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新世界

 昨日の日曜日は、晴れ予報に変わりました。長男の希望で動物園へ行くことに。

 天王寺動物園については何度か書きましたが、サバンナゾーンにキリンが立つ姿は、なかなかのものです。

 人の少ない時間帯に、木陰のベンチから眺めていると、ひととき喧噪を忘れます。

 朝一番が絶対的にお勧めです。

 本当に暑かったので、動物園はそこそこにして、早めの昼食をとることに。

 園のメインゲートを出て東へ信号を渡るとすぐ新世界です。

 南に曲がれば、以前は三味線を鳴らし客引きをしたというジャンジャン横丁。

 ふぐのちょうちんで有名なずぼらやを北に曲がれば通天閣。

 観光地化されたとは言え、雰囲気のある店がまだまだ残ります。

 妻は初めてだったので、串カツを食べたいと。

 店は色々考えましたが、ベビーカーでも入れる「朝日」へ。 

 「ソースの二度漬けお断り」は、当たり前でしょう、という感じの貼り方でした。

 これも、新世界のアトラクションの一つかもしれません。

 金額は、串カツ100円、ホルモン120円、山芋120円といった感じ。

 ソースが美味しいので、大体のものはいけますが、やはり外せないのはホルモンでしょうか。

 私の中でも一番でした。

 1歳の長女はいつも良く食べますが、ホルモン串をガツガツ食べていました。

 昼食の後は、ついでに通天閣へ。大人600円。

 ビリケン様も、商店街にいくつも大きなのがあるので、ちょっと有り難味が……

 目立てば勝ち、という感じで、全ての店が総チンドン屋化していました。

 それはそれで、街の雰囲気を作っています。

 ただ、元は南にある飛田の遊郭街や、釜ヶ崎の日雇い労働者と、切っても切れない関係にあります。

 治安が良いところでは無いことは間違いありません。

 動物園に行く前もジャンジャン横丁を通りましたが、立ち飲みスタンドでは、朝からビールをあおるオッチャンの混み具合が、普通ではありませんでしたし。

 久し振りに行ったのですが、それでも面白い街には違いありません。

箱根

 6月に入って初めての週末。梅雨入りする前に遠出してきました。

 富士山でも見に行こうかと、宿を探したがとれず、次の候補が箱根。私には未体験の観光地です。

 土曜日の5:30amに大阪を出発。名神、新名神、伊勢湾道を乗り継いで東名高速へ。

 最寄の御殿場ICまでは450kmほど。2度休憩して11:00am頃に着きました。

 そこから国道138号線を20km程走り、30分で到着です。トータルで6時間みておけば大丈夫そうです。

 まずは彫刻の森美術館へ。

 子供が触れて、遊べる作品が多いのは助かります。

 小さいうちにアートに触れるのは、とても良い事。

 展示室以外は撮影OKとの事でした。 

 中でも「ネットの森」は、素晴らしいの一言でした。

 堀内紀子〔1940-〕、2009年の作品です。

 何層にも重なったネットは宙に浮き、下に45cmの穴がいくつも開いています。

 そこから立体的なネットの隙間に入いり込み、登って行くのです。

 所々には、行き止まりの隙間もあります。

 上手く順に登って行くと、一番上はネットの平原。

 どの子供も大はしゃぎで、汗だくでした。

 芸術が人に貢献する方法は様々です。用途が明確なアートは、とても難しいのかもしれません。

 そうだとすると「ネットの森」は遊び心と、構造的美しさを兼ね揃えた、最高のアートと言えます。分かり易いことは全てにおいて素晴らしい事なのです。

 残念なのは小学生まで限定という事。入ってみたいと思うのは、絶対私だけではないはず。

 アントニー・ゴームリー(英)1993年の「密着」。

 作品名を聞かなければ、色々な解釈ができそうです。

 ピカソ、ミロからロダン、ヘンリー・ムーアー、ブランクーシ。加えて足湯までありました。

 今度は一日掛けて遊びたい所です。

 日曜日は、朝から旧東海道を尋ねました。

 江戸時代に整備された石畳が所々残っています。むせかえるような新緑の中、苔むした石畳にノミ跡を見て、350年前に思いを馳せます。

 ♪箱根の山は天下の険♪の通り、ここは難所中の難所。

 行って良く分かりました。日曜日だけで、2台のバイクが転倒したのを見たのです。一台はすぐ目の前で。

 幸い2人とも怪我はなさそうでしたが、もう少し命を大切に、とは思います。

 その難所を超えたら、眼下には芦ノ湖が広がります。湖畔の最も平地が狭い所には関所跡が。

 江戸時代、幕府は全国に53の関所を置きました。日本4大関所は他に、木曽福島(長野)、碓氷(長野)、新居(静岡)です。

 中でも江戸に一番近い箱根は、最も厳しい管理体制が敷かれていました。

 幕府は、大名の妻子を人質として江戸に住ませた為、特に女性の出国には厳しかったようです。

 武器の流入阻止と合わせて 「入り鉄砲に出女」を厳しく取り締まりました。

 近くにある「お玉ヶ池」は関所破りをして捕まった「お玉」という女性が、付近で処刑された事から付いた名前です。

 当初の目的は富士山。最後まで裾野しか見せてくれませんでした。 

 その目的も達していませんが、多くの美術館、温泉、歴史情緒……もう一度箱根に行きたいと思っています。

白川郷

 先週末訪れていた、白川郷について書いてみます。

 岐阜県の中央あたりに位置し、日本有数の豪雪地帯にある飛騨白川郷。

 合掌づくりの建築が評価され、1995年ユネスコ世界遺産に登録されました。

 いくつかの建物は、中を見学出来ます。

 山深くに住んだことは無いのに、窓からの景色に郷愁を感じるのは何故でしょう。

 合掌づくりの集落はいくつかありますが、一番大きいのが萩町。普通の生活を営む家も多くあります。

 街外れに納屋がありました。これも茅葺。「カヤ」とはスゲやススキの総称だそうです。

 何か凄みを感じます。

 屋根が茅ですから、草木も生えます。現代に、この暮らしを続けるのは大変でしょう。

 しかし、自然淘汰され残ってきたのですから、非常に強い建築の種と言えます。

 それを維持するのが、お金、人手とも大変なのですから難しいものです。

 陸の孤島と呼ばれ、独自の発達を遂げた白川郷ですが、今年の7月には東海北陸道が全線開通しました。

 白川郷は名古屋、金沢、富山と高速道路で結ばれます。

 それにともない、観光客が増加。インターチェンジから10分の所が3時間との予想もありました。

 それで、朝一番に萩町へ入ったのですが、お昼前後は凄い人出でした。

 この後、白山を超え、福井に向かいました。山頂付近から見下ろすと、確かに陸の孤島。

 その孤島に人が押し寄せるのですから、時代とは不思議なものです。私もその一人ですが。

 しかし自然界に存在する材だけで作られる家に、郷愁と安らぎを感じるのはごく自然な事かもしれません。

白川、白山、勝山

 一昨日から岐阜、福井を旅行しています。土曜日は合掌造りの岐阜県の白川郷。

 日曜は恐竜発掘日本一の福井県の勝山市に。

 白川郷からは白山スーパー林道で日本海側に抜けました。

 標高800mから1100mあたりが紅葉していました。

 今日は寄り道しながらゆっくり帰ります。

お盆の白浜

 お盆中、懸念してした天気もそれほど崩れませんでした。

 私たちは8/15(金)の早朝に大阪を出て、阪和道で南紀田辺へ。前回は6/2だったので、2ヶ月振り。

 子供が小さいうちは、ホテルの前が海なのは本当に助かります。

 南紀特有の平べったい磯も磯遊びには最適。

 砂浜で泳いでいると、エビが迷い込んできました。

 大きかったので、浅瀬に追い込んで捕まえました。

 何エビか分かりませんが、味は車エビに全く遜色なし、でした。

 折角なので、白砂で有名な白良浜(しららはま)ものぞいてきました。

 さすがは名所、凄い人出です。

 人ごみは嫌なのに、見ておかないと連休気分が盛り上がらないから不思議です。

 こちらも白浜の名所、円月島。白良浜のすぐ西にあります。

 円月島の真横にある京都大学水族館。

 駐車代無料で500円は特筆すべき値段です。

 大体すいているので、子連れにはお勧め。

 今回はあまり出掛けずに、ずっと子供と海で泳いでいました。

 浮き輪を持ってですが、バタ足で進めるようになったり、海の中を見る楽しみ覚えたり。嬉しいことです。

 しかし、普段接する時間が少ないので、つい怒ってしまったり。
 
 あっという間の2泊3日でした。

 近頃、朝が少し過ごしやすくなってきました。さあ今日から仕事です。

帰郷

 先週末は、岡山県倉敷市と、香川県まんのう町に帰っていました。それぞれ父と母の郷里なのです。

 お盆の混雑期を避けての墓参りが目的。両親の里が遠い私達にとって、お盆の恒例行事です。まずは岡山から、両親、私の家族4人、弟家族4人の総勢10人のちょっとした団体旅行です。

 父方の墓地は、瀬戸内海を見下ろす山腹にあります。

 汗を流しながら裏山に登り、ウチワで蚊を追いやりながら線香に火を。

 墓石に水を掛けながら「こっちはお爺ちゃんの親やったっけ……」と。

 毎年同じような会話ですが、それもまた良いものです。

 お参りの後、父の生家に寄ってきました。祖父は材木店を営み、晩年まで木を触っていました。

 祖母は90歳を超え、足こそ弱り気味ですが、食欲も旺盛です。耳が良いので、会話もほぼ支障ありません。

 5ヶ月になる長女は初対面でした。祖母が分かるうちに何とかと思っていたので、本当に良かったです。

 その後、瀬戸大橋を渡って、香川県へ。

 母方の墓地は、船の神様、金毘羅さんのある象頭山を望みます。

 お参りを済ませて、祖母に会いに行きました。85歳になります。

 頭はしっかりしているので「よく食べ、よく寝、頑張って歩く事」を約束して、後にしました。

 その後は第二の目的地、newレオマールドへ。今回はここで一泊です。

 一旦破綻し、再生したテーマパークです。香川県の山間部だけあって、敷地は広々として、混雑もそれほどではありませんでした。

 弟の長男とウチの長男はともに3歳。暑い中、お祖父ちゃんお祖母ちゃんと勇んで出掛けていきました。

 帰りには、讃岐うどんを食べに。

 この辺りは特に激戦区です。しかし地元の人は有名店を嫌います。母の弟、私の叔父に新しい店を教えてもらいました。

 琴平電鉄の栗熊駅の向かいにある、香川屋本店。

 生醤油うどん大370円。ぶっかけうどん小なら260円。

 味と金額は満足ですが、店舗内に香川ならではの風情はありません。一店舗だけなら、やまうち山下あたりを勧めます。

 祖母2人は80代半ばと90代ですから、昔のような元気はありません。それでもやはりたった2人の祖母。会えるだけで、愛しいのです。

尾張と伊勢志摩をめぐる-伊勢志摩編-

 月曜日の続きです。

 12/16(土)の夕方、豊田市美術館を出ると、伊勢湾自動車道で湾口部の西端、四日市まで一気に横切ります。

 そこから東名阪、伊勢自動車道と乗り継いで、賢島に着いたのは7:00pm過ぎ。

 志摩地方は紀伊半島の東端にあたり、山地が埋没して出来たリアス式海岸は、天然の良港を形成します。真珠、牡蠣の養殖は有名なところ。

 宿はプラムリゾート賢島。英虞湾を見下ろす丘に建ちます。

 南欧をイメージした空間はまるで異国のようで、良いホテルでした。私達の部屋は中庭を囲む2階で、海も望めました。

 チェックアウトが11:00amというのは、子供連れには嬉しいところ。

 日曜日は、宿から車で5分くらいの志摩マリンランドへ。マンボウを見れるのが売りのようです。

 干潟を復元しているエリアでは、ムツゴロウがこの距離で見れます。

 しかし一番興味を惹いたのが、化石の販売コーナー。

 5億年前の三葉虫の化石と6千万年前の恐竜の歯を2つ買って¥3,500。買っておいてなんですが、売ってもいいのでしょうか。

 そのあとは、伊勢まで海沿いのドライブウェイを走り、今回の最終目的地”海の博物館”に到着。

 設計は内藤廣。展示物が豊富、復元模型もどこかコミカルで、暖かな感じの楽しい博物館でした。

 内部は集成材を使った木造の大空間です。

 過酷な程ローコストだったとは設計者の弁。

 コストを突き詰めた結果が、船のを逆さまにしたような空間であることは偶然では無いような気がします。

 文化財収蔵庫。こちらは同じような構造を鉄筋コンクリート造で実現しています。

 薄暗い感じが船の棺のようでもあり、凄みさえ感じました。

 こうして愛知と三重をめぐる旅は終わりました。自分の住む街を出ると同じ日本でも様々な違いに気付きます。言葉、味付け、街の雰囲気などなど。

 名古屋では、城に対する強いこだわりを感じました。とにかく、城をモチーフにした建物が多いのです。

 極めつけは国道沿いのこの店舗。かに料理の店なのです。世が世なら、どう見てもお殿様しか住めないようなシロモノ・・・・・・

尾張と伊勢志摩をめぐる-尾張編-

 先週の土曜日に名古屋で勉強会がありました。そのついでに愛知県と三重県を回って来ました。

 まずは”尾張名古屋は城でもつ”の名古屋城。徳川家康が築城を始めた城郭です。曇りですが金の鯱は光ります。

 お昼は妻が見つけて来たJR名古屋駅の地下街にある”わかさや”へ。

 油で揚げずにオーブンで焼いた味噌かつが名物とのこと。

 とってもジューシーで甘めの味噌は抜群。評判を裏切らない、満足のお味でした。定食にして¥1,300。

 都心部から南東に位置する豊田市に向かいました。

 日本が世界に誇るトヨタ自動車の本社のある市です。

 本社住所はなんとトヨタ町1。

 ここに丸亀市立美術館と同じく谷口吉生設計の”豊田市美術館”があるのです。

 外観、内部の空間とも余白の多い素晴らしい美術館でした。

 階段横の大きな壁の絵や天井から吊るされた電光掲示板も作品なのです。

 20世紀の中盤から”空間概念”という作品群を発表してきたイタリアのアーティスト、ルーチョ・フォンターナ。

 布を切りつけるという突拍子もない作品は常に賛否両論。

 時代は遡り19世紀末のウィーンを代表する分離派の画家グスタフ・クリムト。

 なんとも言えない色気立ち上る彼の作品は大好きです。

 先日映画にもなっていましたが、その中に登場する、弟子格のエゴン・シーレの作品も収蔵。

 現代からはリチャード・セラ。

 マンハッタンでは署名によって作品が撤去されるなど、なにかと騒動の多い作家ですが、時代の一番前を走るアーティストである事は間違いありません。

 仕事柄、建築よりの話になってしまいがちですが、ここの常設展示は本当に素晴らしい。

 興味のある特別展があれば別ですが、常設だけでも見応え十分です。しかも、入場料はなんと¥300。

 夕方になったので、宿をとった賢島へと向かいました。伊勢志摩編はまた後日。

信楽の美術館はシャングリラを目指す

 日曜日は天気が良かったので、たぬきの焼き物で有名な、滋賀県信楽(しがらき)町にある、ミホミュージアムに行ってきました。


 設計はアメリカ人のI.M.ペイ。

 ルーブル美術館のガラスのピラミッドでも有名です。

 この地には、桃源郷をイメージした美術館を創りました。

 標高が高く、モミジも色付き始めていました。


 アプローチは長いトンネルを電動カートか徒歩で抜けて行きます。

 軽く左にカーブしているので、谷の向こうに少しづつ美術館が・・・・・・。

 その演出は圧巻です。

 建物自体は日本の木造建築を意識したようです。

 コレクションは陶器などの日本美術から古代オリエントの古代美術品まで、多岐に渡ります。

 内部は開放的。とても明るく、甲賀の山並みを見下ろす景色がなにより贅沢。

 この日は、青山二郎という収集家が集めた魯山人の焼き物や、中国、明代の焼き物なども展示されていました。

 珍しいところではピカソ作の陶器等も。


 帰りの通路に、お供え物のような竹の籠が置いてありました。

 お彼岸だったからでしょうか。彩りがとても鮮やか。

 今はコスモスが満開。

 かつては忍者も修行したと言う山里は、小さな棚田の刈入れも最盛期。静かに実りの秋を迎えていました。