タグ別アーカイブ: サンワカンパニー

シソ、梅干し多めで豊かにしてくれる魚‐2014‐

昨日はクライアントとショールーム回り。

10時頃に阪神百貨店の前を通ると、すでに行列ができていました。

地下1階の食品売り場の中にも行列が。

地下街から地上に上がり、JR大阪駅の中央改札前を通ると551の蓬莱の前にも行列。

大阪の街に、観光客、買い物客が完全に戻ってきました。

コンコースを抜けてグランフロントへ。

一気に視界が開けるこのエスカレーター。

大阪一景色のよいエスカレーターかもしれません。

グランフロントも南館は混んでいますが、北館までくれば随分静かになります。

まずはサンワカンパニーのショールームへ。

洗面、水栓、キッチンなどを1時間半ほどかけて見てまわりました。

その後は阪急オフィスタワーにあるTOTOのショールームへ。

ユニットバスを採用する予定ですが、床や出入口が更に進化していました。

案内してくれた女性スタッフに、随分前に一度案内して貰ったと伝えると「ここのスタッフは本当に入れ替わりが少ないんです」と。

居心地の良い会社なのだと思います。

こちらでも1時間半ほどかけて、浴室、トイレなどを見て回りました。

その後クライアントを見送って、大丸へ向かいました。

横断歩道も凄い人で、本当に活気が戻ってきたことを感じます。これでこそ梅田です。

今週も頑張ったご褒美に、夏の風物詩 、ハモを買って帰りました。

辛子酢味噌と梅肉が付いていましたが、ちょっと贅沢に南高梅を買い足します。

この歳になって、より梅干しが好きになったのかもしれません。

シソと梅干し多めで食べるハモは最高に美味しいのです。

鱧の文字通り、豊かな気持ちにさせてくれる関西の味です。

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演
■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開
■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

メディア掲載情報

2021年 暮れは元気にご挨拶‐1865‐

今年も残すところ1日となりました。

毎年そう思うのでしょうが、この2年は特に時間が加速した感じがします。

勝手ながら、私の1年を振り返ってみます。

1月 家康が愛した街、家康が愛された理由‐1760‐

今年の年始は、静岡に寄ってから東京へ向かいました。

長男が東京の大学を目指すと言うので、それなら見るべきだと出掛けたのです。

静岡は敷地調査に寄ったのですが、家康が愛した街です。評論家、谷沢永一は家康をこう評しています。

可愛気の次に人から好まれる素質、それは、律気、である。秀吉は可愛気、家康は律気、それを以て天下の人心を収攬した。律気なら努めて達し得るであろう。律気を磨きあげれば殆ど可愛気に近づくのである。

2月 忠誠のひまわり‐1768‐


中之島の国立国際美術館で開催されていたロンドン・ナショナルギャラリー展へ行きました。

アートは分かりやすくあるべきだと思っているので、ゴッホは大好きな画家です。

ゴッホが花瓶に活けられたひまわりを描いたのは生涯で7枚。そのうち署名が入っているのは2枚だけ。

明るい配色と力強い筆遣いとは裏腹に、ひまわりの花弁は多くが抜け落ちています。
作品の明解さと、作家が不遇の人生が二重構造となり、ミステリアスとも言える魅力を放っているのではないか。それが私のゴッホ評です。

100年以上前のゴッホとゴーギャンの関係は、全て想像の世界でしかありません。しかし研究者の間では、ひまわりは「忠誠」を示すものだと考えられているそうです。

太陽をまっすぐに見つめるひまわりから連想されたものだと思いますが、明るい黄色の後ろに流れる物語としては、これ程切ないものはないのです。

3月 さよなら、青春のSAVAGE‐1776‐

2017年、1987年から30年乗ったLOWEの14フィートを廃船にしました。

今年は、2004年から17年連れ添ったSAVAGE(サベージ)の12フィートを、八尾のサイトウ自動車サービスに引き取ってもらいました。

後日談があります。

結構すぐに買ってくれた人がいたのですが、それを伝えるのをすっかり忘れていたそうです。聞いたのが11月の車検の際でした。

使って貰っているだけで嬉しいのです。

4月 とらわれず、一刀両断‐1786‐

映画「鬼滅の刃」が大ヒットしました。

ちょっとブームにのって柳生街道の天石立神社で一刀両断してきました。

5月 スタディケイションと森の哲学者‐1795‐

なかなか旅行に行きづらい日々が続きますが、ゴールデンウィークは家族で池原ダムへ。

ワーケーション、スタディケーションという建前で、少しゆっくりしてきました。

特別天然記念物のニホンカモシカにも遭遇したのです。


6月 サンワカンパニー産‐1809‐

時々メーカーの方から、商品開発だったり、カタログへのアドバイスを求められることがあります。

6月には大阪発の建材メーカー、サンワカンパニーから相談がありました。

洗面ボールのシガラキは、当社の作品写真が採用されているので、思い入れのあるメーカーです。

7月 楽しむ境地の深さには及ばない‐1815‐

今年の大谷翔平選手の活躍が、メジャーリーグ、野球を変えるかもしれません。

シーズン後には圧倒的支持でMVPを獲得しました。

7月8日、産経新聞のコラムで、藤井聡太棋聖と共に、本業以外にあまり興味がないことが紹介されていました。

大谷は飲みに行くより練習が好きだというし、藤井にいたっては趣味が「詰め将棋」というのだから。持って生まれた才能はもちろんのこと、わき目もふらず一つのことに打ち込むことができる性格と集中力こそが天才を作る。人を育てるヒントになろう。

「楽しむ境地の深さには及ばない」という渋沢栄一の言葉を思い出すのです。


8月 人生はチャレンジ。YOUTUBE始めます‐1822‐

https://youtube.com/watch?v=RnAko4PFtGo%3Frel%3D0

YouTubeをはじめとするメディアの登場で、動画の配信が容易になりました。

この夏、 『建築家・守谷昌紀TV』 をスタートしました。

1本目は、竣工間際の「3つの庭を持つコートハウス」。画質のコントロールがしっかりできておらずでやや粗く……

いまだ暗中模索ですが、新しいことを始める楽しさも感じています。

9月 演出・守谷の想像以上‐1834‐

YouTubeをはじめた理由は先に書きました。

私の仕事はクライアントからオファーがあって、はじめて成り立つ仕事です。

そのクライアントと、どういった関係の中で建物が出来上がっていくか。それも是非伝えてみたいと思っていました。

「おいでよ House」 へは、写真、動画と合せて5回も撮影に協力頂きましたが、お子さんも大活躍してくれました。

で、出来上がった動画がこちらです。

10月 棚田、コスモス、 石舞台‐1843‐

オフィスデザイン&多目的スペースデザイントレジャーキッズたかどの保育園が掲載されました。

自分で言うのも変ですが、とても園児に優しい保育園だと思います。

また、保育園を設計する機会があれば良いなと思っているのです。


11月 1111、いい日オレンジ‐1851‐

6年ぶりに、アトリエmのWebサイトをリニューアルしました。

私が大好きな色でコーポレートカラーの濃いオレンジを全面的に採用しました。

なにより11月11日という日程が、1の4並びで、絶対いい日のはず。

12月 ESSE online(エッセオンライン)でコラムの連載をはじめました‐1858‐

初回はキッチンとパントリーの関係について書きました。

年始に第2弾が公開予定なので、またここでお知らせします。

その後、「あちこちでお茶できる家」にも久し振りに伺いました。自分の作品や設計手法をここまで振り返ったことが無かったので、沢山の気づきがありました。


まとめる、比較することはとても大切だと再認識したのです。


コロナ下の社会になりおよそ2年が経ちました。ここ最近は、世界でも類を見ないくらい感染者数が激減していました。

一方、オミクロン株の感染も報告され始めました。

一喜一憂するなという方が無理ですが、それでも前を向いて生きるしかないのが人間です。

大谷翔平選手、松山英樹選手はスポーツの世界においても、活躍は国籍や人種を問わないことを証明してくれました。ひたむきに生きる若者に、沢山の夢と勇気を貰ったのです。

今年1年、このゲツモク日記ゲンバ日記にお付き合い頂きありがとうございました。 また、『建築家・守谷昌紀TV』 を観て下さった方にも感謝申し上げます。

常に明るく前向きに。2022年も素晴らしい1年となることを確信しています。

■■■ 12月6日『ESSEonline』にコラム連載を開始
第1弾は「キッチン・パントリー」■■■

■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■

■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

最後のピース‐1839‐

この1年半、巣ごもり需要によって、「売り上げが上がったグッズ」などという記事をよく見ました。


レトルト食品、健康グッズ等がその代表格だと思いますが、ジグソーパズルもそのひとつでしょう。

わずかながらですが、我が家も貢献しています。

私は全くしませんが、妻と子供は何枚かにチャレンジしていました。

こちらはディズニーのライオンキングですが、ずっと1つのピースがなく停滞していました。

困っていると、紛失時補てん用の葉書きがついていたそうです。

葉書は1枚しかないので、右からいくつ目、上からいくつ目と、何度も数え直して郵送。

無事、最後のピースが届き完成したのです。

先月から今月にかけて、何度も竣工写真、動画の撮影に出かけていました。

ようやく写真家からそれらが届きはじめましました。

まずは「コンクリート打放し H型プランの平屋」です。

晴れを待って、何度も延期した甲斐がありました。

少し雲があった方がとも言いますが、快晴と打ち放しのコンクリートは非常に相性がよいのです。

こういった限定された空間は、非常にアングルが難しい箇所です。

各個室も同じ。

寝室、子供部屋とも、縦位置の構成になっていました。

和室から光庭を望むカットも縦位置でした。


出来上がりを見れば簡単そうですが、横位置、縦位置を決めるだけでも結構難しいものです。

また、夜景も腕の差がでるところです。

LDKの夕景は、コンクリートの質感が非常によくでています。

庭から見返したカットも内部がよく分かります。

夕食の時間帯につき、奥さんが少し準備を待ってくれていました。

撮影は、多くの協力のもとに成り立っているのです。

写真家は「少しくらい曇っていても、良い建築は、良い写真になりますよ」と言いますが、この青い夕景は、晴れた日にか撮れないカットです。

竣工写真が揃えば、資料をまとめwebサイトに作品が発表できます。

ようやく最後のピースが揃ったと、ほっと胸をなでおろすのです。

明日、明後日、4日後の月曜日も撮影で、最近、天気予報ばかり見ています。

関西においては、幸いにも台風はそれてくれました。

今日も見事な夕焼けでした。

ちなみに、4日後は弥の明後日(やのあさって)と言うそう。

明日、明後日、 弥の明後日も天気にな~れ、なのです。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

■■■ 『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■■

■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載

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幸せの「月と寅と金だらい」‐1837‐

先週日曜日は「おいでよhouse」のオープンハウスでした。

今週月曜日の敬老の日は「コンクリート打放し H型プランの平屋」のオープンハウスでした。

今回は、6組15名の参加がありました。

密にはならない程度に、活気があってとても楽しかったです。

ご主人も案内してくれたのですが「皆さん褒めてくれるのでとても楽しかった」と。

知りたいことと、伝えたいことは一致していないことが良くあります。

むしろその確率の方が高いかもしれません。

私が話すより、住んでいる方の話しの方が価値があるのは間違いないのです。

ホール横にあるクロークなども、質問が多かった場所だと思います。

同じく、水廻りも皆さん興味がある場所。

つい主要な空間の案内に力が入るのですが、こういった空間をしっかり見て貰えるのもオープンハウスのよいところだと思います。

奥さんが、この日も花を活けてくれました。

この花器、ちょっと特徴的です。

仕事先で、上司が「誰かこれいらない?」と皆に声を掛けたそうです。

誰の手も上がらなかったので、それならと頂いた金だらいなのです。

床とはもてなす心を伝える場所で、名器を飾る場所ではないという、利休の心がまさに体現されています。

ステンレスの床板と黒皮鉄板の背景にとても映えていました。

更に、追加の内部の動画撮影までお願いしていました。

概ね天気が良かったのですが、アトリエに帰って観てみると、空は比較的雲が多く外観はもうひとつ。

無理を言って、今日の昼から外部だけ再撮影させて貰いました。

今日は秋分の日。

1年で最も平均的に光が当たる日という言い方もできます。

雲一つない快晴。

庭木のヤマボウシが鮮やかな実をつけていました。

もう思い残すことはありません。

実は午前中に 「おいでよhouse」 の外観も再撮影させて貰っていました。

日曜日であれ、祝日であれ、快晴の空を見ると、いてもたってもいられなくなります。

それで、ご家族にはご迷惑ばかりお掛けしているのですが。

撮影の相談メールを送った際、この写真が届きました。

東向きのハイサイドから月が見えることを発見しましたと。

「夫婦で寅年なので、新築したら信貴山の福寅をお迎えする!」と決めておられたそうです。

「月と寅。カッコいいです(笑)」で結ばれていました。

ただ働くしか能の無い人間ですが、 月と寅と金だらいが私を幸せにしてくれるのです。

「おいでよhouse」 のほうも、また欲がでてきて内部動画のみ再撮影を……

本当にしつこい人間で済みません。

被害にあっているクライアントの皆さん、どうかお許し下さいませ。

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2件続けてオープンハウス開催します‐1829‐

8月最後の土日は、2件続けての撮影でした。

■9月12日(日)大阪市内の 軒が深いから「おいでよhouse」

■9月20日(祝・月)大阪府東部の「コンクリート打放し H型プランの平屋」

詳細は追ってまたお知らせしたいと思います。

撮影はとしては「コンクリート打放し H型プランの平屋」から。


どちらも一度延期していたので、2日続けての快晴は最高に嬉しい天からのプレゼントです。

朝一番に室内に入ると、いきなり新しい家族が出迎えてくれました。

早速撮影開始。

元は旧家が建っていたので、庭は完全に「和」です。

RC打ち放しは、和洋を問わない受け巾の広さがあります。

子供部屋も事務机をうまくコーディネートしてあり、クールで格好いい感じ。

急遽、和室の床に飾る生け花をリクエストしてしまいました。

奥さんはわざわざ生花を買ってきて下さり、てきぱきと活けてくれました。

ステンレスの床に黒皮鉄板を背景にして花が色鮮やか。

わがままなお願いで申し訳なかったのですが、とても豊かな風景になりました。

夜の7時まで、みっちり撮影させて貰ったのです。

翌日は、軒が深いから「おいでよhouse」

その名の通り、お客さんに傘をささせたまま待たせるようなことはしません。

正面の細い部分は、階段とコンパクトな勉強部屋がおさまっています。

道路が北側なので、一番奥の南面したところにLDKがあります。

平面上は16畳ですが高い天井とロフトを備え、数値を越えて気持ちのよい空間です。

ロフトはいつも子供達に大人気ですが、「こんな感じです」と奥さんが写真を送ってくれました。

足をブラブラさせるのは絶対的に気持ちがよいはずです。

ディティールですが、進化したゴミ箱置場です。

25坪の敷地で、どれだけ豊かな空間を提案できるかを考えました。

ご家族の感想を動画で撮るのも初の試みです。

音声がうまく拾えておらず、再度お願いすることになったのですが、ご主人は多少緊張しますねと仰っていました。

ご協力あってこそですが、また 【ゲンバ日記チャンネル】 でお届けしてみたいと思います。

ちなみに人出不足で、長男がアルバイトで手伝ってくれました。

2日続けての撮影は初めてで、かつ動画も撮り、あわよくばコメント撮りもしてしまおうと考えていました。

日曜日の夜は流石に疲れましたが、何とも気持ちよく眠れました。

いわゆる「落ちる」というあれです。

大阪市内の標準的な敷地に工夫した2階+ロフトの木造住宅。

旧家の広い敷地に建つコンクリート打ち放しの平屋。

全く違うアプローチで2つの解を模索しました。

クライアントと創り上げた幸せの景色を良ければのぞきに来て下さい。

■■■ 【ゲンバ日記チャンネル】はじめました ■■■

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女性はキラキラが好き?‐1811‐

 7月に入りましたが、傘マークがずっと連続する天気予報です。

 梅雨らしいと言えば梅雨らしいのですが、妻は洗濯が困るとも。

 男性陣にとっても、多少小休止があると嬉しいのは嬉しいのですが。

  6月末に「ときめく紺色の家」の1年点検に行ってきました。

 昨年の4月、初めての緊急事態宣言が出た頃、こちら現場は工事の最終盤に入っていました。


 大きな荷物を引っ張りながら、不安な気持ちで現場へ通っていたことを思い出します。

 ただ、頬に感じるそよ風や、緑の絨毯となっていく水田を見て、コロナ下の社会になっても、何ら変わらない自然にホッとしたものです。

 少し早めに到着して、まずは外観を1枚。

 もう定点観測のようなものですが、植栽の成長が建築をさらに良くしてくれるのです。

 チャイムを押すと、すぐにご主人が出てきてくれました。

 先日「サンワカンパニー産‐1809‐」でも紹介した玄関タイルです。
 

 2階へ上がると、奥さんが「早起きして、ここから朝日が昇るのをみると、もう感激するんです」と、私達にプレゼンテーションしてくれました。

 朝日の位置を、私がコントロールしている訳ではありませんが、南東角を2面開口にしたのはできるだけ長く朝日を見て貰えるようにです。

 元は寝室だったのですが「ここからの景色が大好きなんです」という言葉は、設計者として絶対に聞き逃してはならない言葉でした。

 LDKに飾られた花。

 サイドボードの写真立て。

 キッチン前のカウンター。

 この空間を十分に楽しんでいるのが伝わってくるのです。

 ご主人は竣工を機に独立されたのですが、初年度の決算が思ったより良かったそうで「思い切って、ダイニングテーブルを新調したんですと」教えてくれました。

 昼からの事務仕事は、工場から戻ってからこのテーブルでするそうです。

 「ここに帰ってくると、毎日テンションが上がるんです」とまで言ってくれました。

 朝日を楽しみ、テンションが上がり、会社の成績が良くなったなら、私から何もいう事はありません。更に良い報告がありました。

 娘さんの結婚が決まったとのこと。
 

 寝室のディスプレイスペースには2着がコーディネートされていました。


 「実は明日、初めて先方のご両親とお会いするんです。で、左にしようか、右にしようか迷ってたんです」と。

 最終的には右にしようかなと仰っていたのですが、そんなビッグイベントにもこの空間が活かされていることを、嬉しく、誇らしく思ったのです。 

 こちらの奥さんも、キラキラが好きな方でした。

 5月に紹介した「Shabby House」にもシャンデリアがありました。

 女性にキラキラ好きが多いのは何故か。

 多分、いつまでもキラキラしていたいからだと思います。

 断定しているのでも、確信がある訳でもありません。

 そうあって欲しいと、私が勝手に思っているだけだなのかもしれません。

 ル・コルビュジエ は「住宅は住むための機械である」と言いました。

 私は「住宅は人生を楽しむ最大の道具」としてみたいと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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サンワカンパニー産‐1809‐

 6月の中頃、サンワカンパニー大阪ショールームの方からメールが届きました。

弊社は来期のカタログで大幅改定を予定しております。
そこで普段から弊社商品をよくご採用頂いているプロの方にカタログに対しての率直なご意見を賜りたく、該当のアトリエm様にご連絡をさせて頂きました。

 クライアントとショールームに行く際は、やはり知識があって感じの良い人を指名します。

 いつもお世話になっている方だったのと、初めに声を掛けてくれたとのことで、引き受けることにしました。

 実際に話しをするのはカタログ製作チームで、そちらに担当が引き継がれたのです。

 一昨日がzoomでの会議でしたが、参加は私を含めて5名。

 リーダーは私と同年代の男性、その他3名は女性でした。

 うち1人がスケジュール調整をしてくれたのですが、以前もやりとりしたことがある方かなと思っていました。

 洗面ボールのシガラキは、当社の作品写真が採用されています。

 やはり、その時にやり取りした方でした。

 「あちこちでお茶できる家」は2012年の完成。 

 シンクが正面にあるキッチンに特徴があります。

 8畳近くある土間は、かなり思い切ったプランとしました。

 奥さんが、いつもオープンにしているというトイレ。

 その横にある洗面ボールがシガラキです。

 「ときめく紺色の家」の奥さんは、カタログを見てレノスに一目ぼれ。

 かつ、付箋の3色を重点的に使いたいというリクエストでした。

 2020年竣工のフルリノベーションですが、レノスをかなり多めに購入して1枚1枚を厳選セレクト

  全ての配置を完全に決めて施工したのです。

 北摂にある「高台の家」は2015年の竣工。

 大阪平野を見下ろす2階バルコニーは、プライバシーが保たれた屋外です。

 1階のキッチンは、ある程度金額を抑えたエレバートEXを採用しました。

 先月竣工した、「コンクリート打放し H型プランの平屋」でもキッチンを採用しました。

 GRAD45は、オールステンレスのキッチンです。

 カタログ上端にある付箋は、プロジェクトカラーで分けられています。

 こうしてみると、かなり採用しているんだなと、改めて認識したのです。

 サンワカンパニーは大阪で創業して41年とのこと。


 2013年のグランフロント開業のタイミングで、大阪ショールームが移転してきました。

 それまでは北浜にショールームがあったのです。

 メーカーからの相談は、何度か経験があるので、参考になるかなと思う資料は準備しておきました。

 少しは役に立てたのかなと思っていた会議終盤、「ところで、はじめはどうやってサンワカンパニーを知って貰ったのですか?」という質問がありました。

 想定していなかった質問で、思い返してみます……

 2011年に相談に見えたクライアントが、サンワカンパニー大好きご夫妻だったのです。

 「8.8坪の家」は、大阪市内の密集した住宅街にあります。

 建物巾は広いところで2.7m、狭い所は2.6m。

 延べ面積19坪たらずの小さな住宅に、豊かな1室空間を実現するのに腐心しました。

 1階はRC壁式構造、何とかインナーガレージ、2、3階は木造の混構造。

 外壁は折半、スキップフロアと、思いつく限りのローコスト案、また苦肉の策を詰め込んだ狭小住宅です。

 ローコスト化の為に内部扉はトイレも含めて4つだけ。

 その全てが、サンワカンパニーのCFPでした。

 道路斜線で切り取られたロフトのような寝室が3階に。

 腰壁タイルも床タイルもサンワカンパニー製だったはずです。

 先述の女性は「あ、○○ですね」と答えてくれました。「はず」と言ったのは、私が設計したのではないのです。

 少しでもコストを抑えるため、タイル自体はクライアントが直接購入。竣工後、知合いと一緒にご主人が自ら施工しました。

 とにかく良くショールームに行ったと聞いていたので、古い資料を引っ張り出してきたら、今もショールームで案内をお願いする方と思しき名前がありました。

 「8.8坪の家」の家は、2012年の12月竣工ですから、北浜時代の一番最後の頃、足しげくショールームに通っていたことになります。

 先日新聞の記事に、プロダクトデザイナー柳宗理さんのアトリエでの会話が載っていました。

 スタッフのひとりが「自転車が欲しい」というと、「作ったら」と答えたそうです。

 私も創り手なので、できれば全て設計、デザインしたいのが本音ですが、それはなかなか叶いません。

 その時、いわゆる既製品をセレクトしていくことになります。

 使い手に響く要素とは何なのか。サンワカンパニーにおいては、ミニマリズムだったり、金額だったり、露出だったりするでしょう。

 もしかすると、大阪本社もあるかもしれません。

 建築家という仕事は、料理人に似ていると良く書くのですが、素材の産地だけにフォーカスしたことは無かったので、今回の件は自分としても面白かったです。

 サンワカンパニーを産地とするなら、水が合うといった感じなのでしょうか。大阪発だけに。

 来春のカタログに、私の意見が何か反映されているのか、いないのか。2022-2023カタログを楽しみにしています。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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奥さんの念願が叶いました‐1758‐

 クリスマスイブの夜、アトリエで仕事をしていると、クライアントからとびきり嬉しいメールが届きました。

 添付画像はこのクリスマスツリー。

 webサイトにUPする前に「ときめく紺色の家」の下書きを送っていました。

 どこまで写真やデータを公開させて貰って良いか相談する為ですが、その返信が以下のものでした。

 守谷さん

 お世話になります。

 奥さんと拝見しました。

 すべて満足していますので、すべてお任せ致します。

 そして、奥さんよりの伝言です。

 添付写真のように、「階段下から見るツリー等々奥さんの念願が叶いました」と。

 また、最近めっきり冬らしくなりましたが、当初懸念していた結露はサッシに少し付着するくらいで全く問題ありません。

その僅かな結露もサッシの外に流れる構造になっているようですし。

 ビフォーと同じくガスファンヒーターを使用していながらです。

 2階が暖かいのです。昼間の暖かさを保温しているようです。床暖房をなしにして良かったと思います。

 後は、将来的に東隣と南東の家が建て替えになるまで朝陽を楽しみたいと思います。

 撮影の候補日を2つ貰っていたのですが、予報が非常に微妙で、寸前まで迷いに迷っていました。

 決行することにしたのですが、実際に青空が出たタイミングは極わずか。

 写真家の冨田さんが、その中で良い仕事をしてくれました。

 午後は雨がパラつくも、夜景も何とかコンプリート。

 全てに恵まれた、秋の一日だったのです。

 メインカットはこのアングルかなと思っています。

 幸せが香り立つようです。

 レコード、バイク、マラソンとご主人は本当に多趣味な方です。

 メールにあった朝日は、この窓から見えるもの。

 以前は寝室があった場所なので、物理的には見えたはずです。

 しかし日々の暮らしの中で、朝食は1階のLDKに降りなければならないので、朝日が見れるタイミングは、かなり限られていたと想像します。

 建築設計だけではありませんが、この「時間軸」というものは、思いの他、様々なことに影響を与えていると感じるのです。

 朝日や夕日は、自然が毎日私達に与えてくれる素晴らしいプレゼント。

 私も一度、ここから見てみたいものです。

 南の建物が隣接している場合は、ハイサイドが良く効いてきます。

 この瓦屋根が見える景色はすこぶる好評です。

 加えて夏の日差しはそこまで入りません。

 ダイニングチェアをくるりと回せば、パウダースペース

 娘さんと2人で仲良く使っているとのことでした。

 撮影日当日、その娘さんの動きが素晴らしく、どれだけ助けられたことか。

 以前なら、スタッフに指示するだけだったのが、人手不足で妻まで連れていくような状況で……

 感謝の気持ちが表しきれない程だったのです。

 また、東西に御陵があるので、風の抜け道を作ってあげると本当に気持ちの良い風が吹き抜けます。

 キーワードのファンキーは奥様から出たもの。

 エントランスはかなり体現出来たかなと。

 サンワカンパニーのレノスというタイルでした。

 そのエントランスから見て右手のピンクは娘さんの部屋。

 ブルーはトイレです。

 大きくはないのですが、その先にある寝室がなかなか面白いのです。

 奥さんが、服と小物をコーディネイトできるよう、ガラスの棚をしつらえました。

 色々なバリエーションを考えることで、長く洋服も着れるとのこと。納得したのです。

 これがビフォーのほぼ同じアングルです。

 外観はこんな感じ。

 1階のLDKはやはり暗く、左の食器棚裏がカビているのも、改善すべき点でした。

 2階中央の洋室は、完全に物置になってしましたが、この上部にハイサイドを穿ち、瓦屋根の見える景色に変えたのです。

 2階の東端にあった「寝室からの景色は好きなんです」と聞き、私の中でプランはすぐに決まりました。

 更に、2階では階段のある中央部が暗かったので、北向きに思いきって大開口を取りました。

 クリスマスツリーは丁度このグリーンの位置に置いてあるものです。

 階段から見上げたクリスマスツリーのある風景。

 こちらもクラアントが送ってくれた画像ですが、ご主人から「奥さんの念願が叶いました」と聞くと、私も幸せな気持ちで一杯になるのです。

 私のクライアントで「どうにもこうにも仲が悪くて」と言う夫妻は勿論居ません。

 しかしその中でも飛び切り仲のよい、ポジティブなご夫妻でした。

 創り手がどれだけあがいても、幸せの景色は、溢れる愛情がなければ絶対に実現しないものです。

 私にとっても、最高のクリスマスプレゼントになりました。

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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誰かに届け、この景色‐1748‐

 今年の2月末に解体がスタートした「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」

 竣工は6月末で、まさにコロナ下の社会に突入して行くなかでの工事でした。

 片付けや植栽もあるので、撮影は秋にしましょうとなっていました。

 女心と秋の空と言いますが、今回ほど寸前まで予報コロコロと変わったのは初めて。

 しかも、4社あれば予想が晴れ、曇り、雨とバラバラ。

 中止するか前日まで迷いましたが、昨日は昼前まで晴れてくれ、何とか成立させることができました。

 前面道路が抜け道になっていて、兎に角人通りが多い。

 洗濯を干しながら、通りがかる知人との会話も楽しいと聞いていましたが、洗濯干しは背面に移動しました。

 少し腰壁を高くし、ある程度プライバシーを確保しています。

 1階にあったLDKから西にある道路方向を見た写真です。

 この位置には寝室を配置し、奥さんのコーディネイトエリアにしました。

 ガラス棚の上に、バッグなどの小物を置いて相性をチェックする為のもの。

 ご主人は、このチェッカーガラス越しの景色も気に入っているとのことでした。

 メインカットは、2階のLDKです。

 まずは人物無しで撮りますが、ご家族の興味の持ち方が凄いのです。

 撮影にこれだけ興味を持って貰ったなら、写真家も力が入るはずです。

 今度は人物あり。

 ご主人には趣味の自転車を触って貰いました。

 この位置は元寝室でした。

 初めて下見に来た時、ここからの眺めは抜群でした。

 開口部を寄せ、かつFIXと組み合わせました。

 東向きで「御陵から日が昇る景色は凄いですよ!」とのこと。

 日々の暮らしに、ドラマティックな風景を織り込めたのならとても嬉しいのです。

 午前の部が終わり、歓談する奥さんと娘さん。

 南のハイサイドがとっても良いと言って貰いました。

 空と瓦屋根しか見えない贅沢な景色で、ここから見える月も素晴らしいとのこと。

 誰にも気遣いなく開ける窓は、3倍の価値があると思っています。

 LDKを2階に上げ、中央部にハイサイドで採光を取るというプランは、初めて下見に来た時から決めていたと思います。

 今度は夕景の部の撮影ですが、今回は娘さんの活躍が凄かったのです。

 「ソファのクッション、違う色のほうがいいですか?」

 「あの鏡に写りこんでいるの大丈夫ですか?」

 写真は撮り直しが効かないので、かなり助けて貰いました。

 写真家が準備してくれたモニターを、ずっと食い入るように見ています。

 思わず「お仕事変えてみます」と言ってしまったくらいですから。

 撮影の日は朝早めに行くのですが、以前と違う車が止まっていました。

 新たに購入した車は、外壁に色を合せてくれたのです。

 車ありも考えましたが、そこは建物優先の構図にさせて貰いました。ただ、その気持ちが嬉しいのです。

 計画名に「ときめく」と入れました。

 この玄関タイルはサンワカンパニーのレノスというタイルです。コーディネイトエリアやLDKのパウダーコーナーと共に、全て奥さんからの発信です。

 とてもセンスの良い直感タイプの方で、できるだけ押しつけはしないよう心掛けたつもりです。

 竣工写真の納品は3週間先ですが、コンタクトシートを見る限り、かなり良い出来栄えでした。

 2019年の3月に現地調査に伺った際、一日仕事になりました。

 「もしカレーで良ければ」と夕食を出して下さったのです。

 カレーもサラダもとても美味しかったのですが、スプーンとお箸の敷物に、心遣いとセンスを感じました。

 人柄も含めて、この時点で計画の成功を私は確信していました。

 私の仕事の場合、どこまでを同業者と呼んでよいか難しいところですが、建築業界全てなら、かなりの同業者が居ることになります。

 いつも思うのですが、自分の思う立ち位置と建築関係者の評価はかけ離れています。

 特に、アワードだったり、建築家同志だったり、アカデミックな評価は無に等しいと言っても良いほどです。

 しかし、クライアントの方々はどこかで私達の仕事を見掛け、オファーしてくれます。

 最も求められる建築家を目指してきたつもりですが、その差は驚く程大きいのです。

 人の評価は常に1/10

 そう教えて貰ってから、それならイメージの10倍の結果を出すまでと、躍起になって働いてきました。

 アワード等で落選するとがっくりきますが、こちらのクライアントのような人達と仕事ができると、「やはり間違っていない」とまたギアを入れ直すのです。

 誰かに届け、この幸せの景色。

 そう願い、勤労感謝の日も働きます。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
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口から出てしまってるやん‐1747‐

 近鉄は日本最長の路線をもつ私鉄です。

 伊勢志摩あたりの景色も素晴らしいですが、奈良線が生駒山を登っていくあたりも見逃せません。

 大阪側の最後の駅が石切。

 大阪平野が一望でき、なかなかに見応えがあるのです。

 グランフロントもクリスマス商戦に向けて準備完了といったところでしょうか。

 しかし今日は夏日という報道もあり、盛り上がるにはもう少し冷え込みが必要かもしれません。

 北館一番奥にある、サンワカンパニーのショールームへ行ってきました。

 グランフロントに出店する前は、北浜にショールームがありました。

 洗面とタイルには特徴がありましたが、現在とは比べものにならないくらい小さなものでした。

 現在この大きさになったのは、多くの支持を集めた結果です。

 今月の初め、かやしま写真スタジオOhanaが、土地の収用で移転計画をしていると書きました。

 計画は着々と進んでおり、カメラマンの石井さんと水廻り機器を見にやってきたのです。

 水栓だけでこの数。

 洗面ボールも硬軟織り交ぜて、選択肢が豊富です。

 水栓を実際にあてがえ、イメージをつくりやすいですし、「来て楽しい」がとても大事なのです。

 この日案内してくれたスタッフの女性も、非常にホスピタリティが高く、気持ちよく見て回ることができました。

 洗面の寸法を聞くと、すっとiPadで出してくれました。

 物が良いことは最重要ですが、人によって印象は大きく変わるものです。

 中央の吹き抜けにお目見えしたのは、バルーンのクリスマスツリーでしょうか。

 下に降りて撮ってみようということになりました。

 石井さんは普段からニコニコしている人ですが、カメラを構えると顔つきが……ということもないのですが、やはりプロです。

見下げたときの写真の特徴、見上げたときのアングルの良さなどを、言葉で明確に説明してくれます。

 あおって撮っていたので、私も真似してみました。

 本当はもっとあおっていたと思いますが、やはり印象は変わるものです。

 竣工写真だったり、雑誌取材だったりと、プロのカメラマンと接する機会が多く、どんなアングルで撮っているかはいつも見ています。

 これをアングル泥棒と言うのです。

 そのまま他メーカーで、トイレも見てきました。

 最近発売になった海外物が展示されており、値段もなかなかですが、確かに美しいのです。

 石井さんが一度試しに座ってみました。

 すると「んっ、ちょっと大きいかな」と。

 改めて国産物に座ると「大きさも、足の置く位置もこっちの方が好きかな」と。

 完全に個人の感想ですが、思ったことをすぐに行動できるところが、石井さんのストロングポイントだと思います。

 映画『東京物語』などの監督で知られる小津安二郎。

 昭和30年代、晩年の小津が仕事場とした「無芸荘」が蓼科高原に残っています。

 どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う。

 よく引用される言葉ですが、簡単ではありません。

 芸術の定義は色々ありますが、「人を感動させることができる可能性があるもの」という説を私はとっています。

 人を感動させたい、だけれども従うのは自分。

 これを掘り下げていくと、人と自分がかなり近い存在でなければなないのです。

 この日のショールーム回りは奥さんも同行してくれました。

 石井さんが「僕はすぐに顔に出てしまうタイプだから」と言うと、すぐに奥さんがこう返しました。

 「顔じゃなくて、もう口から出てしまってるやん!」と。

 嫌だなあと思ったら、お客さんの前でもすでに口から出てしまっていると。

 3人で大笑いしていたのです。

 お互いもう50歳。

 それが良いのかどうか分かりませんが、自分に嘘がないのは芸術家の証しだと思うのです。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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