タグ別アーカイブ: ガウディ

ガウディ建築に見るステンドグラスの魅力‐1896‐

先日、中之島にちらと寄ってきました。

中央公会堂に続く道の脇に植わっているのはベニカナメモチでしょうか。

真っ赤なラインで導いているようです。

難波橋を南に渡ると北浜です。

大阪証券取引所に入ってみます。

クライアントが「あのステンドグラスを見て、取り入れてみたいと思ったの」と。

何度か来たことがありますが、まじまじと見たことが無かったので立ち寄ってきたのです。


また、「サグラダ・ファミリアのステンドグラスがとても良かった」という話にもなりました。

ミラノから電車でバルセロナに入ったのは2012年の8月でした。

2週間弱で、イタリアを縦断し最後の目的地がバルセロナという強行軍でした。

アントニ・ガウディの建築群をみるのを、とても楽しみにしていたのです。

サグラダ・ファミリアの内部に入ると、バルセロナの強い日差しが一転します。

ステンドグラスを通して、穏やかになった光が有機的な建築に透過してくるのです。

高さを求めた教会建築は、更に高い位置の開口部も求めました。

抑えの効いた色鮮やかな光が、人々を非日常の世界へと誘ったのです。

世界中から観光客を惹きつけるガウディの建築ですが、バルセロナ郊外に隠れた傑作といわれる教会がもうひとつあります。


コロニア・グエル教会です。

タイルのトカゲで知られるグエル公園にも名が冠されているように、ガウディのパトロンだった、エウセビオ・グエルの命によって出来上がったものです。

最終的には、サグラダ・ファミリアのような塔もそなえる予定でしたが、1階部分だけで計画は中止となりました。

それでも傑作といわれるのは、ダイナミックで、プリミティブともいえるこの空間がもつ圧倒的な迫力です。

ステンドグラスも、サグラダ・ファミリアが都会的なセンスを感じさせるものとすれば、原始信仰に近いようなおどろおどろしさ、わかりやすさを感じます。

全く異なる、しかし同じ息吹を感じさせる作品を、多く残したことは、ガウディが天才たるゆえんだと思います。

ステンドグラスの魅力を再確認したのです。

そのクライアントは、「グニャグニャしたお家も、はじめは興味なかったけど、実際にみると凄くいいの」とも。

カサ・ミラのことだと思いますが、世界遺産は伊達ではなかったようです。

ステンドグラスのことを書こうと、イタリア・スペインの写真をピックアップしていたのですが、、何と言うか、もう居ても立っても居られない気持ちになりました。

海も湖も雪山も大好きですが、一番好きなのは旅なのだと思います。

知らない街に降り立った時のあのワクワク感。それを上回るものは私にはないようです。

少しづつですが、その時は近づいてきたでしょうか。

今すぐにでも飛行機に乗ってどこかへ飛んで行きたい衝動に駆られるのです。

最後に。

『ESSE-online』 のコラムですが、第6弾 「リビング学習」 が月曜日に公開されていました。

かなりの力作なので、良ければ読んでみて下さい。勉強が好きになる間取りが5例載っていますので。

■■■ 『ESSE-online』にコラム連載■■■

4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞■

■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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どんな街も一目千軒、一目千夢‐1484‐

 近鉄特急で行く小旅行も、今回で4回目になりました。

 第1弾は名古屋城とひつまぶし。第2弾は、ジュゴンの居る鳥羽水族館。第3弾はテレビ塔に感激し、名古屋人の意気地を知ったのです。

 昨日は、鶴橋から乗ってみました。

 片道2時間半の電車旅。それはそれで貴重な時間です。

 今回は志摩スペイン村のパルケエスパーニャへ。

 大阪市立の小学校は、修学旅行がここになっており、長男から「楽しかった」と聞かされ続けていたのです。

 フェイスペインティングは500円と良心的。

 何より、近鉄特急とセットになっているチケットが、破格と言ってよい値段です。

 電車代だけでこの金額を超えており、利益があるのか心配してしまいます。

 ペイントのあとは、ジェットコースターへ一目散。

 こちらのジェットコースター「ピレネー」は、吊り下げ式タイプです。

2月のUSJ行きで、ジェットコースター卒業宣言をしました。

 しかし、今回は父娘2人旅。再度付き合わされることになってしまいました。

 振り回され、ひっくり返され、揺さぶられで、またも完全ノックアウト。その後は1人で乗ってもらいましたが。

 ストリートミュージカルという出し物があったのですが、これらは南国のお祭りムードを盛り上げます。

 もう少し観客が多いと、パフォーマーも遣り甲斐があるのでしょうが、全体的に人は少なめでした。

 アトラクションはどこもそれほど変わりないので、この園の特徴を少し。

 パルケ(=パーク)+エスパーニャ(=スペイン)なのでスペインの公園という意味です。

 建物はレンガ造りだったり、塗り壁だったりと、しっかり造りこまれ、好感がもてます。

 田舎街を再現しているエリアも良い感じです。

 建物だけで、南欧の気分になれるのだから不思議なものです。

 園の中央にある建物はアントニ・ガウディ風。

 子供用ジェットコースターのデザインもどこかで見たことがあるような……

 こちらもガウデイが設計した、バルセロナのグエル公園でした。

 スペインは2012年の夏に訪れました。

 ガウディ設計のサグラダ・ファミリアは、100年を経た今も建築中。

 また、カサ・ミラ風はみることがあっても、ここまでの建築は他で見たことがありません。

 これだけ有機的な建物をつくるには、多くの時間、お金、職人が必要です。

 また、一歩裏路地に入ると、突き出した洗濯物が見えます。

 これはこれで、街の心地よい風景です。

 知らない街を歩き回ることは、野外へ出掛けることと併せて、私にとって人生の両輪です。

 あるインタビューで、「なぜバックパックの旅が好きなのか」と質問がありました。

 街は建物の集合体です。建物が草木のように勝手に生えてくることはありません。

 思い入れの差こそあれど、誰かの夢や希望の産物です。

 「一目千本」は桜の名所、吉野を指しますが、どんな街も「一目千軒、一目千夢」と言えるかもしれません。

 誰かの夢を見渡しているのだから、ワクワクしない訳がありません。

 あるクライアントが、「僕は人がつくったものが好きなんですよ」と言っていました。

 本、絵、音楽等なども同じでしょう。人の考え、夢や希望に興味があるのだと思います。

 この園では、スペインの文化についても色々な展示がありました。

 長くなってしまったので、また機会を改めて紹介してみたいと思います。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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バルセロナとガウディ

 先ほど関空に戻りました。

 旅の目的にあったのが、ガウディとスカルパ。少しガウディに触れてみたいと思います。

 アントニ・ガウディは1852年、銅器職人の子供として生まれました。16歳の時、建築を学ぶためバルセロナに移り住み、栄光の人生がスタートします。

 26歳の時、パトロンとなるグエルと出会い、その才能がいかんなく発揮されて行きます。3日間のバルセロナ滞在中出来る限り、作品を見て回りました。

 その建築は言わずと知れた有機的なフォルムが特徴です。しかしそれらが、構造的挑戦から生まれた過程を、見る事が出来ました。

 これらも、また整理したいと思います。私もそうですが、バルセロナにはガウディの建築を見るため、世界各国から多くの人が押し寄せます。

 ピカソ美術館、ミロ美術館、ガウディのライバルであった、ドメネク・モンタネールのカタルーニャ音楽堂、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナパビリオン等、見所は数あれど、やはり彼抜きには語れません。

 ガウディは73歳の時、この街の市電にひかれて亡くなります。しかし、その街で100年を超えてサグラダ・ファミリアは建築中という事実に、建築家、前川國男の言葉を重ねてみたくなります。

 「人は儚いものだから、せめて建築に永遠を求める」

 ヨーロッパの街並、通りの美しさが印象に残りました。しかし、私の仕事場は日本です。今日からまた、日々の葛藤が始まります。

 旅日記はまた追々。

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■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日)「匠」として出演しました

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