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身近にあった真備。「ではない探し」ではない人生を‐1512‐

 8月も最終週に入りました。娘は今日から小学校に行っています。

 9月1日世代にはピンときませんが、休みが多すぎるよりは良いでしょうか。

 夏休み最終日の昨日、岡山、香川へ墓参りに帰っていました。

 まずは父方の郷里、倉敷へ。

 倉敷市は比較的大きな市で、倉敷川となまこ壁で知られる美観地区から、海沿いまでを網羅しています。

 その海を臨む墓地に守谷家の墓はあります。

 瀬戸内海式気候の夏は、雨が少なく本当に暑い。

 しかし、ここは眺めがよく目には涼やかです。

 中学生になった長男2人は、共にクラブで欠席。

 曾孫に打ち込みたいことが出来たなら、祖父母も喜んでいるでしょう。

 暑い中、一番下の女の子2人が墓掃除まで頑張ってくれました。

 次は、瀬戸大橋で香川へ移動します。

 母方の墓地は、金比羅山の見える田んぼの真ん中にあります。

 小さい頃から何度も目にしてきたこの景色ですが、日が強く、緑が本当に鮮やかです。

 稲穂も徐々に頭を下げ出していました。

 子供達も、蒸せるような夏草を香りを、いつか思い出す時がくるでしょう。

 父方の郷里が倉敷の海沿いと書きましたが、この辺りの住宅では、焼き杉板が結構使われています。

 倉敷と書いていますが、昔から我が家でも児島(こじま)と呼んでいます。

 昔は学生服の街、また現在では国産ジーンズ発祥の地としても知られる繊維の街なのです。

 近くにタコ漁で知られる下津井等もあり、なかなかに活気のある街だったようです。

 材木商だった祖父は、商いでは成功していたようで、墓地の裏には結構な規模の山を所有していました。

 そういえば、代々の墓も最も見晴らしの良い場所にあります。

 その祖父に続いて、数年前に父の兄も他界してしまったのですが、伯母は健在で少し話をしました。

 先月の豪雨では、倉敷市の真備地区で高梁川が氾濫し、多くの犠牲者がでてしまいました。

 伯母の姉がこの地区に住んでいたことを昨日初めて聞きました。

 親族が暮らしており、ぎりぎりのところで非難していたと聞いて、より豪雨の災禍を身近に感じます。

 先週、広島、愛媛を回った際も、多くの土砂災害跡が残っていました。

 思わずカメラを背けてしまいましたが、山肌にある墓地はかなりの確率で被害を受けていました。

 墓石が流されている景色は、何とも表現しがたい景色だったのです。

 伯母の姉の家も、2階まで完全に水に浸かってしまったのですが、近所の方が強い調子で連れ出して下さったそうで一命をとりとめました。

 しかし、家の中には土砂が流れ込み、乾き、とても住めるような状態ではないと言います。

 昨年、こんなたとえ話を話を聞かせてもらいました。

 もしあなたが「今、ソマリアの難民キャンプで、毛布が不足している」と聞いたらどう答えるでしょうね。

 「それは可哀想だな」で終わるかもしれません。

 この話を、安部首相が聞いたらどう答えるでしょう。

 「それは、日本として何か支援をしなければなりませんね。すぐにどんな援助ができるか検討して貰えませんか」と、しかるべき担当者に指示を与えるかもしれません。

 これが、視野の違いです。

 あくまで例えですが、その通りだと思いました。

 日本人ではない、知合いではない、親族ではない、家族ではない、自分ではない……

 どこまでも、「ではない探し」をしている人と、そうではない人の、どちらが人生において成長するのか。その答えは明らかです。

 大阪北部地震、西日本豪雨と、直接何かの援助ができている訳ではありません。

 まずは、精一杯自分の仕事に打ち込み、喜んで頂き、感謝の対価を頂き、しっかり税金を納めることが一番です。

 しかし、伯母の姉の話しを聞き、ではない探しをしていた自分がいたことを、はっきりと認識します。

 何度か書いた、讃岐うどんの名店めぐり

 今回は初めての店を訪れてたのですが、ちょっと内容がそぐわないので次回にします。

 「ではない探し」ではない人生を送る。

 何度も、何度もそう決意しなければならない程、人はやっぱり弱いのです。

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『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
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