クロマグロの完全養殖を世界で初めて成功させた近畿大学。
キンキという音が、英語では好ましくないので、KINDAIブランドに統一するというニュースもありました。
よって近大がほぼ正式名称。私の母校でもあります。
受験者数日本一の称号も手に入れましたが、近鉄長瀬駅の風景は昔のまま。
今回は、人材募集の件でキャリアセンターを訪ねました。
駅前のレトロな感じも全く変わらず。
古本屋。
雀荘。
これらは大学通りの風物詩。
混一色(ホンイツ)という言葉を聞いたのはいつ以来か。
萬子、筒子、索子のどれか1種類と、字牌だけで作る役のことで、面前で3飜、鳴いても2飜。あまり伸び難い手です。
麻雀をしない人はスルー下さい。
駅から1km弱。大学通りの突き当りにあるのがレンガ造りの西門です。
希望大学を沢山落ち、近大に拾って貰ったのですが、残念ながら愛着はほぼないのです。
西門をくぐると、キャンパス内は大きく変わっていました。
木造にガラス張りの英語村E3[e-cube]。
網代をイメージしているのか、東南アジアのリゾートカフェのような雰囲気です。
ここでかわす会話は全て英語。面白い試みです。
目的のキャリアセンターも真新しい建物でした。
この外壁がなかなか。
多くの新学舎に木が使われていますが、その端材でコルク栓のようなものを大量につくります。
それらを、エキスパンドメタルで作った薄い箱に詰め込んで、パネル状に組み、ルーバーのような役割を与えているのです。
内部からみると、適度に光を遮り、面白い景色が演出されています。
キャリアセンターの方と話しましたが、この売り手市場の中、完全に「学生様」的な感じでした。
しかしマンパワーは必須です。結果を残し、環境を改善し、一緒に働きたいと思って貰うしかありません。
キャリアセンターとつながるのが漫画図書館。
物凄い規模でした。
内部にはCNNのニュースが常に流れるカフェ。
もうひとつ別のカフェもあり、受験者数日本一は伊達じゃないなと感じます。
「落ちてくる」のでなく「望んでくる」学生がかなり増えているとのことでした。
そこまで変わったんだと驚きましたが、近大マグロにしろ、英語村にしろ、この2万2千冊の漫画図書館にしろ、全ては努力の賜物のようです。
高槻高校もそうですが、自分が卒業したあと、評価がぐんぐん上がることは、卒業生にとっては誇らしい限り。
完全に他力本願ですが。
先日の台風で、養殖中のクロマグロが逃げたりで、数億円の被害が出たというニュースもありました。
クロマグロの養殖は、熊井英水教授の手によって、32年を掛けて成功したと知られますが、実際には60年前から研究はスタートしていたそうです。
多くの大学、企業が撤退する中、世界初の偉業は学長の号令の元、60年の時間を掛けて成し遂げられてました。まさに継続こそが力なのです。
グランフロントにある「近畿大学水産研究所」にも初めて行ってきました。
近大マグロと選抜鮮魚のお刺身御前。
イシガキダイとブリが選抜されていました。
この湯飲みに書かれているものは全て近大が養殖に成功しているものですが、イシガキダイとは渋いセレクトです。
勿論、天然ものが理想ですが、十分に美味しく食べられるレベルにはあると思います。
世界的には資源が減り、人口が増え続けるなか、食を生み出すことは最重要課題のひとつでもあります。
これだけの成果を出していることが誇らしくもありますが、開店前から人が並び、すぐに行列となりました。
これだけ認知され、ブランド化できたなら、数億円の痛手もすぐに取り戻せるでしょう。
記憶通りだった、西門前の食堂「カロリー」。
名前も良いし、このメニューも最高です。昔の記憶があっという間によみがえってくるのです。
「早慶近」を目指すという近大。
勿論、容易なはずはありません。しかし、絶対無理ではないはずです。
誰かに頼らず生きて行きたいと思っていたつもりが、大学に自分の実力以上のブランドを求めていたことが、劣等感や愛着の無さにつながっていったのでしょう。
心を入れ替えてます。
自分が近大をさらに知って貰う存在になれるよう、身を粉にして働く所存です。そうなれば、とめどなく愛着も沸いてくるはず。60年掛かっても達成する覚悟です。
地球が動いている限り、宇宙が膨張している限り、この世に不変はないはずです。
そう言えば今日は体育の日。やはり、心と体が健康が全ての源です。
■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
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【News】
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■『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売に「阿倍野の長家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月2日に「イタウバハウス」掲載
■『houzz』5月28日の特集記事に「あちこちでお茶できる家」掲載