「Shabby House」-28-撮影とハイボール

 今週の月曜日、「Shabby House」の写真撮影に行ってきました。

 前日の昼からかなり降って来ましたが、何とか晴れ。

 今回は、写真家に撮って貰うので、そのサポートが主な仕事です。

 ここにUPするのは合間に撮ったディティール写真ですが、外観がないと何か様にならないので載せてみます。

 玄関脇にはベンチが増えていましたた。

 100年以上は経っている玄関ドアと濃淡で映えています。

 このあたりのこだわりは、生半可なものではありません。

 酒部屋の撮影は、夜になりました。

 外光が入ってこないほうが良いとの判断からです。

 この選択肢は私には全くないもの。出来上がりが楽しみです。

 1階は主に来客用の部屋。

 建具を引き出せば、間仕切れるようになっています。

 一年で、最も日の長い時期です。

 全ての撮影が終わったのは8時過ぎでした。

 そのあと、夕食に誘って貰いました。

 オーブンで焼かれるミートパイ。

 さっきまで火に掛かっていたパエリア。

 もう見ての通り。ビールまで頂き、幸せな時間でした。

 ご主人の希望は、ほぼ酒部屋だけ。勿論お酒が大好きです。

 この日は、角ビンでハイボールを作ってくれました。

 「黄金比があるんですよ」の言葉通り、とても飲みやすく、最高に美味しかったのです。

 正直に言って、ウィスキーを心から美味しいと思ったのは、初めてでした。

 「ここは人をもてなすあばら家です」とはご主人の弁。

 来客が増え、娘さんが初対面の人と打ち解けるのが早くなったと、教えてくれました。

 今ここにある、普通の幸せ。

 そんな言葉に、偽りのない仕事をしたいと思うのです。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-20-取材

 『SUMAInoSEKKEI』の取材が、日曜日の10:30amからありました。

 編集長、ライター、写真家と近くの駅で待ち合わせ、すぐに現地へ。

 昼すぎから雨の予報だったので、挨拶もそこそこに撮影が始まります。

 まずは外観と家族写真。

 カメラマンは結構若く気さくな人でした。

 今まで会った写真家は、どちらかと言うと職人肌の人が多かったでしょうか。

 「ご主人!もっとくつろいで下さ~い」みたいなリクエストもあったりして、緩やかな感じで撮影は進みます。

 一番のお兄ちゃんは、ルーバーを登ってくれたそうで「とてもいい絵になった」と聞いたのです。

 私は編集長と話をしており見れなかったのですが、おそらく採用のされるでしょう。

 ライターの方も、今回で3回目。取材は私へもあります。

 撮影の邪魔にならないよう、ライター、編集長と階段で話します。 

 初めて竣工写真を撮って貰った時、ベテラン写真家に「コンセプトが一番大事」と言われました。

 その時は「建築の出来上がりが一番大切だろう」と思っていました。

 取材されて分かります。「何故こうなったのか」「どんな工夫をしたのか」などの質問に、スッと答えられないようではプロ失格です。

 仕事に大切なのは永続性。環境や偶然に頼っているのでは、確実性がでません。

 その際、通常行うコストダウンの進め方に、2人とも驚いていました。

 これは紆余曲折を経て現在の形に至ったものです。魔法のような方法ではありませんが、クライアントが納得出来る唯一の方法とも思っています。

 今回はこの家が誕生するストーリーに注目した記事になりそうです。これらの方法も含めて、全金額が公開された記事になります。

 掲載は9月21日発売号です。またお知らせします。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-9-私が現場で見るところ

 梅雨にしては、雨の日は少なめ。

 しかし降る時はまとまって、というのが近年の傾向と言えます。現場は若干の遅れが出ていますが、先週配筋検査が終わりました。

 6月4日(土)に捨てコンの打設が終了。

 捨コンとは基礎のコンクリートの下に打つコンクリート。

 現場には行けていないのですが、写真を見ると人力による打設です。

 コンクリートを撹拌しながら運ぶミキサー車と、それを打設するポンプ車が必要ですが、道が狭いので人力になったようです。

 昔はこの一輪車(ねこ車)をあちこで見たものです。

 捨コンが固まれば、その上に基礎の鉄筋を組んで行きます。

 設計図書に記載されている直径の鉄筋が、既定の本数入っているかなどをチェックするのが配筋検査です。

 一昨年の秋、全ての新築住宅に住宅瑕疵保険への加入が義務付けられました。

 主に構造体の安全と、雨漏りに対して10年間の保証を義務付けたものですが、6月10日(金)はその中間検査でした。

 もちろん問題なく合格。

 鉄筋は細い針金で緊結します。それらが下に落ちていたり、ゴミが落ちていたりするのは駄目な現場です。

 仕事にとって大切なことは沢山ありますが、もし1つ上げるなら「整理整頓」でしょうか。言葉は定義が大切です。

 【整理】⇒ 要不要を区分けし、不要なものを処分すること。
 
 【整頓】⇒ 理にかなった配置にすること。

 子供の頃から言われて続けたことですが、建築現場に置いても全く同じです。必要なものだけが機能的に配置されている現場なら、ミスが起こる確率は最小値まで下がるはずです。

 私が現場監理に行った時、注意するのはもう一点。「最も面倒な箇所に十分注意が行き届いているか」です。

 専門の知識がなくても、大概のことはこれで分かると思っています。難しい事は出来るが、簡単なことはしない事など、あり得ないのです。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-8-根切と根切り

 先月末から、掘方が始まりました。

 今年の梅雨入りは特別早く、やや気にはなります。

 現場では根切が始まりました。

 この写真はクライアンより。携帯で送ってくれたのです。

 距離が離れているので、写真を見ると安心できます。

 監督にも催促しようと思っていると、届きました。まさに以心伝心。

 根切が終わり、砕石を敷いているところ。

 「根切り」でなく「根切」。

 建築用語は、送り仮名を出来るだけ省く風習があります。

 読み違いなどを無くす、知恵だったと思いまが、他にも色々な専門用語があります。

 これが代用のきかない言葉なら当たり前なのですが、そうでもないのです。

 また敷地が「バチッている」といえば『直角がでていない』ことを指します。漢字の八から来ているのです。

 また「矩手(かねて)」もしくは「矩の手(かねのて)」という言葉も良く使います。直角を意味し「矩が出ていない」というと『直角が出ていない』を意味します。

 25歳で独立した私は、現場経験が少なかったこともあり、何故「直角と言わないんだろう」とか「斜めになっているでいいんじゃないか」とか思っていました。

 しかし、今その意味が分かる気がします。

 世間では「直角」という言葉に変わって行っても、建築現場でそれが変わらなかった。それだけ重要だったからだと思います。

 直角が出ていない根切など、何の意味も持ちません。目指していなければ別ですが。  

 瞬くまに15年が過ぎました。若者に「みつけ」と言うのは……などと教えているのです。
 
文責:守谷 昌紀

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