「伊東内科クリニック」-21-白、茶、灰、桃

 いよいよ工事は終盤です。曲面壁の塗装が終わっていました。

 金属よりは、木のほうが好き、しかしアップル製品が好きというクライアント。

 建築、家具、医院のマークの色や、素材選びにはしっかり時間をかけました。

 サンプルを貼っているのは前々回も書いた学生。鳥取の大学院生で、友人宅に住み込みながらオープンデスクに参加中です。

 先週で研修は終了したのですが、クライアントや現場監督に声を掛けて貰ったのが嬉しいかったようで「今月いっぱいまで延長したい」と申し出がありました。

 聞けば、始めの数日間は、兎に角辞めたかったそうです。3日目には、更に続けるかを問うので、彼も「頑張ります」と言っていたのですが、若者の心は複雑です。

 どんな仕事でも、いきなり遣り甲斐があれば良いのですが、そうはいきません。

 辛い、しんどいの先に何かがあるのですが、これを説明するのは難しい。面倒なので「常に面倒なほうを選択しなさい」と言います。

 そんな効率の悪い、という考えもありますが、事務所の基本方針は変わりません。聖書にも「狭き門を選べ」と書かれていると聞いたのです。  

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

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