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2024年は何が出来る?‐2074‐

新年明けましておめでとうございます。

元旦の大阪は好天に恵まれました。

寒さもそれほどでなく穏やかな一日となりました。

旧社格で言えば府社である杭全神社は、初詣で賑わっていました。

すぐ近くにある、和菓子屋さん「塩伊(しおい)」も元旦は休みでした。

年末は、お正月餅づくりが佳境で、朝早くから店の前はこんな風景になっていたのです。

慶応元年創業で150年続く老舗の風格が、この人形から滲み出しているようです。

もう少し南にもう一軒ある和菓子屋さんが福本商店です、

名物の「亀乃饅頭」で良く知られていますが、こちらは創業300年のようです。

こちらも休みなんだなと思い、張り紙を見てみると正午から営業するとあります。

こちらも年末は書き入れ時で、4歳くらいのお子さんも毎日お手伝いしていました。

本当に偉いなと毎日見ていたのです。

和菓子を食べる機会もなかなかありませんが、もち米を蒸す良い匂いがあたりに広がっていました。

今年の決意と働き方を書いて、新年1回目の日記にしようと思っていたら、16時過ぎに地震の速報が入りました。

石川県の能登では震度7の強い揺れ。大津波警報も発令されました。

建物が倒壊する際の土ぼこりが上がっている映像や、火災が起こっている映像がリアルタイムで流れてきます。

被災された方のことを思うと、元旦から何ともやりきれない気持ちになります。

ただ、日本に住む以上、勿論他人事ではありません。

昨年末、日本建築家協会(JIA)の九州支部の方から、「2016年の熊本地震の支援活動を記録誌にまとめ、アーカイブとして残していきたいと考えている」というメールが届きました。

2016年6月から7月にかけて罹災証明調査に参加頂いたJIA会員の方にメールしているともありました。

「新たに記事を書く時間はないのですが、当時日記に上げた2記事をまとめるので宜しければお手伝いさせて頂きます」と返信したのです。

この時は、建築の専門家でありながら、公には何の貢献も出来ていないという、積年の澱は少しだけ流すことが出来たと書きました。

熊本は水が澄んだ、本当に美しいところでした。

北陸は2012年のゴールデンウィークにめぐりました。

とても自然の美しい、日本でも最も好きな場所のひとつです。

先の記事で、要請があればすぐに駆けつけられるよう、日々の仕事を頑張るだけ、とも書いています。

現状で、何とか駆けつけることができるのか……

元気であれば、何度でもチャンスはやってきます。まずは命を大切にして欲しいと心から思うのです。

2024年は何が出来るか?

いきなり、大きなお題を貰った気がします。

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

メディア掲載情報

ミュージアム in 北陸

連休明けの月曜日。ペースは戻ったでしょうか。

5月4日、5日のスケジュールが空いたので、急遽宿を探しました。北陸を中心に見ていると、和倉温泉に1部屋空きをみつけました。

4日(金)の早朝、大阪をでると、スムースに金沢まで来ました。

しかしかなりの雨量で、まずは能登半島を北へ移動することに。

かほく市にある「西田幾多記念哲学館」へ寄りました。

西田幾多郎の「善の研究」は、明治以後、日本人が初めて読む哲学書と言われます。

ここに来るまでには読んでおくつもりでした。持ってはいるのですが、まだ手をつけておらず……

館はの設計は安藤忠雄。今年で開館10年目とありました。

特に欧米では、哲学的とも言われる安藤建築。

館の目的に完全に一致していると感じます。

安藤設計のミュージアムは沢山見ました。

下階に向かう階段と吹抜けの空間は、ヴォリュームが心地よく、最も美しいと感じました。

人は少なく、満足して更に北上します。

能登半島の中央部にあたる能登島。

「のとじま水族館」はその北端にあります。

こちらは開園30周年。

子供の為に来たのですが、古き良きという感じで、好感がもてました。

直前にキャンセルが出たのはビジネスホテル。

よって食事ぐらいはという事になり、寿司割烹の店へ行きました。

和倉温泉街にある「又五郎」。

大将はとってもいい感じの良い人で、家族で7千円くらいでした。

寿司、焼き魚、茶わん蒸し、いずれも美味しかったです。

下の娘はいくらでも刺身を食べるのですが、長男はマグロ以外をあまり食べず。肉派なのです。

翌朝も早起きして、砂浜を車で走れる千里浜なぎさドライブウェイへ。

どうしても走りたかったのですが、波が高く侵入禁止になっていました。

仕方なく、皆で走ることに。

南下して8時頃には金沢市内へ入ります。

金沢市は「パークアンドバスライド」という試みを実施しています。

市の人に聞くと10年程になるとのこと。

高速のインターを降りると駐車場があり、そこから市内をバスが循環しているのです。

車一台につき1000円で乗り放題。施設の割引もついています。

これを利用して、金沢21世紀美術館へ行ってきました。

レアンドロのスイミング・プールは凄い人気で、開館と共に一杯になりました。

子供はかなりテンションが上がっています。

上からは無料、下からは入館した人だけ。

この無料開放ゾーンが多いのもこの館の特徴です。

設計は、妹島和世と西沢立衛の建築ユニットSANAA。

2010年にはプリッカー賞を受賞しましたが、この館の評価が最も大きかったと言えるでしょう。

開かれた美術館というコンセプトは、収蔵作品にも反映されています。

円形の建物回りに、数多くの作品があり、子供たちも遊具のように遊び、触れています。

来る前は「また美術館」と文句を言っていた子供の気分を、ここまで変えのは、凄い事です。

駆け足で回った、北陸の旅。2つのミュージアムは印象に残りました。

強く、固い建築に、制限した光を落とす安藤。薄く、透明感のある建築を、更に街へ開くSANNA。

西沢立衛のプリッカー賞受賞のコメントは以下のようなものでした。

「建築と街に係わるものとして、とても嬉しく思います」

この言葉は時々頭の中に蘇ってきます。とても素直で気持ちが良い言葉です。

次回北陸に来る際は、再度なぎさドライブウェイにチャレンジします。これは昨年、現在の車に乗り換えたときから持っていたイメージの一つなのです。