ゴールデンウィークの「元」中日。
北摂の現場へ向かいます。
大阪市内は殆ど渋滞なしでした。
現場近くにある田んぼの畝にも野花が咲いています。
ゴールデンウィークと言うくらいですから、本当に気持ちの良い季節になりました。
現場は既存瓦の撤去が終わり、大屋根のルーフィング(防水紙)が貼り終わりました。
瓦屋根の撤去工事が、なかなかに難航していると聞いていました。
まさに下屋はその最中で、職人がヘラで瓦を固定していた土をそぎ落としています。
下地は木材を薄くそいだもので、「トントン」というそう。
檜皮の簡易版といったところでしょうか。初めて実物を見ました。
この建物は築30年。私がこの世界に入ってから25年なので、わずかにタイムラグがあります。
リノベーションとは真に生きた教材なのです。
土をそぐ作業が終わると、垂木を通し、その間に断熱材を入れていきます。
断熱材より僅かに垂木のほうが厚く、その隙間が通気層になります。
夏は暑い空気を上に排出、冬は冷たい空気を下に流すことで、より断熱効果を高めるのです。
2階には、その断熱材がすでに準備されていました。
打合せの日は少し早めに現場へ行きます。
打合せ時に使うサンプル、図面などを用意するのですが、何事も準備が全てです。
公共工事等では、現場事務所が設置されますが、住宅ではない事が殆ど。
よって、現場の一角を借りて、即席現場事務所とするのです。
この日も、現場が用意してくれたベニアの机と、断熱材のソファで5時間程打合せをしました。
クライアントは名古屋在住で、ゴールデンウィーク対策に車ではなく新幹線で来阪してくれました。
時間もお金も掛けて足を運んで貰うことになります。
よって、その時間の価値を最大にする努力をしなければなりません。
しかし、資料に間違いがあったり、抜けがあったりで……
全て私の責任ですが、あまりも頭に来てしまい、打合せ中に若いスタッフを叱ってしまいました。
クライアントには不愉快な思いをさせてしまったのですが、鉄は熱いうちに打てと言います。
間違いたてでなければ打ったとしても、意味がないとも思っているのです。
現場を舞台とするなら、打合せは旅芸人の公演のようなものです。
何とか楽しんで貰えるよう、旅の一座は腕を磨かなければなりません。
本番の舞台でなければ身に付かないところも、旅芸人そっくりだと思っているのです。
文責:守谷 昌紀
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