関東も梅雨が明けて一週間。
監督からの写真が送られてきました。屋根の下地、野地板が貼られました。
前回、7月4日の打合せで、結構時間を使ったのが屋根の納まり。
屋根は雨を建物に入れないのが最大の役割ですが、他にも色々な要素を含んでいます。
屋根内の空気の流れは大変重要なところ。
片流れの場合、温かい空気が水上へと移動し排出するのが理想です。
そのルートをしっかり確保出来れば、屋根の温度上昇は随分抑えられ、エネルギー負荷の軽減につながるのです。
また屋根の側面部(妻側とも呼びます)付近を「けらば」と呼びます。
けらばの一番端にある材が「破風」。
写真で見ると、水下へ向かって貼られている板材です。
また、それに直交する正面側の板材は「鼻隠し」と言い名前が変わるのです。
独特の表現が多いのも屋根部の特徴で、それだけ大切な証拠とも言えるのです。
一見すると「けらば」部分からの通気は無さそうに見えます。
この箇所は綿密に打ち合わせし、通気ルートを確保しています。
「鼻隠し」部分も同様に、出来るだけ無駄は省くという考え方で、細部を構成していきます。
それが、軽やかで説得力ある表現を生むと考えるからです。
現場監理という仕事を説明するのは意外に難しいのですが、このような打合せを、監督や職人としているのです。
簡単に言えば、図面が現実に変わる最後のチェック。
決断の時なのです。
文責:守谷 昌紀