一級建築士事務所アトリエm 守谷 昌紀 のすべての投稿

大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

「頑張れる家(イタウバハウス)」-8-建方検査

 昼一番、建方検査前のチェックに行って来ました。

 2日後の検査に向けて、黙々と作業中です。

 金物の種類、数、位置の確認をしました。

 土台や梁と柱を緊結するホールダウン金物には、緑、赤、青、オレンジの色が付いています。

 柱頭部は高い位置にあり、型番が読めないので色で見分けます。

 合板に使用する釘も色付き。打ち込んでも長さが分かります。

 事務所内でも、プロジェクトごとにイメージカラーを。「頑張れる家」のカラーは水色です。

 当日の朝に修正箇所を最終チェック。合板も、筋交もOKです。

 審査機関による検査も終了し、当日合格証を頂きました。

 残すは完了検査のみです。

文責:田辺 幸香

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-23-光庭のルーバー

 昨日、角度の調整に手間取っていると聞いていたので、朝一番で現場へ寄ってきました。

 アルミ製のルーバーを75本取り付けるのですが、全て手仕事。全ての産業で機械化が進む中、建築現場は職人の手仕事がものを言います。

 時代と逆行しているようですが、人手が多く加わるほうが建築は熱を持つと思っています。

 この金物は、5度刻みで角度が設定できるのです。目的を達するよう、緩やかに変化させました。

 図面通りになっていない箇所が少しあったので、角度の修正をお願いしました。

 近隣と待合にいる患者さんが、互いに気を遣わずともよい、光庭にするのが目的です。

 何本か、ルーバーは残っていましたが、外観はほぼ完成です。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-7-クライアントより

 一昨日、上棟式を終えた日の夜。クライアントから、メールが届きました。

 大変嬉しいものでしたが、加えて、家創りの苦労や楽しみが、率直に語られているものでした。クライアントの了承を得て、原文のままここに掲載します。

 初めての来所から3年。ご夫妻は共に下戸(お酒があまり飲めない)なのです。

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 守谷様へ

 お世話になります。本日はありがとうございました。

 無事に上棟式を終えることができ大変喜んでいます。やっと今子供も寝たので、妻と二人で乾杯といきたいところですが・・・。
こういう時はお酒が飲めたらと思います。

 家(土地)を探し始めたころ、建売はいややなあ、建築条件付の土地も嫌やなあ、一生住む家やし、4000万もかけるんやったら自分たちの好きなように
そしてオシャレな家が建てれたらいいなあと漠然と思い、色々と雑誌を買い見ればみるほど自分たちで建てたいと思うと同時に予算的にはやっぱり無理やなあと思う日々でした。
そんな時にアトリエmのホームページと出会いました。

 守谷さんが『設計事務所に来る方には自分で建てることをあきらめる為に来る方もおられます』とおっしゃってましたが、まさに私も半分ぐらいはそうだったのかもしれませんでした。

 ですが、守谷さんに初めてお会いさせていただいた時に、こちらのなんとかなるんですかね?という問いに『建築は自由なのでなんとかなります。またなんとかするのが私たちの仕事ですから』とおっしゃいました。

 もちろんその言葉だけではないのですが、そう言って頂いたことが、なんとかなんねんやったら、あきらめずに土地を探そう、そして守谷さんになんとしても設計してもらおうと決心したことを、今日の上棟式が終わった後、守谷さん、妻、母の4人で話している時に守谷さんが初めて会った時のことを話されている時に思い出しました。

 この上棟式を迎えられたのは守谷さんにお会いできたからだと思います。本当にありがとうございます。そして竣工まであともう少しですがどうぞよろしくお願い致します。

 現場日記、拝見させいただきました。毎回楽しみに拝見させていただいてますのでどんどんUPしていってください。

 長くなりましたが、田辺さんにもよろしくお伝えください。

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文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-6-上棟式

昨日に続いて、今日も気持ちの良い天気になりました。


昨日の夕方より、建物の輪郭がはっきりと分かります。

さあいよいよ、と言う気持ちになります。


クライアントには御幣に、名前を書いて頂きました。


それを3階の柱に取り付けます。前にお酒を供えて、参列者の皆で、二礼二拍一礼。


四隅の柱に、お酒を。最後にご主人に挨拶して頂き、私が乾杯の音頭をとりました。

式典は滞りなく終了しました。


ご両親も含め、参列者全員で記念撮影。

クライアントはご自身も工務店をされています。はじめは、お互いにやりにくい部分もあるかなと思っていたのですが、とても良い距離感でここまで来ました。

この先、クライアントの施工もあるのですが、全く心配していません。全体写真もクライアントの希望なのです。

上棟式のあと、事務所で打ち合わせをし、外壁の色を決定しました。

木製ルーバーが風雨にさらされ、変色した色との相性を尊重しました。その相性が発揮されるのは1年以上経ってから。

それでこそ、この家のコンセプトが貫かれると思うのです。


お土産に、赤飯を頂きました。本当に有難いことです。

当事務所のスタッフは、早速昼に頂いていました。すでに1/3は残っていません。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-5-建方

 月曜日が雨の予報で、建方の予定を一日ずらしました。

 そのかいあって昨日、今日は晴れ。

 昨日は3:00pm頃現場へ行くと、2階の柱を立てこんでいました。

 監督に今日は2階の梁まで予定と聞き、事務所に戻りました。この現場はとても近いので助かります。


 今日は、他の現場の完了検査があった為、現場に着いたのが6:00pm頃。

躯体は無事完成していました。前に張り出している部分にルーバーが付きます。


その部分を上から見下ろすと、手摺が無いだけにちょっと腰が引けます。

明日は上棟式。からっと晴れてくれそうです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-9-冒険1

建方検査から随分時間が空いてしまいました。

正面側の開口部がスチールサッシで、時間を掛けて検討していました。

空はすっかり秋の装い。

内部間仕切りも出来上がってきました。

間仕切り壁も木造でなく、軽量鉄骨下地です。

2階の奥にあるこの入り口。かなり小さいです。

3階の寝室からは光庭を通して、空が見えるのです。

繰り返し検討した、ファサードのプロポーション。

こげ茶のレンガに連続する白い窓。窓の部材も実際の寸法に合わせてあります。

スチールの白いサッシが冒険1です。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-22-グリーン

 クリニックのオープンも11月1日に決まり、現場はいよいよ最終段階に。


一ヶ所を残して、外観はほぼ全体が完成。

 イメージ通りのフォルムです。残す一ヶ所は、繊細に大胆に仕上げたい所です。

 光庭のタイルが貼り終りました。中央には木を植えます。

 待合のソファが搬入されてきました。メーカーの方も自ら陣頭指揮をとっていました。

 R形状なので、かなり精度が要求されます。

 僅かに合わない部分があり、1ピースだけ修正されることになりました。 それでも、イメージを決定付けるには十分なボリュームです。ぐっと引き締まりました。

 仕上げ、色、形状と、徹底的にこだわった座り心地の良いソファです。

 2軒隣に建つのが、グリーン調剤薬局。

 伊東内科クリニックの計画が決定してから、この地に建つことが決まりました。

 途中で追い抜かされ、1ヶ月先に完成したのです。

実は3日程前から私は風邪気味でした。薬局の方から、風邪薬を頂いたのです。本当に有難いことです。私が一番目のお客さんになれました。

 その名前の通り、徹底的にグリーンに統一されています。経営者の薬剤師さんに「なぜこの名前にしたのですか」と聞きました。

 すると、現場日記の第一回目に「コンセプトは、木の葉が揺れるクリニック」とあったからと言われたのです。

 背中がゾクッとする位の嬉しさと、身が引き締まる思いがしたのです。

 大変溌剌とした女性で、かつ人当たりが優しく、気持ちの良い方でした。

 内部を撮影しても良いですかと聞くと「どうぞ、どうぞ」と言って、そそくさと皆で奥に入られたのです。出来れば人物有りが希望だったのですが。

 光庭に植える木は、来週クライアントと買い付けに行ってきます。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-21-白、茶、灰、桃

 いよいよ工事は終盤です。曲面壁の塗装が終わっていました。

 金属よりは、木のほうが好き、しかしアップル製品が好きというクライアント。

 建築、家具、医院のマークの色や、素材選びにはしっかり時間をかけました。

 サンプルを貼っているのは前々回も書いた学生。鳥取の大学院生で、友人宅に住み込みながらオープンデスクに参加中です。

 先週で研修は終了したのですが、クライアントや現場監督に声を掛けて貰ったのが嬉しいかったようで「今月いっぱいまで延長したい」と申し出がありました。

 聞けば、始めの数日間は、兎に角辞めたかったそうです。3日目には、更に続けるかを問うので、彼も「頑張ります」と言っていたのですが、若者の心は複雑です。

 どんな仕事でも、いきなり遣り甲斐があれば良いのですが、そうはいきません。

 辛い、しんどいの先に何かがあるのですが、これを説明するのは難しい。面倒なので「常に面倒なほうを選択しなさい」と言います。

 そんな効率の悪い、という考えもありますが、事務所の基本方針は変わりません。聖書にも「狭き門を選べ」と書かれていると聞いたのです。  

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-20-外壁塗装

 大阪もすっかり涼しくなり、夜は寒いくらい。

 昨日、天気は生憎でしたが、やっと足場が外れました。

 初めて養生シートが取れた日。遠くから建物に近づいていく時の気分は、なんとも言えないものがあります。

 「やっと!」と「大丈夫?」という感情が交錯するのです。

 光庭のルーバーがまだですが、これが付くと外観のイメージはほぼ決定します。

 外壁はケイカル板で大きな壁面を構成し、塗装で仕上げます。

 下地処理がすべて終わると、曲面壁部分にも色をつけます。

 塗装仕上げは、その下地処理が最も大切なのです。

 照明器具も取り付けが始まりました。

 計算上の照度は出るのですが、壁の仕上げ、壁の形状、床の仕上げなど等の条件に大きく影響を受けます。

 点灯してみないとなんとも言えない所があります。

 待合室の雰囲気も、イメージ通りに仕上がりました。

 この曲面壁にそって、ソファが入ります。

 後は家具関係を残すのみです。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-19-サイン

 夕方は秋らしい雰囲気がやっと漂いだしました。

 外壁の曲面部分が形になってきました。

 この曲線が待合室まで続きます。

 現場は、家具などの詰めの段階に入っています。

 クライアントより「診察券などの事があるので、ロゴやマークの先に決められれば」という話しがありました。

 前回は全体の打合せを済ませたので、今回はマークのイメージを見て貰いました。

 元のイメージから、改善を加えて行きます。

 最後は実物大で、現場に貼り付けてチェック。

 デザインイメージは、患者さんの話しに耳を傾けるお医者さんです。

 最終形ではありませんが、とてもいい反応を貰いました。

 設計の途中で、ロゴなんかはどうすれば良いですかと質問があった時「気に入って貰えるかは別にして、まずは提案させて下さい」と言います。

 建築に係わるものは全てデザインしたいと思っています。

 勿論、餅屋は餅屋なので、グラフィックデザイナーを上回ることが出来るとは思っていません。

 しかし、全体を設計しているからこそ見える部分もあると思っています。

 出来る事は何でもやります。その言葉に、一切嘘はありません。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm