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女人高野‐1320‐

『住人十色』毎日放送(MBS)10月29日(土)午後5:00~5:30「松虫の長屋」放映予定■

 今日は気持ちの良い秋晴れでした。

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 しっかりとした日差しを受けた花は本当に美しいもの。花より光が美しいのかもしれません。

 日曜日は生憎曇りでしたが、近鉄電車で室生寺へ。

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 名張行きの急行で1時間。室生口大野に着くと、バスは50分待ちでした。

 1台タクシーが見えたのですが、目の前の2人連れに先を越されてしまいました。

 自然歩道を歩けば1時間くらいと聞き、歩いて行くことにしたのです。

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 歩くのはかなり早いほうで、40分位あれば着くだろうと思っていましたが、なんのなんの。

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 かなり険しい山道を7km。みっちり1時間半は掛かりました。

 山深く、他に人は全く居らずで、クマでもでるんじゃないかと心細くなり……

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 変な汗をかきながら道を急ぎ、山村の景色が開けた時はほっとしたのです。

 紅葉にはまだ早く、人も少な目。

 室生寺の建立は奈良時代末期で、国宝に指定された建物がいくつかあります。

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 鎌倉時代に建てられた本堂もその一つ。

 山深いところにあるがゆえ、山林修行の道場としての意味合いも強かったようです。

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 奥の院までの石段の長いこと。

 しかも段差がまちまちだったりして、かなり歩きにくいのです。

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 よく見ると寄進されたものなのか、ところどころに文字が刻まれています。

 バチが当たらないよう、これも修行と黙々と歩かなければなりません。

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 昨年の夏休みに山形を訪れた際、酒田市の土門拳美術館に立ち寄りました。

 写真家・土門拳は室生寺の五重塔をこよなく愛したそうです。

 創建は平安初期で国宝。是非見たいと思っていたのです。

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 高さは16.1mで、屋外にある五重塔では日本最小です。

 屋根は檜皮で葺かれ、一層目と、五層目の大きさがあまり変わらないのも珍しいプロポーションです。

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 屋根の勾配が極めて浅く、軒の深さがより強調されています。

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 また漆喰の壁と、軒を持ち出すための組物の朱色が、森の緑にとても映えていました。

 弘法大使が開いた高野山は、厳しく女人を禁制しました。

 そんな中、女性の済度をはかる道場として参詣を許したのが室生寺で、「女人高野」と呼ばれるようになりました。

 高野山が女人禁制を解除したのは明治期のこと。この男女平等の社会からは考えられないことです。

 室生寺の五重塔は、そのプロポーションといい、その色使いといい、その小ぶりさといい、極めて美しい建築です。

 私が見た五重塔の中でも、群を抜く美しさだと感じますが、これを「女性的な美しさ」以外の言葉で表現するのは難しいと思います。

 これを男女差別と言う人は居ないでしょう。

 差別など無い世の中になれば良いと思いますが、違いとは、特徴とも言えます。違いを活かし、伸ばすような生き方をしたいと思うのです。

 室生寺の五重塔は、雪景色がさらに美しいそうです。土門拳はその雪を待ち、雪景色をみて泣いたと言います。

 女の中の女。次は雪の室生を見てみたいと思うのです。

P.S.  明後日の『住人十色』ですが、以下の地域でも放送があるようなので以下にUPしておきます。

SBS(静岡放送) 毎週日曜日 午前6:15~6:45
BSS(島根・鳥取地区) 毎週土曜日 午前5:00~5:30
TUY(山形・秋田) 毎週日曜日 午前6:15~6:45
ITV(愛媛・徳島) 毎週日曜日 午前12:54~13:54
MRO(石川・福井) 毎週日曜日 午前9:55~10:30
NBC(長崎・佐賀) 毎週日曜日 午後4:30~5:00
MRT(宮崎) 毎週日曜日 午後4:30~5:00

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