昨年だったか、電車の中吊りで「春はあげもの」という広告を見かけました。
ハイボールの宣伝だったと思いますが、もちろん枕草子の冒頭「春はあけぼの」に掛けてのコピーです。
思わずくすりとした人が沢山いたのでは。秀逸でした。
先週は国道169号線で崩土があり、目的地にたどり着けず。
今週は、無事復旧工事が終わっていました。
2ヵ月振りに訪れる奈良県下北山村の池原ダム。
ボートであちこちと移動しながら釣るのですが、秋の湖上は素晴らしく気持ちが良いのです。
バスフィッシングで聞く言葉に「秋はまきもの」があります。
ルアーは大きく分けると、ソフトルアーとハードルアーがあります。
ソフトルアーはポリ塩化ビニルで出来ているものが多く、消しゴムの柔らかいものを想像下さい。
ハードルアーは、文字通りプラスチック、木、金属等でできています。
人の方で動きを付けなければ、魚がエサと勘違いすることはありません。これらの一部を「巻き物」と言ったりするのです。
水温が下がり、魚が動きやすい季節になると、バスはエサを求めて広範囲を回遊するようになります。
今年は台風が続いたので濁りが残っており、こういう状況も巻き物が効くケースです。
水通しのよい、岬まわりでいきなり来ました。
クランクベイトの中でも5m潜るタイプを選択。
急な冷え込みで、かなり深いレンジに居るようです。
その後、上流部、中流域もチェック。
とにかく釣るだけなら、ソフトルアーに軍配が上がりますが大きさは35cmまで。
昼食休憩のあと、少し曇ってきたこともあって再びクランクベイトを巻きます。
3本程続けてきました。くれば40cm以上で、今日はこちらが正解のようです。
午前中にみつけたような条件を探して釣っていると、この日最大の魚が。
45cmのコンディションのよい魚でした。
すっかり日暮れも早くなり、16:30にはボートを上げたのです。
「秋は巻き物」はいわゆるセオリーです。「春はあげもの」に続けたので、食べ物を想像させた人には失礼しました。
セオリーはいつも効く訳ではありませんが、先人の経験則でもあります。
ただ信じるだけでは駄目だし、否定的な見方をしても価値は生まれないと、この日も痛感したのです。
何より、軸がなければ比べるという行為が発生しません。この部分がセオリーの最大の価値なのだと思います。
スティーブ・ジョブズは数学を例にとって、こんな表現をしています。
クリエイティブな人というのは、先人たちが残してくれたものに感謝したいと思っているはずだ。
僕が使っている言葉も数学も僕が発明したわけではない。同じ人類の先人たちが作ってくれたものなんだ。
勝者のメンタリティには、常にどこかに謙虚が隠れています。
そう在りたいと、心から願うのです。
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