改修は既存部をどう活かし、やりかえる部分とどう関係づけるかが重要です。
序盤からずっと課題になっていたのが外壁。
既存建物は鉄骨4階建てで、外壁に一部タイルが使われています。
覆う、塗り替えなど様々な選択肢を検討していましたが、高圧洗浄して残すことに決定しました。
他の部分はその色あいに合せます。
建築材料がどんどん規格化され、選択肢が狭まる中「塗装」という工事は貴重です。その選択肢の巾が、群を抜いているからです。
同じく工事中盤まで持ち越していた玄関ドア。
これも錆び仕上げに決まり、監督がサンプルを持ってきてくれました。CDホルダーのようなケースに、1枚1枚納められています。
こういったものを見ると「この制作会社は良い仕事をしてくれるだろうな」と確信します。何事も一事が万事です。
硫酸等を塗布して錆びを進行させます。理論上、酸素に触れなければ錆が進行する事はありません。
頃合いを見て、ウレタン塗装で錆びごと密封してしまうのです。
サンプルこそ見て貰っていますが、全ては自然の産物。仕上がりが楽しみです。
文責:守谷 昌紀