タグ別アーカイブ: 香港

六甲アイランドに、ローマと香港を見る‐1897‐

4月の2週目、久し振りに六甲アイランドへ行く用事がありました。

学生時代は、甲南大学のスキー部にお世話になっていたこともあり、かなり頻繁に訪れていました。

体育会用のトレーニングジムがあったのです。

六甲ライナーで来たのは初めてかもしれません。

浅瀬をみつけると魚を探してしまうのは釣りキチの性。

実際にボラが群れていたのですが、なぜかワクワクするものなのです。

アイランドセンター駅周辺は、巨大な建物が集まっていました。

中央にアトリウムを備えている建物が多かったのも面白いところ。

丸い天窓を切っているところまで同じでした。

本家本元と言えば、ローマのパンテオン神殿です。

ローマと言えばコロッセウムがアイコンと言えます。

しかしパンテオンは見逃せません。

直径9mの天窓から、日の光が差すさまは圧巻です。

約2000年前にこの天窓を実現したことに驚かされるのです。

駅の少し北に建つ「アジア・ワン・センター(1993年)」は竹中工務店の設計施工。

この建物を見ると「香港上海銀行ビル(1986年)」を思い出します。

香港は2019年の10月に訪れました。

「サー」の称号も持つノーマン・フォスター設計です。

ビクトリア・ピークから見る100万ドルの夜景。

その中でもひときわ目立つのが、I・M・ペイ設計の「中國銀行ビル(1990年)」。

その近くにひっそりとたたずんでいるの が「香港上海銀行ビル」。

写真の左下に写っています。

ザハ・ハディド設計の「香港理工大学(2014年)」も必見。

もう建築パビリオンのような街でした。

ただ、香港の本当の魅力は街歩きだと思います。

そして食べ物

まずは「鹿鳴春」の北京ダック。

そして、ブルース・リーの主演映画「死亡遊戯」の舞台にもなった南北樓(ナンペイロウ)のエビチリ。

もうどちらも絶品でした。

今も、あの肉厚のエビの触感と甘辛さが舌に蘇ってきます。

バックパッカーのバイブル、沢木耕太郎の「深夜特急」ファンの私としては、香港はどうしても訪れたい街でした。

しかし、犯罪容疑者の中国本土へ引き渡しを認める「逃亡犯条例」に対する抗議活動が、この年の7月頃から激しくなってきました。

海外への旅で、無用に危険を冒すことは愚の骨頂ですが、もしかすると最後のタイミングかもと思ったのも事実です。

それが戦争までが実際に起こってしまうとは……

「芸術とは、人の心を動かすことができるもの」という定義を信じています。

美しいものを見たり、人は全く違うと感じたり。反対に、人は本当に違わないと感じたり。

そういった体感が、人の心を育てるのだと思っています。

人も、物も、体感も、自由に行き来できる世の中に、本当に早く戻って欲しい。

ひとりの旅好きとして、切に願うのです。


■■■ 『ESSE-online』にコラム連載■■■

4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設

■■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞■

■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

心へ放火‐1685‐

 4月8日に東急リバブルから『Sumikata』が発行されたと書きました。

 タワーマンションに住むクライアントへ届いたそうで、「ご活躍、心よりうれしく思います」とメールがありました。

 また、「滋賀の家」のクライアントからはこんなコメントも。

 青空に映える素敵な建物ってよく見たら(笑)

 とても茶目っ気のある方なのです。

 撮影の日は雲一つない快晴でした。

 左に見えるのは、元山城だったこの地を守るための土塁。

 その上に咲く老桜が満開でした。

 夕景も最高の条件で撮ることができました。

 夕焼けのご褒美付きです。

 元料理人のご主人もキッチンに立って下さり、遅くまで料理と会話を楽しませて貰ったのです。

 人の成長を心から喜べることは、自分の成長を促することになるのだと思います。

 反対の言い方をすれば、それだけ難しいこととも言えます。

 しかしクライアントだけは、私が何か少しでも結果を残せば本当に心から喜んでくれるのです。

 なかなか外出がままならないこの時期。

 この日記を読んでくれる人へ、私が出来ることは何だろうと考えました。
 
 そうだ、美しい!(と思う)写真をUPしよう。

 2018年5月の池原、2015年8月の鶴岡。2015年1月の富士山

 2017年5月の不老ふ死温泉、2015年9月の吉野ケ里、2018年1月の蔵王

 2014年5月の四万十川、2012年8月のブリオンヴェガ墓地、2019年10月の香港

 2015年5月の札幌、2014年9月の敦賀、2017年2月の郡上

 2011年5月の阿蘇、2012年8月のフィレンツェ、2017年2月の沖縄

 2012年8月のサグラダファミリア、2016年8月のセイナッツァロ村役場、2002年1月のアンコールワット

 1995年5月のロンシャン礼拝堂、2011年11月のファンズワース邸、2011年11月の落水荘

 2012年8月のヴェネツィア、2011年11月のタイムズスクエア、2002年2月のホーチミン

 1995年5月ロンシャン礼拝堂から、2019年9月の香港まで。

 24歳から49歳の間、日本と世界を旅する中で、「美しい!」だったり、「凄い!」だったり、私が心動かされた風景ばかりです。

 日記の最上部のヘッダーにランダムで表示するようにしました。

 体験と体感こそが私の財産です。「この騒動が収まったら出掛けてみたい」と思って貰えたら私の試みは成功。

 放火は重罪ですが、心への放火は無罪のはずです。

 ずっと先にでも、小さな灯台さえあれば人は荒波の中でも航海を続けられるのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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香港・マカオの旅④ <さよなら香港、人と街と建物編>‐1633‐

 月、木、金とUPした「香港・マカオの旅」ですが、今回で最終回です。

 4日目、10月14日(月)は朝早くにホテルを出ました。

 前日のデモ時は地下鉄が運休したので、動かない可能性もあると思っていました。

 チェックアウトを済ませモンコック駅に向かうと、交差点にはパンクし、落書きされたバスが放置されたまま。

 警察がやってきたところでした。

 バリケード跡などは残っていますが、地下鉄は動いているよう。

 しかし、火はいけません。

 モンコックから一駅南のヤウマティまで移動。シャトルバスでカオルーン駅へ向かいます。

 そこからエアポート・エキスプレスで30分程。

 スムーズに空港までやって来れました。

 脱出は大げさですが、まずは空港にたどり着きほっと一息です。

 香港国際空港は世界屈指のハブ空港で、そのスケールは凄いものがあります。

 全番号のゲートがある訳ではないにせよ、500番台には驚きます。

 設計は、サー・ノーマン・フォスター。

 どうりで格好良い訳です。

 チェックインまで済ませれば更に一息。

 ちょっとゆっくり朝食です。

 「点心」の文字がある店にしました。

 メニューでロブスターとエビが入っていることまでは分かりましたがそこまで。

 兎に角熱く、かつとても美味しかったです。

 こちらも「お勧め料理」の中にあったもの。

 貝は分かりましたがその他は分からずですが、素晴らしく美味しかったのです。

 四川料理と北京料理は食べましたが、上海料理、広東料理なども機会があれば是非食べてみたいものです。

 100%満足し、機上の人となりました。

 香港は、神戸とニューヨークとホーチミンを足して3で割ったような街でした。

 マーケットの種類は香港が一番だったでしょうか。

 庶民の料理も色々食べましたが、麺よりワンタンかお粥です(笑)

 現代建築は、目を見張るものがあります。

 カオルーン南東部にあるザハ・ハディド設計の香港理工大学は、完全に映画の世界レベルです。

 エントランスで圧倒されてしまいます。

 アンビルドの女王にビルドさせる訳ですから、どれだけ香港が裕福かが分かります。

 建築というよりは、巨大な高級車といった感じ。

 旧警察本部や監獄をリノベーションした「大館」は香港島の中環(セントラル)エリアにあります。

 設計はヘルツォーク&ド・ムーロン。

 こちらの外壁は、元のレンガのサイズに合わせてデザインされているそうです。

 展示は現代美術なので、それらを邪魔する訳にはいきません。

 見せ場はほぼ階段しかないのですが、その階段が凄い。

 「階段を狙え」は日本の巨匠、村野藤吾の言葉だったと思いますが、機能あるものをアートのレベルに高めています。

 ヘルツォーク&ド・ムーロンの作品は初めてだったのですが、流石に世界でトップを走る実力は伊達ではありません。

 2度も3度も美味しいのが香港です。
 

 100万ドルの夜景は、定番ですがビクトリア・ピークから。

 高い建物が苦手なのが一番の理由です。

 I・M・ペイ設計の「中國銀行ビル」には何度も触れました。

 実はライティングも秀逸でした。

 強調された光のラインが付いたり消えたりする単純なものですが、それが余計にインパクトを与えています。

 香港に居る間、この高層ビルが気になって気になって仕方がありませんでした。

 こちらは香港名物、竹の足場です。

 工事をしている所は一度も見れませんでしたが、本当にこれで工事をするのでしょう。

 狭い土地の中で少しでも大きくと、古いビルは何とか張り出そうと必死の形相です。

 新しい建築が張り出していないところをみると、法的にはアウトなのでしょう。

 しかしこの張り出しが、まるでアーケードのような役割をしており、雨の日はとても有効。街を歩く人に優しいのです。

 乗り物はトラムが一番気に入りました。

 2階建てチンチン電車ですが、のんびりと風を感じながら乗っていると、つい居眠りしてしまう程。

 デモは激化する一方なのは聞いていましたが、今すぐの天安門事件のような状態になることはないと判断し、渡航しました。

 しかし、実際に警察がデモ隊を本気で追う姿をみると正直ドキドキしました。

 余程の事があってもゴム弾しか使わないようで、私も行くことに決めたのですが、それは現地とて同じ。

 警察が舐められている感は否めませんでした。

 旅の友はCANONの5DMARKⅡですが、一緒に随分色々なところへ行きました。

 それなりに重いですが、いざというときは武器にするくらいの覚悟はいつもしています。

 2016年と比べると一気に老眼が進み、マップの小さな文字が読めずでかなり慌てました。

 建築マップに付いていた、ルーペ付きしおりを持ってきて本当に助かったのです。

 いまさらハズキルーペを買うのもやや気恥ずかしいので、空港にあったルーペ眼鏡?を購入しました。

 新しく旅の友になって貰います。

 私が体感したことのない国が、まだまだいくらでもあります。

 旅の直後はいつもですが、出掛ける気力と英語を勉強する気力が満々なのです。

 来年、子供の受験が終わったら皆で海外へ出ようかという話になりました。

 今回のサブテーマは「僕らの深夜特急」です。

 沢木耕太郎のこの小説に触発され、海を渡った人はどのくらい居るのでしょうか。久し振りに第1巻を読み返してみました。

 あとがきの対談で、海外へ出る適齢期は26歳と結ばれていました。

 私が海外へ初めて出たのは24歳なので少しずれがありますが分かる気がします。

 子供にも、自分が稼いだお金で、1ドルを惜しんで旅して欲しいと思うのです。

 ただ、もし娘が行きたいと言ったら、行って来ればと言えるのか……

 まだそれは先なので考えないでおきます。

 これにて香港・マカオの旅はおしまい。旅日記はつい長くなってしまい失礼しました。

 次回はウィーンかアムステルダムかニューヨーク再訪か。またここでお付き合い下さい。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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【News】
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『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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香港・マカオの旅③ <美食の都と動乱編>‐1632‐

 3日目の10月13日(日)は、朝からチョンキンマンションへ。

 「深夜特急」で、沢木耕太郎が一番はじめに泊まったゲストハウスのあった建物です。

 外からみる分には、さほど怪しさはありませんが、ここでの珍道中から「深夜特急」は発車したとも言える場所で立ち寄ってみました。

 クライアントにバックパックの旅の達人の様な方が居て、「両替はやっぱりチョンキンマンションが一番レートがいいですよ」と。

 実は前日も朝一番に来たのですが、両替屋が2軒しか開いてなく、空港と差ほどレートが変わらなかったのです。

 この日は9時頃に行ったので、数軒開いていました。

 全ての店を見て回りましたが、昨日両替した店が一番レートが良く、1ユーロが8.62香港ドル。

 時間帯によって、レートを変えているようです。商売なので当り前と言えば当たり前。

 他国のお札は何かおもちゃのお金みたいに感じるのは私だけでしょうか。

 フィンランドへ行った時のユーロがそれなりに残っており、ちょっと多めに替えておきました。

 香港島北岸の銅鑼湾(コーズウェイベイ)へ。

 近代的な街並みにショッピングセンターが建ち並びます。

 目的地はここ、南北樓(ナンペイロウ)。

 開店一番乗りの11時半に行き、写真も撮らせてもらいました。

 ブルース・リーの主演映画「死亡遊戯」の舞台になった場所と知り、ここにしたのです。

 なかなか趣きのある内装で、格子天井に施された彫刻は、中国らしい意匠でかつ繊細。

 女主人は、「ここをブルース・リーが降りてきた」と教えてくれました。

 長らく観ていないので、一度レンタルしに行かなければなりません。

 映画の舞台というのもありましたが、四川料理の老舗で、エビチリが絶品とガイドブックにあり、それならと奮発してみました。

 麻婆豆腐は、胡椒がかなり効いた大人味で、反対に青椒肉絲(チンジャオロース)は甘めに仕上がっており、どちらも抜群に美味しかったです。

 ただ、エビチリは「魚介類の食べ方を一番分かっているのは日本人」という概念を完全に覆されるほど、確かに絶品でした。

 大振りのエビを、白い皿の中央に乗せて、フォークとスプーンでじっくり味わって食べたい程、と書いて伝わるでしょうか。

 1匹のエビが、完全にメインディッシュになるボリュームとクオリティなのです。

 もう脱帽でした。

 お値段はひとりで1万円くらいでした。

 食後、スターフェリーでのんびりと九龍(カオルーン)へ戻ります。

 ホテルのあるモンコックあたりには、沢山のマーケットがあります。

 遠方から訪れていたので、この日は近場回り。

 日曜日だからか、南方系らしき人達が所狭しとシートを広げ、声高におしゃべりをしています。

 これが何かのイベントなのか、それとも都心部ピクニックみたいなものか、結局よく分かりませんでした。

 一旦ホテルに帰り、少し昼寝をして街へ出ると、物々しい雰囲気になっています。

 香港政府が進める「逃亡犯条例」に反対するデモが激化の一途をたどっている状況です。

 さらにこの週は「覆面禁止条例」が制定された後、はじめの週末ということで、何かは起るだろうとは覚悟していました。

 モンコックが大阪で言えば梅田とするなら、海沿いの繁華街がサムサアチョイは難波のような位置関係です。

 それらを繋ぐのがネイザンロードなので、御堂筋のようなもの。

 そこに黒い衣服に黒いマスクをしたデモ隊がバリケードを築くのです。

 一番の理由は、イギリス統治時代を含めて、自由を奪われたくないという政府に対する反抗の意思です。

 しかし、地下鉄の券売機や改札や、中国よりの企業なども襲撃され、デモとうレベルから暴動という段階に入っています。

 SNSなどで呼びかけ、黒装束の彼らは街の至る所に散在しており、警察が追いかけてくればクモの子を散らすように逃げ、また別の黒装束がうやってくるという、いたちごっこ状態なのです。

 不幸にも実弾で亡くなった方も居ますが、基本はゴム弾と催涙ガスで、まったく恐れる素振りもありません。

 警察も至る所に待機していますが、逃げる方が有利なのはいつの時代も同じです。

 主張は分かりますが、皆暮らしと仕事があるので、バスや地下鉄を止められるととても困るのです。

 そんな中、多少気が引けますが、最後の夜は北京ダックを頂くことに。

 「鹿鳴春」は先程難波と表現したチムサーチョイにある北京料理店。

 北京ダックに関しては、香港で一番おいしいという評判だそう。

 前日ガイドブックで仕入れた情報ですが。

 丸焼きの皮だけを食べる店が多いのですが、こちらは身も厚めに切り分けてくれます。

 これを薄餅に甘辛味噌をつけ、野菜を巻き一緒に食べます。

 香港一という評判ですから、私の説明など一切不要。

 勿論のこと、これまで食べた北京ダックの中で断トツの美味しさでした。

 しかしこの量をまさか一人で食べきれる訳もなく、泣く泣く残して帰ってきました。

 こちらは1万円弱だったと思います。

 中国茶もさっぱりと香りがよく、想像以上に美味しかったです。

 茶柱も立っているし、明日も良い日になるはずだと店をでました。

 夜の9時頃、チムサーチョイからモンコックにも戻ります。

 まだバリケードも残ったまま。

 このエリア衝突も激しかったようで、その痕跡が残っています。

 やはり地下鉄の駅は閉鎖されているようで、少し北まで歩き、動いているバス路線があったので飛び乗りました。

 かなり混雑していますが、一駅分でもホテルに近付ければ御の字です。

 私は日本に生まれたので、彼らのフラストレーションの本質を知ることはできません。

 表現の自由が制限されるということがどういうことかも、言葉で分かっているレベルだと思います。

 1997年の中国返還から、「一国二制度」が限界に来ているのは、間違いありません。

 これまで自由の風を謳歌してきた香港の人達が不満を持つのは当然でしょう。

 これは極論です。

 「逃亡犯条例」は犯罪人引き渡し協定を締結していない国・地域の要請に基づいて、容疑者引き渡しを可能とするものです。

 犯罪を犯さなければ、何の問題もない訳です。ただ、これらを契機に、中国本土の取締となることの危惧は分かるのですが。

 新聞の社説でも、自由を勝ち取ろうとする香港の若者を見習うべきでは?といったものもありました。

 当たり前ですが、暴力、破壊から何も生まれないのは世の理です。群衆心理と言う言葉がある通り、そこのところは良く考えるべきだと思います。

 ルポライターの竹中労はこう言いました。

 人は、無力だから群れるの ではない。群れるから無力なのだ。

 町のおばちゃんが、デモ隊を大声で怒鳴りながら、バリケードに使われていた竹を放り投げていました。

 主義主張は理解できます。しかし、人に迷惑を掛けるのはやっぱりNGなのです。

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香港・マカオの旅② <マカオ、100万ドルの夜景編>‐1631‐

月曜日は、香港に到着した10月11日(金)の夕方までをUPしました。

翌12日(土)は早起きして、まずは朝食。

「粥」と言う文字がみえたので入ってみました。

香港と言えばお粥。

麺と違ってこちらは外れなしでした。ピータン入りで30香港ドルくらい。

 ホテルのあるモンコックエリアはデモ運動が激しいようで、アンダーパスの壁にもそれらしき張り紙だらけでした。

 結局このあたりで、警察との衝突と遭遇することになるのですが、それは後程に。

 バスにのって香港理工大学のへ向かいました。

 2016年に亡くなった「アンビルド・アーキテクトの女王」と言われたザハ・ハディドの建物を見るためです。

 ここにも「反抗」の文字が。大学はそういった運動の拠点と常になる訳です。

 建物は正直凄かったのです。

 後でもう一度触れようと思っていますが、高級車のこだわりを細部にまで織り込んでいるとでも言えばよいのか。

 これはそう簡単に実現しないだろうと、納得しました。

 そのまま香港島のフェリーターミナルへ移動。

 香港は天気が悪い予報だったのと、土曜日はデモが激しいと思い、急遽マカオに行くことにしました。

 チケットは150香港ドルくらいなので2千円ちょっと。

 1時間くらいで到着します。

 マカオも同じ中国のはずですが、入国という扱いになるようです。

 市街地は比較的近く、何となくでバスに乗りましたが概ねイメージ通りの場所に着きました。

 マカオの由来となったと言われるマッコミュウ。

 このあたりは中国文化が色濃くでています。

 昼になったので食堂に入りました。

 何が特産か分からないのでひとまず「マカオのビールを」と言うと、そのままマカオビールでした。

 気温は30度を超えていたと思うので、どんなビールでも美味しいのですが、やはり地元の物に限ります。

 とても飲みやすいビールでした。

 マカオの市街地は広い範囲が世界遺産に指定されています。

 ポルトガルの統治時代の雰囲気が残るセナド広場。

 下町は香港とよく似た雰囲気です。

 マカオは観光地としてかなり人が増えているよう。

 カジノで有名ですが、私はあまり興味がないので街を見てまわります。

 結局、ヨーロッパの強国はアジアにおいての覇権を争うことになります。

 あまりダイレクトには書きにくいですが、その際にキリスト教の布教を活用しているのは間違いありません。

 信仰の自由は、誰にも認められているので良い悪いはありません。

 しかしそういった事実を踏まえ見ると、街歩きはより面白いと思っています。

 セナド広場のど真ん中、南欧の雰囲気が最も残るメインストリートに「中国建国70周年!」のような飾り付けが、派手派手しくなされていました。

 住民の気持ちはいかばかりかと思いますし、その不満が香港で今まさに噴き出しているのです。

 マカオの旧市街地はとても面白かったのですが、現代建築は目を見張るものがありました。

 カジノの街に相応しくなのか、ほぼすべて金ピカ。

 それも徹底的にです。

 帰りのバスから辛うじて撮ったこの建物。

 写真では伝わり切らないと思いますが、もう絶句する金ピカ具合だったのです。

 夕方になるので、香港に戻ったのですが、もう少し時間をとってみて見たい街でした。

 フェリーターミナルからトラムに乗って、「大館(2018年)」という施設をのぞいてきました。

 旧警察本部や監獄をリノベーションした施設で、2001年にプリツカー賞を受賞したヘルツォーク&ド・ムーロンの設計です。

 東京・青山のプラダの設計者と言えば分かりやすいでしょうか。

 こちらもまた後日に。

 そこまで天気が悪くなかったので、ピークトラムにのって香港を見下ろせる展望台を再訪します。

 やや霞が掛かっていましたが、なんとか100万ドルの夜景を収めることができました。

 ここでもペイの中国銀行ビルは目をひくのです。

 駆け足で、この日イメージしていたところを回り、最後は廟街にやってきました。

 深夜特急の作者、沢木耕太郎が香港に長居することになった要因となったのがこの場所です。

 どんな街でもそうですが、市場やマーケットは人を惹きつけるものがあります。

 一人旅なので、ならなおさらなのかもしれません。

 また、食事は屋台に限ります。

 何となく頼んだおそらく豚肉料理と、青島ビール(チンタオビール)。

 見た目とは裏腹に、酢のタレも含めてとっても美味しかったのです。

 街の屋台でその土地のビールを飲んでいる時、なんだか全てが報われるように気持ちになるのは私だけでしょうか。

 廟街ではつらつと働く女性です。

 ある映画監督が、ITをさして「虚業」と表現したことに対して、それらで成功した有名実業家は強く非難しました。

 その通りだと思います。

 ただ、夜の屋台でけなげに働く姿をとても美しいものに感じます。

 そういった場面を見る機会が、どんどん減っていることは私も危惧するのです。

 この夏、長男が海外へ出る際に「スマホは持っていかない」という約束を破りました。

 それで、帰国時に私はかなり怒りました。

 不便、不安、分からない。

 こんな価値ある体験をできるのは海外だけです。

 今回もスマホは持って行きましたが、ローミングも切り、ポケットWi-Fiの契約もしませんでした。

 バックパッカー卒業宣言を2016年の旅の際にしましたが、心はいつもバックパッカーです。

 それは、お金がなくてそうしてきたというのもありますが、それがどれだけの刺激や、充実を与えてくれるかを知っているからでもあります。

 とはいえ、ホテルに帰ると無料Wi-Fiがあり、メールチェックも、写真を上げることも可能ではあったのですが。

 金ピカマカオと100万ドルの夜景編、楽しんで頂けたでしょうか。

 明日からは、2、3話になると思いますが、旅の後編を続けてUPして行きたいと思います。

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香港・マカオの旅① <摩天楼、スターフェリー編>‐1630‐

 先程、香港から戻りました。

 会社に戻ると、義妹と偶然会い「台風で、関東、東北地方は大変でした」と聞きました。

 日本を離れていたので、まだ状況を把握できていませんが、被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

 今回も多くの河川が決壊したとのことで、是非ライフジャケットを各家庭に常備して貰いたいと思っているのです。

 金曜日の朝4時まで仕事をし、5時に家を出ました。

 子供達とは、2、3日顔を会わせておらずで、バタバタと空港へ向かいました。

 朝まで働くのが良い事だとは思いませんが、仕事があるうちが華です。

 関空を9時に飛び立つと、泥のように眠っていました。

 機内アナウンスで目を覚ますと、眼下に香港が見えてきましたが、いきなり度肝を抜かれました。

 ヨーロッパの市街地に建つマンションは、中庭を囲むような配置になっていますが、その高層マンション版と言えばよいでしょうか。

 しかもそれが林立しているのです。

 ニューヨークのマンハッタンを遥かに凌ぐ規模?

 フライトチケットやホテルの予約は妻任せで、ろくに下調べもせずにやって来たので尚更です。

 香港国際空港に降り立ちました。

 香港という国?中国?それも分からずですが、まずは市街地に向かいます。

 無料シャトルバスがあると聞いており、ホテルのあるモンコックを目指します。

 何処で降りるかがあまり分かっておらずでしたが、モンコックと地名がつけば良いだろうとバスを降りました。

 持ってきたガイドブックの地図を出してさあ調べようと思うと、これが全く読めない。

 視力は今でも1.2あるのですが、思いのほか老眼が進んでおり、文字が小さすぎるのです。

 これは弱ったと思いましたが、一人旅で時間だけは余る程あります。ウロウロと歩き出しました。

 ホテルは中心街だと聞いていましたが、家電を売っていたり、金物を売っていたりで、問屋街のような感じもします。

 あまり治安も良さそうな感じはなく、若干不安になってきます。

 と思っていたら、食品を売る店もでてきました。

 どこの国の人も腹が減れば何か食べる。人はそんなに変わりません。

 昼も過ぎていたので、小汚い店(失礼)で何かしらの麺を頼みました。

 香草と生姜の効いた、優しいお味でした。ホルモン?はなかなかいけましたが。

 日本のラーメンを知っていて、海外でそれより美味しい麺を期待するほうが無理というものです。

 ただ、思ったより暑く、ベトナムあたりと同じような食文化があるのかもしれません。

 再度歩き出すと、やや近代的な街並みが見えてきて、ようやく自分の居場所が分かりました。

 香港は大きく分けて、中国本土とつながる「九龍(カオルーン)」エリアと、南に海峡を挟んである「香港島」エリアに分かれます。

 現在、香港では各地でデモがくり広げられていますが、モンコックもそのひとつになっています。

 モンコックから南の香港島に向かって真っすぐ伸びるメインストリートが「ネイザンロード」です。それが分かり、ようやくホテルにチェックインしました。

 受付の女性に「この地図、無料ですか?」と聞くと、

  Three? 

 と聞き返されてしまいました。

 地図は3部も要りませんが、口が日本語モードで、下唇をかんでの”エフ” の発音ができていなかったようです。

 ここで、コミュニケーションも海外モードに切り替え、早速街へ。

 何も知らないとはいえ、香港にノーマン・フォスター、I・M・ペイシーザー・ペリの建物があることは何となく知っています。

 妻に付箋だけは貼っておいて貰いました。地下鉄で海峡を越えて香港島へ。

 イギリスでは「サー」の称号も持つフォスターに敬意をこめて、まずは「香港上海銀行ビル(1986年)」へ。

 ただ、目はすぐに隣の隣にあるペイの「中國銀行ビル(1990年)」へ行きます。

 こちらも建築書で何度も見ていましたが、写真とは全く違う美しさです。

 極めて単純なフォルムが、圧倒的な存在感を放っていました。

 香港島に居る時、どこにいても目印にしていました。こういった建築が本当のランドマークだと納得したのです。

 このエリアで最も高い、ペリの「国際金融センター(2005年)」もすぐ北にあります。

 香港島の高層ビル群の南には「ビクトリアピーク」という小高い山があります。

「ピークトラム」はその急こう配をかなりのスピードで真っすぐに駆け登って行きます。

 下りは、下手なジェットコースターより余程怖いと、後で知るのですが。

 一番右にペイの「中國銀行ビル」、中央あたりにペリの「国際金融センター」、そして一番左、対岸の九龍エリアにあるのが、KPF設計の「世界貿易センタービル(ICC)」。

 「世界貿易センタービル(ICC)」は485mで香港で最も高いビル。

 「摩天楼」という言葉がぴたりとくるくらい、競って天に迫っていく様は圧巻でした。

 「中國銀行ビル」を設計したI・M・ペイはルーブル美術館のガラスのピラミッドで知られ、1983年にプリツカー賞を受賞しています。

 今年の春に亡くなったのですが、享年をみると102歳。

 フランク・ロイド・ライト、村野藤吾をはじめ、建築家に長寿は多いのですが100歳越えとは恐れ入りました。

 夜景には少し時間があるのと、まだ街の様子も、デモのことも把握出来ていないので、この日は一旦九龍に戻ることにしました。

 沢木耕太郎の「深夜特急」は、バックパッカーのバイブルと言われています。

 その26歳の沢木が何度も乗ったというスターフェリー。

 出港し、香港島を見返します。

 西の空に日が沈んで行く景色を彼も見たのでしょう。

 なかなか行けない海外で、香港を選んだのはやはり「深夜特急」のスタートの地だったからだと思います。

 20代の後半、疲弊しきっていた私を救ってくれたのもまた旅でした。
 
  Breeze is nice. 

 「深夜特急1‐香港・マカオ編‐」ではなかったと思いますが、旅先で若き沢木青年が聞いた言葉です。

 私が深夜特急を読んだのは、20歳くらいの頃だったと思います。

 その言葉が、30年経って思わず口から洩れてしまうくらい、幸せで、心地よかったのです。

 「僕らの深夜特急」香港・マカオ編だけですが、順次アップして行きます。

 良ければまたのぞきにきて下さい。

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【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

魔法の単位‐1629‐

 今日、10月10日が体育の日だったのは、1964年の東京オリンピック開幕を記念したものでした。

 来年の東京オリンピック時は、開会に合わせて7月24日に「スポーツの日」として1年限りで引っ越すそうです。

 当時より気温が上がっており、祝日まで制定したのに、この気持ちのよい秋を外す理由は何だったのでしょうか……

 女心と秋の空の言葉通り、雲も空の色もめまぐるしく変化していきます。

 秋らしいウロコ雲。

 かと思えば夏空のような快晴に。

 いずれにしても気持ちの良い季節。やはりスポーツの秋、読書の秋です。

 「現場」私の第二の仕事場ですが、実に様々な道具を見ます。

 ここにもヘラ、万力、レンチ、さしがね等々。

 手入れをされたカンナは、手を触れてはいけないという雰囲気があります。

 多くの人が関わる現場で、共通言語となるのはやはり数字です。

 棟梁のMさんは、ミリ単位のスケールを使っています。

 少し年上の大工、Aさんはミリの上に「尺寸」が入ったものを使っています。

 303mm=30.3cmが1尺。その1/10が1寸で3.03mm。

 1坪は6尺平方(約1.82m平方)で約畳2枚分。の概念は、随分前に一度書いたことがあるので、良ければ読んでみて下さい。

 尺寸は最少単位が約3mmとなるので、ミリより3倍大雑把という言い方もできますし、全ての思考を1/3に出来るとも言えます。

 日本の建築は3尺グリッドで作ると建材の端材が少なくなり、コストパフォーマンスが上がります。

 よって、私も3の倍数をどこかで意識しています。

 厳密に言えば、法律によって尺寸で明記することは禁じられていますが、現場では非常に有効に使われています。

 全てを1/3にする魔法の単位と言ってもよいくらい、価値があるものだと思います。


 2016年にフィンランドへ行って以来、海外へ出れていないので、4日間だけ香港へ行ってきます。

 コンセントのアダプターを買いに行くと「この時期に香港ですか!」と言われてしまいました。

 半年前にチケットを取っていたので、まさかこんなことになると思いませんでした。迷いはしましたが、出来るだけ危険を避けて行ってこようと思います。

 4日も休もうと思えば、ギリギリまで働いて深夜から準備を始めるのはいつものこと。

 長さの単位は、「尺寸」なのか「ヤード」なのか「メートル」なのか。いずれにしても、知らない街へ行く高揚感はいつも変わりません。

 娘から「マスクと黒い服は駄目やで」と言われました。新聞をよく読んでいるので、私より情勢に詳しいかもしれません。

 月曜に戻ってから、またUPしていきたいと思います。

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Right Away=直ちに‐1612‐

 多くの会社は、土曜日からお盆休みでしょうか。

 昨日の日曜日、渋滞はありませんでしたが阪神高速湾岸線も結構な交通量でした。

 長男がシアトルから帰ってくるので、関空までお迎えに。

 昨年の台風で損壊した連絡橋も復旧済。あっという間に1年が経ちます。

 関空のターミナル1はレンゾ・ピアノの設計です。

 イタリアの国民的建築家と言ってよいと思いますが、確か指名コンペで勝ち取ったはずです。

 妻と娘を先に下して、初めて展望ホールに上りました。建物のフォルムがよく分かります。

 1994年の開港なので25年が経ちますが、グライダーの翼をイメージしたというフォルムは全く古さを感じさせません。

 離陸を眺めていると、3分間隔のよう。

 文字通り、飛行機が列を成して待っています。

 200~300mは離れていると思いますが、凄いエンジン音が響いてきます。

 ふわりと機体が浮かぶまで、およそ40秒。

 すぐにでも飛んで行ってしまいたい気分になるのです。

 航空機のデザインも多種多様になりました 。

 こちらは中国東方航空。

 機体の大きさがインバウンド客の多さをそのまま表しています。

 この派手な機体は香港エクスプレス。

 キャセイパシフィックの子会社で、格安航空会社(LCC)のようです。

 Lionの前にThaiの文字が見えます。

 こちらもタイのLCCのよう。

 MONGOLIANの文字が見えるのでモンゴルの航空会社なのでしょう。

 急に離陸が止まったと思ったら、海上保安庁の航空機が同じ滑走路に着陸してきました。

 すぐ目の前に海上保安庁があったのです。

 私が見ている間でも、ピーチは2度の離陸がありました。

 LCCが増えているのは時代を感じますが、最も目をひいたのもこの濃桃の機体でした。

 送れて行くと、到着ロビーはごった返していました。

 すでに長男達は手続きを済ませたよう。

 子供の世界があるはずなので、少し離れて待っていました。

 ひとつ約束を破ったので、厳しく叱るとへそを曲げていましたが、そんなことは関係ありません。男と男の約束は絶対守るものなのです。

 しかし、無事に帰ってきてくれてほっとしました。

 デルタ航空に乗っていたのですが、当日のネットニュースで「デルタ」の文字がでたので、一瞬身構えてしまいました。

 「成田を撤退して、羽田に集約」というニュースだったのですが。

 最近海外へ行けていないので、秋の連休に近場の香港へ行ってみることにしました。

 チケットと宿は全て妻任せなので「航空会社は?」と聞くと「キャセイパシフィック」と。

 長男はデルタで、私は香港エクスプレスかと勘ぐったのですが良かったです。

 LCCが駄目と言っている訳ではありませんが、一応親ですので。

 それより、今日もデモで全便欠航となっていました。

 主義主張は自由ですが、3日も帰ってこれない可能性があるなら、行くことさえためらってしまいます。

 空港に来れば、やはり米米CLUBの「浪漫飛行」。

 いつかその胸のなかまでも くもらぬように Right Away

 「Right Away」の意味が分かっていませんでした。「直ちに」だったのです。

 「迷ったら即行動」は故・星野仙一元監督の座右の銘。

 チャンスがあればいつも「Right Away」なのです。

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