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春はあげもの、秋はまきもの‐1526‐

 昨年だったか、電車の中吊りで「春はあげもの」という広告を見かけました。

 ハイボールの宣伝だったと思いますが、もちろん枕草子の冒頭「春はあけぼの」に掛けてのコピーです。

 思わずくすりとした人が沢山いたのでは。秀逸でした。

 先週は国道169号線で崩土があり、目的地にたどり着けず。

 今週は、無事復旧工事が終わっていました。

 2ヵ月振りに訪れる奈良県下北山村の池原ダム。

 ボートであちこちと移動しながら釣るのですが、秋の湖上は素晴らしく気持ちが良いのです。

 バスフィッシングで聞く言葉に「秋はまきもの」があります。

 ルアーは大きく分けると、ソフトルアーとハードルアーがあります。

 ソフトルアーはポリ塩化ビニルで出来ているものが多く、消しゴムの柔らかいものを想像下さい。

 ハードルアーは、文字通りプラスチック、木、金属等でできています。

 人の方で動きを付けなければ、魚がエサと勘違いすることはありません。これらの一部を「巻き物」と言ったりするのです。

 水温が下がり、魚が動きやすい季節になると、バスはエサを求めて広範囲を回遊するようになります。

 今年は台風が続いたので濁りが残っており、こういう状況も巻き物が効くケースです。

 水通しのよい、岬まわりでいきなり来ました。

 クランクベイトの中でも5m潜るタイプを選択。

 急な冷え込みで、かなり深いレンジに居るようです。

 その後、上流部、中流域もチェック。

 とにかく釣るだけなら、ソフトルアーに軍配が上がりますが大きさは35cmまで。

 昼食休憩のあと、少し曇ってきたこともあって再びクランクベイトを巻きます。

 3本程続けてきました。くれば40cm以上で、今日はこちらが正解のようです。

 午前中にみつけたような条件を探して釣っていると、この日最大の魚が。

 45cmのコンディションのよい魚でした。

 すっかり日暮れも早くなり、16:30にはボートを上げたのです。

 「秋は巻き物」はいわゆるセオリーです。「春はあげもの」に続けたので、食べ物を想像させた人には失礼しました。

 セオリーはいつも効く訳ではありませんが、先人の経験則でもあります。

 ただ信じるだけでは駄目だし、否定的な見方をしても価値は生まれないと、この日も痛感したのです。

 何より、軸がなければ比べるという行為が発生しません。この部分がセオリーの最大の価値なのだと思います。

 スティーブ・ジョブズは数学を例にとって、こんな表現をしています。

 クリエイティブな人というのは、先人たちが残してくれたものに感謝したいと思っているはずだ。

 僕が使っている言葉も数学も僕が発明したわけではない。同じ人類の先人たちが作ってくれたものなんだ。

 勝者のメンタリティには、常にどこかに謙虚が隠れています。

 そう在りたいと、心から願うのです。

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『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
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