昨日は、JIA(日本建築家協会)の例会でした。
朝7:30amの新幹線で浜松へ。
総勢20人がバスに乗り換え、まずは天竜市の秋野不矩美術館へ。
女性画家、秋野不矩(あきのふく)の出身地に建つこの館は、藤森照信の設計です。
子供が絵に描いたような独特の建物。
インドなどを描いた柔らかいタッチの画を、プリミティブな空間が優しく内包しています。
氏の建築は、非常に許容範囲が広いということが、ここでも証明されています。
昼食は浜松に戻り「新角」という店へ。
流石は鰻の街です。
さくっと焼き上がった鰻に甘めのタレがしっかり掛かり。
噛みごたえもしっかりしており、素晴らしい味でした。
鰻の入ったしゅうまいも名物のようで、さっぱりとした食感で、とても美味しかったです。
昼からはヤマハの工場で、キッチンの制作過程を見学します。
残念ながら工場内は撮影禁止でした。
しかし、国内で初めに人工大理石を用いただけあり、その拘りが伝わってきました。
特に350℃までのフライパンを置いてもOKという点においては、唯一無二のレベルと言って良いと思います。
その秘密は、熱に強い材を使うのではなく、素早くその熱を拡散できるような素材が混合されているという事でした。
材料化学の世界では必然の発想なのかもしれませんが、問題を解決する際にはこういった考え方が必要なんですよ、と教えらるようでした。
ヤマハと言えばやはりピアノ。
ピアノ塗装と言われるその技術は、工芸品の域と言ってよいものです。
扉のカラーバリエーションは114色。
全て自社で出来る技術があるからこそのラインナップと言えます。
最後は、人工大理石のコースター造りの体験コーナーへ。
これらは、一般の社会見学コースにあるのか、私達専門職の人だけのものなのかは、確認し忘れました。
最後は、ヤマハの関連施設「葛城北の丸」へ。
北陸の古民家を再生した宿泊施設なのですが、2002年日韓共催ワールドカップに際に、トルシエジャパンが宿とした事で知られます。
館内にも中田英寿らがサインしたユニフォームが飾られていました。
トルシエがここを拠点としたいきさつは、どのようなものだったのでしょうか。
日本人にはこの場所が最も合っていると感じたのか、もしくは通訳を務めていた彼が勧めたのか、もしくは本当に青い目のサムライだったのか……
2時間ほどかけて、先輩建築家と食事を共にし、帰途についたのです。
秋野不矩美術館のすぐそばには、本田宗一郎の生家があるそうです。
個人で行っていたなら、是非見て見たかったのですが、それは叶いませんでした。
日本人は、失敗ということを恐れすぎるようである。どだい、失敗を恐れて何もしないなんて人間は、最低なのである。
やろうと思えば人間はたいていのことができると私は思っている。
当時、一生懸命がやたらと尊ばれた。たんなる一生懸命には何ら価値がないことを為政者は教えなかった。
だから国民は一生懸命が価値を持つためには、正しい理論に基づくことが前提条件だということを悟らなかった。
ヤマハ、河合楽器、トヨタの創業者が静岡の出身です。物創りに欠かせない何かが、この地には受け継がれているのか。
なかなか訪れる機会のない遠州。いずれゆっくりと回ってみたいと思います。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日)「匠」として出演しました