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ゼロ‐1021‐

 グランフロントには、建築関係のショールームが集まっています。

 数年前までは本町に集中していたのが、あっと言う間に各社が移動してきました。

 土曜日、クライアントと訪れていたのですが、相変わらず凄い人出です。

 大階段には、922人のサンタクロースが並んでいました。

 明日はクリスマス・イブ。

 「言うこと聞けないと、サンタさんはやって来ないよ!」

 親子の攻防は寸前まで続きます。

 「海賊と呼ばれた男」は2013年の本屋大賞。

 映画化された「永遠のゼロ」はデビュー作にして380万部の売り上げ。21世紀の最高部数を記録した文庫本だそうです。

 作者、百田尚樹のデビューは50歳で、現在も探偵ナイトスクープの放送作家。

 発売すれば全てがヒット作。凄まじいと言ってよい活躍です。

 乗り遅れた感もあったのですが、ようやく読んでみました。

 「永遠のゼロ」のあらすじは以下のようなもの。

 フリーターの佐伯健太郎と駆け出しのライターである姉・慶子は、祖母が亡くなったあと、残された祖父から、自分は2人目の夫であると知らされる。

 姉弟の母は、1人目の夫、宮部久蔵の子で、彼はゼロ戦の搭乗員だった。終戦間際、特攻で戦死したことを知る。

 姉が終戦60周年記念のプロジェクトに協力することになり、残り少なくなった、祖父を知る人を訪ねるという企画を考え、取材を始めた。

 それらの人を訪ね歩くうち、祖父・宮部久蔵の実像が、徐々に浮かび上がってくる。最後に宮部久蔵と関わりのあった人が、自分たちの良く知る……

 証言者が変わる度に場面が変わり、全く飽きさせません。祖父の像が浮かび上がる度に、こちらもどんどん知りたくなって来ます。

 弟、姉も真実を知る度に(フィクションですが)、成長して行きます。また、多くの若者の人生が、この戦争によって断たれたという事実が、読者の胸に突きつけられるのです。

 今年の夏頃、筆者はこのように語っていました。

 父は市の職員で、水道管が破裂していないか、日がな街中を歩き回り、見付けては補修するという仕事だった。地味な仕事だったがそれを全うした。

 今、仕事がない、仕事がないと言うが、工場では外国人の労働者が働き、国へ送金をしている。どこに仕事がないのか、と。

 彼は、常に人間の素晴らしさを書きたいと言います。それを、父の背中から学んだのですが、本来はそれは当たり前の姿とも言えます。

 父として、リーダーとして、何ができているのか。自ずと力がはいります。