「池を望む家」-10-位置決め 2

 クライアントには2週続けて、現場にお越し頂きました。

 前回、時間が足りなかった、タオル掛けなどの位置を確認して貰います。

 タオル掛けの位置は以外に難しいのです。

 タオルを2つ折りにするとおよそ45cm。その性格上、洗面カウンターと干渉する場合が多くあります。
 
 ご夫妻の身長差も加味して、今回は135cmを基準高さに設定しました。

 これは内部の手摺の取り付け下地。

 ガラスの手摺が付く場所ですが、隠れてしまうところで支持するので、ここが大事です。

 同じく階段も、美しく仕上げようと思えば、見えない部分が重要です。

 支える部材をササラと言いますが、一手間掛けるとそのモノ自体が美しくもあります。

 隠れる部分でも、人が目にした時、美しいと感じることは大事です。

 人の目は本能的に、安全、機能的など見分けると思うからです。

 池の対岸は紅葉していました。

 この眺めが、この土地にクライアントを導いたのです。

文責:守谷 昌紀

「池を望む家」-9-位置決め

 今日はクライアントに、現場でスイッチ、コンセント等の位置を確認して貰いました。

 まだ壁も仕上がっていないところで、完成した姿を想像するのは、仕事にしている人間でも大変です。

 今までも色々やってきましたが、結局、脚立、テープ、チョーク等、あるものを使って、何とかその大きさを再現するのが一番と考えるようになりました。

 実際には、早い段階で仕込んでおきたい物もあります。

 十分わかっていますが、この過程を踏んでからが最終決定で、その前に施工する場合は変更の可能性がある事を了承してもらいます。

 フロアーコンセントも少し変更が出ました。しかし、床、壁、天井が仕上がってからよりはずっと対応しやすいのです。

 現場にある木材などを積んで、カウンターの高さを決定し、付近のコンセント位置を決めました。

 コンセント、スイッチなどは型紙を現場に貼りつけて、使い勝手を見て貰います。

 朝10時から始めて、昼の1時半まで続けましたが、来週に持ち越したものも出ました。

 クライアントには多くの時間を割いて頂きますが、「現場に来るのが楽しみ」と聞くと創り手としては嬉しい限りです。

 大きな意味で、すでに建築としての概容は決まっていると言えます。しかし、家としての機能は、この辺りからの細かな打合せが大きく影響するのです。

 現場は細かくて大変だと思いますが、ついて来て貰うよりほか無いのです。

 文責:守谷 昌紀

「池を望む家」-8-天井下地

 快晴の秋空。現場に行って来ました。

 JRの最寄り駅からバスで15分弱。前が池なので、バス道からも良く見えます。

 内部は丁度、天井の下地工事中でした。

 バルコニーは広めに確保して、池側に張り出しています。その奥には、主寝室とリビング。

 今はガラスが無く風が心地良いですが、その有り難みを感じるまでもうじきでしょうか。

 反対の正面側も大分感じが出てきました。

文責:守谷 昌紀

「池を望む家」-7-外壁下地

 鉄骨の骨組みが完成したら、次は外壁工事です。

 壁内結露を防止する為に、外壁内に通気層を取るのベストです。

 防水を担う透湿防水シートの上に縦桟を打ち付け、その上に仕上材を張るのです。

 現在の住宅には、電気、電話、インターホン、LANケーブル等、壁内、天井裏には多くの配線が走ります。

 それらの工事は当然ながら、外、内とも壁が出来る前に済ませます。

 無いものをイメージしながら創って行く事は、簡単ではありませんが、そこがモノ創りの醍醐味かもしれません。

 床には、壁の中心線、通り芯を墨出しします。

 日本では、いまだに「墨壷」や「墨汁」を使いますが、外国ではどうしているんでしょうか。

 外壁の下地にあたる、間柱が303mmピッチで入いると、今度はサッシの取り付けです。

 この辺りまで来ると、クライアントも随分イメージし易くなると言います。

 竣工予定日は12月中旬。残すところ1ヶ月半です。

 遅れ気味なのがちょっと心配ですが。

文責:守谷 昌紀

「池を望む家」-6-スラブ打設

 1階、2階、屋上のスラブ(構造体としての床)が打ちあがりました。

 

 スラブが無い部分は、階段か吹抜です。
 今回は2階床に階段以外にも床の無い部分が有ります。

 どうなるかは完成後にまた。

 これからスラブ上に仕上げとしての床面を構成して行きますが、仕上げ面から1000mm上にマークが付いています。

 壁の中央を走る通り芯も、非常に重要ですが工事になると隠れてしまいます。

 その際も同じ考え方で、例えば1m離れたところに「逃げ墨」という線を記しておくのです。

 1階床の下は空気が行き来できるよう、基礎パッキンという部材を置き、土台を20mmほど浮かします。

 以前は、換気を取る為基礎を切り欠きましたが、今はこちらが主流です。

 建築物は基礎の強度に大きく影響を受けます。この工法なら、強度を失わずに通風が取れるのです。

 そろそろ木工事が始まります。

 構造体は鉄骨ですが、大工工事が建築の良し悪しに大きく影響するのは今も昔も同じ。

 大学生の頃、家業のガラス屋として現場に入っていました。

 2人で大きなガラスを抱えていた時のこと。

 邪魔になった道具箱が有ったので、足で脇に寄せました。すると「コラッ!何するんじゃっ!!」と怒声が。

 棟梁(大工の親方)の道具箱だったのです。

 もうそんな事はしませんが、カンナを見ると今でも良く思い出すのです。

文責:守谷 昌紀

「切妻と中庭の家」-16-引渡し

 前日は竣工写真の撮影でした。

 今日は引渡し。この日をもって、現場はクライラントの家へと変わります。

 工務店から色々な説明があります。

 こんな時、今まで自分の家のように出入りしていたので、一抹の寂しさも沸いてくるのです。

 自分の家ではありませんが、このお風呂に入ってみたいと思います。

 楽しい家になったののか、元気に暮らせるような空間になったのか。

 今から仕事の総括に入りますが、何を置いても、後は長らく愛される事を祈るだけです。

文責:守谷 昌紀

「切妻と中庭の家」-15-写真撮影

 今日は、朝から竣工写真の撮影です。

 ようやくここまで来ました。いつも同じ話になりますが、一つの建築が出来上がる過程で、この日が一番気をもむのです。

 理由は、自分がどれだけ望んでも頑張ってもどうにもならない天気に大きく左右されるから。ごく当たり前の話です。

 加えて、写真家のスケジュール。現場の完成後でクライアントの引越し前でないとなりません。

 今回も2日しかない中で、何とか快晴になってくれました。

 2階の中庭に差し込む光が重要です。創り手としては、何とかその空間を伝えたいと望むのです。

 デジタル全盛の世の中ですが、私はこのブローニという大きなフィルムを入れるカメラで撮ってもらうのが好きです。

 写真家がフィルムを辞めたと言われればそれまでですが、出来る限りはこちらでお願いしたいのです。

 質や奥行き間などが違うと言っていますが、実は後で修正の効かない一発勝負が好きなだけかもしれません。

 その覚悟は、なんかしら写真の仕上がりにも影響してくると思うのです。

文責:守谷 昌紀

「切妻と中庭の家」-14-最終検査

 今日はクライアントと一緒に最終の検査に回ります。仕事が終わってから、現場に来て貰うので開始は7:00pmの予定。

 私は一足早く5:00pmに到着。再度、全て検査に回ります。

 植栽が入ると随分感じが変わります。お風呂からの眺めはOK。


 全ての検査が終わったのは9:30pm頃。

 3つほど工事が残ってしまったのは、一週間後の引渡し時にチェックする事になりました。

 計画が始まって1年9ヶ月。完成の時を迎えつつあります。

 私たちは仕事ですが、クライアントは当然別に仕事を持っています。家を建てるというのは、なかなかに体力の要る事なのです。

 大きな夢がなければ、中々現実になりません。私たちはその夢を実現する大きな責任があるのです。

文責:守谷 昌紀

「切妻と中庭の家」-13-検査

 今日は、私たち設計と施工会社の検査です。全業種の責任者が、一緒にチェックして回ります。
 

 ハイサイドから、青空を望む子供部屋。

 上部から光の落ちる玄関も、十分な明るさです。
 
 前回以降、一ヶ所外壁に関わる部分でどうしても改善して貰いたい所が有ります。

 今日も現場と意見が対立しました。話し合った上で、必ず改善したいと考えています。

 「小さい部分に見えるが、ここがこうなのと、ここがああでは、全く違う次元になるんです」と、伝え続けています。

 さてどうなるか。

文責:守谷 昌紀

「池を望む家」-5-上棟式

 2008/9/11より、現場日記を始める事にしました。

 建築が創り上げられて行く過程をお届けしたいと思います。池を望む家の上棟式からスタートするので、ここまでの過程も過去の記事としてUPします。  

 先週末、上棟式がありました。

 式の場合でもと、準備をしていましたが、クライアントの希望で「めったに会う機会のない、現場の人達とゆっくり食事を」ということになりました。

 ご馳走を用意して頂き、食事会が始まりました。

 建築には20種前後の職種が必要です。今回は、大工、鉄骨、電気、水道、左官そして工務店と私達が出席させて頂きました。

 どんな方がクライアントで、どんな家族が暮らすのか。現場の方が、実際に会うのはとても良い事です。

 ようやく暑さも一段落し、建ち上がったばかりの家には爽快な風が吹き抜けます。

 大阪府の南部には、灌漑用のため池が多くあります。この敷地はそのほとりの高台にあるのです。

 屋根の上に上がってみました。ちょっと危険ですが眺めは抜群です。

文責:守谷 昌紀

現場の様子をお届けします。