前回「四丁目の家」の現場日記を書いたのが2月15日。
東京は大雪でしたが解体も終え、3月の地鎮祭を待つのみとなっていました。
敷地はきれいに整地され、いよいよと言う時……
合板、断熱材をはじめとする、建築資材の不足は大きな問題です。
しかし何時までも立ち止まっている訳にはいきません。
まだ余震が続く中、自粛ムードもありますが今週の土曜日、地鎮祭をとりおこなう事になりました。
地鎮祭は、土地の神様を鎮め、工事の安全を願うもの。これだけ多くの命、街が失われたいまこそ、最も大切な儀式と言えます。
建築と都市に係わる仕事をしていて「今頑張らずしていつ頑張るのか」と思ったのは今回で2回目です。1度目は16年前の阪神・淡路大震災の時でした。
当時はこの世界に入って1年目。建築に携わっているのもも関わらず、その無力さを痛感したのです。しかし、今なら出来ることがあります。
頑丈で、人類の幸せに真っ直ぐつながる建築を作る。
その積み重ねが、必ず日本を、世界を良くすると信じます。
何の問題も起こらなかった街と、火事で全てが焼失した街があったなら、10年後は後者の方が発展を遂げる、という話しを聞いたことがあります。
亡くなった方には心がらご冥福をお祈りする事しかできません。しかし、人類は何度もこのような危機を乗り越えてきました。全ての試練は、私達を進歩、発展させる為にあると考える他ないのです。
今ほど仕事に使命感を感じた時はありません。そして、全力に悔いなしと言い聞かせるのです。
文責:守谷 昌紀