファーが来るのです。

 昼からはクライアントと、造り付け家具の打合せ。メインは診察机です。

 ここまで、ケーススタディーを繰り返してきました。

 最終形が見えてきたので、実寸でベニヤを切ってもらったのです。

 早速、診察を再現です。これはクライアントに座って貰う他ありません。

 普段は、全く感じないのですが、患者さん(役の工務店の若手)の手を持つ感じが、完全にお医者さんのものでした。

 力が入り過ぎず、緩すぎず。無駄な力感が無いのです。

 当然なのでしょうが、流石だなと感じました。

 診察室では、血圧を測ったり、問診したり、パソコンを打ったりと、行動は複雑です。

 それらに最適で、しかも患者さんと良い距離感を保てる形状を探ってきました。

 中央の出っ張りを更に95mm引っ込めることにしました。

 納得できるところまで、徹底的にいきます。

 その後は、床材や待合ソファーの相談です。

 色、素材にも勿論こだわっています。

 無難でなく、とんがりすぎず、このクリニックのコンセプトを表現できる、素材と色の組み合わせを探ります。

 全てを満足する、一本のラインがどこかにあるはずです。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-8-建方検査

朝から審査機関による、建方検査が行われました。

建築基準法の検査は2階の床までですが、住宅かし保険では3階の床までチェックします。

審査機関の担当者、現場監督と継手や溶接箇所、デッキの確認をしました。

柱や梁のサイズ等は、部材リストに明記している寸法でチェックをします。

建方検査は追加書類の提出を済ませ、合格しました。

3階には、先日の上棟式の御幣が。

手前の開口部は、各部屋と繋がる光庭。

1階まで光を通します。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-7-上棟式とお酒

8月10日は大安。上棟式を迎えました。

上棟式には様々な形式があります。

今回はクライアントに御幣へ記名して貰いました。

その間、奥さんと「最近、ペンで書く機会って減りましたよね」などと四方山話を。

ご主人は本当に達筆で、正直驚きました。

私の字は、事務所内でも「読めない!」と言われるくらいで、ちょっと反省したのです。

鉄工所の専務が、3階へ御幣を上げてくれます。

こんな時、現場の人は勇ましく見えるのです。

四隅にお酒をまいて頂き、最後に乾杯。

無事、式典を終えたのです。

私たちに、お土産まで頂きました。

その中に、日本酒の小瓶が。以下はクライアントからのメールです。

一つだけおまけの話で、本日のお酒のことです。

福井の「梵(ぼん)」というブランドのお酒なのですが、天皇御用達とかJALのファーストクラスとか、松井やイチローが節目の記念の時に飲んだとか、その類のエピソードがいくつ もあるくらい高級な酒を造っている蔵元のお酒です。

今回ここのお酒を選んだ理由は

①この位の小瓶になると、あまりいいお酒が入っていないので困るのですが、お勧めできるものである(大前提)→よく冷やして飲んでください

②知り合いの佐野屋酒店さんで取り扱いしている。

③そして何よりも重要なのが名前でした

佐野さんのコメントを借りると

『梵(ぼん:BORN)とはサンスクリット語で「けがれなき清浄」「真理をつく」と訳される言葉で、もう1つの読み方のBORNでは「誕生」「創造」を意味します。』とのこと。
新しい家ができるのはぴったりかなと思っただけです。

よく冷やして頂きました。果実のような香りで飲みやすく、後味もしっかり。大変美味しかったです。

こちらのご主人は、仕込みの時期、2月頃になると、日本酒の酒蔵を訪ねて回ります。そのくらい、日本酒にこだわりを持っているのです。

コンセプトは1回目に書いたのですが、その前から有ったキーワードは「パリのアパルトマンと酒部屋のある家」でした。

「Shabby House」には酒部屋があるのです。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Epic Games Japan New Office」-5-クライアントから

 8月9日の竣工検査を終え、大阪の事務所に戻ったのが夕方の5時半。

 一日出ていたので、月曜日中の仕事をコツコツ進めていました。大方目処がついたので、今日は終わりにしようかと、最後にメールを見ると、クライアントからメールが。

 大変嬉しく、写真の雰囲気がとても良かったので、ここにUPします。クライアントも快く了承してくれました。





守谷さま、

 いつもお世話になっております。エピック・ゲームズ・ジャパンの河崎です。

 本日もまたご足労いただきましてありがとうございました。

 おかげさまをもちまして、とても素敵なオフィスが完成しました。

 これもひとえに守谷さんと日祥工業の皆様のお力添えによるものです。

 心より感謝するとともに、皆さんとお仕事できたことを幸運且つ誇りに思います。
ありがとうございました。

 これからぼちぼち取引先の方も訪れるようになりますので、感想が聞けたらまたお知らせするように致します。

 午後になって下田が到着したのですが、ミーティングルームからエントランスにかけての多重ガラス面で構成される光線の具合にいたく感心しておりました。
守谷さんが帰られた後に、一気に家具が届きまして、ずいぶん雰囲気が出てきました。

 取り急ぎ、本社への報告用にまとめた写真集をお送りします。(とはいってもiPhoneで撮影しているので、大したことないですが)

 明日からゴミ箱やマルチタップ、プリンタ等、生活必需品類を揃えていく予定でおります。

 落ち着いて仕事できる環境が出来上がるのが楽しみです。

 厳しい予算、厳しいスケジュールの中で、本当によい仕事をしていただき、ありがとうございました。

 アトリエmさんにお願いして本当によかったと思っております。

 また撮影等でお目にかかれる日を楽しみにしております。打ち上げも近々に、是非。

 では、今後ともよろしくお願いいたします。

 河崎

 建築は竣工時が完成ではありませんが、好きな仕事をし、感謝の言葉まで貰えると、仕事人冥利につきます。

 利休と同じく、一期一会の精神で、悔いの無い仕事をしたいと思うのです。 
 
文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Epic Games Japan New Office」-4-竣工検査

 今回が3回目の現場訪問。

 最終回であり、竣工検査であり、New Office オープンの日でもあります。

 マイクロソフトからも、2つのゲーム部門から、花が届いていました。

 私がいる間にも、続々と祝いの花が。

 クライアントによると「ゲーム業界はこういうのは結構派手なんです」と。

 これは「Epic Games」のゲームソフトのキャラクターグッズ。

 確かに、建築の世界とは違う部分がありそうです。

 今回は家具のプロデュースもありました。

 海外からの船便もあり、全てが揃うのは9月の初旬。

 現時点では、受付とバーカウンターのチェアーが届いていました。

 前回現場にあった、エントランスのアートワーク。

 大阪に戻ってから、電話がありました。

 「バカヤローって、笑って言って下さい!あれ、左右に反転してつくちゃったんです」と、施工会社社長から。

 直に作り直して、何とか今日に間に合ったのです。

 現場では本当にいろんな事が起こります。

 横浜を後にしたのはお昼過ぎ。

 新大阪につくと、夏休みの家族連でごった返していました。

 全ての家具が揃った時、活気のあるOfficeになると思います。

 他の用件で横浜に行くのが9月の初め。また見に行ってきます。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-16-野江

 お盆前では、クライアントと最終の打合せ。

 現場までは地下鉄で行きますが、野江という街は本当に便利なところです。

 梅田から地下鉄で9分、京橋から京阪で4分。

 車でも梅田から10分程でしょうか。

 最寄駅の野江内代からは歩いて2、3分。

 そんなこともあり、今回はオープンハウスならぬ、オープンクリニックを開催しようと考えています。

 開院してからは、なかなか無い機会なので、近くの方は是非遊びに来て下さい。

 詳細はまたお知らせします。

 歩道に置かれた、鉢植えのヒマワリ。

 疲れ果てたものもあり。

 元気なものもあり。

 この花、どうしても人の姿を連想してしまうのです。 

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

1996年、25歳の時に生まれ育った大阪に設計事務所を設立しました。関西を中心に、東京、長野まで、注文住宅、クリニック、別荘、店舗、オフィス、保育園と、直接依頼頂いたクライアントにおよそ100件の作品を持たせて貰いました。 形態も新築、リノベーション、コンバージョンと様々で、 物づくりの現場より面白い所を私は知りません。ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。