「阿倍野の長屋」‐2‐清き水の中で

 家を建てる動機はさまざまです。

 しかし、子供の成長に合わせて「思い切って建て替えようか」というケースが一番多いでしょうか。

01

 この計画も、上の男の子が小学校に上がるまでに、という目標がありました。

 ただ、竣工は5月末となり、お兄ちゃんには2ヶ月間、苦労を書けることになってしまいました。

 下の男の子も、何度も一緒に来所してくれました。夜の打合せが多く、お弁当持参の回もあったのです。

 このおにぎりを見るだけで、幸せな家庭が想像できるのです。

05

 現場は解体が終わりました。

 ここからは、大工の手による解体と、構造の付け替え工事へと進んで行きます。

07

 築44年と聞いていましたが、奥の壁を見ていると、もう少し古いのかもしれません。

09

 切妻屋根の場合、屋根裏はいつも宝の山。今回も当然狙って行きます。

03

 リノベーションは調査が全てです。計画の最中、何度も現地へ足を運びました。

 夫妻が不在の時は、ご主人のお母さんが応対してくれます。

 いつもお茶菓子が置かれていたのですが、これは若奥さんが準備してくれたもの。

 ある時は栗の和菓子でした。毎回、趣向が凝らされているのです。

 お菓子が無くても、勿論全力で取り組みます。しかし、人の心を動かすのは、やはり人の心です。

 栗の和菓子から「期待してます」、熱いほうじ茶のポットから「寒い中お疲れ様です」というメッセージを感じ、より意気に燃えるのです。

 駆け引きや、疑いのない、清き水の中で仕事をさせて貰っていること。それこそが、私達にとっての誇りなのです。

 ただ、それには結果を出すのが必須条件となります。

 今回も簡単ではない計画です。熟練大工の到着が待ち遠しいところ。

文責:守谷 昌紀

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