タグ別アーカイブ: アジ

だって人間なんだもの‐1724‐

 日曜日は早起きして、名神、北陸道を北へ走ります。

 日の出は、八日市あたりだったでしょうか。

 8月も下旬に入ってくると、無性に海に行きたくなります。急遽時間ができたので出掛けることにしました。

 ただ、子供達は用事があって難しいと。

 妻と二人になったのですが、段々とそんな機会も増えるのでしょう。

 2時間半くらいで、敦賀半島の先端までやってきました。

 第5の故郷くらいに思っているのですが、調べてみると3年振りでした。

 これだけ開いたのは初めてだと思いますが、海水浴場はコロナの影響でか閉鎖中。

 港にもロープが張られ、船も少なくなっているよう。

 今回の影響なのか、それとも漁師が減ったのか……

 最年長の友人に会いに来たのですが、船も陸に上げられたままでした。

 夏の週末に来て、居ないことなど皆無でしたが、車も見当たらず。どうやら本当に不在のようです。

 連絡せずに来た私が悪いのですが、夏、赤銅色のオッチャンに会えないのはやはり寂しい。

 海用のボートを2017年の12月に処分したので、今回船は無し。

 オッチャンも居らずで、沖に出れないのは寂しいですが仕方ありません。

 少しだけ釣りをすることにしました。妻はサビキです。

 ちょっと撒き餌をすると、水面を割ってアジが餌を奪い合います。

 ただ、釣るのも簡単かと言えばそうでもなく、暑い中、何とか夕食分だけは確保。

 ここを出たのです。

 青い空、緑の山、白い砂浜に澄んだ海。

 ここより美しい海を私は知りません。

 早くに出たので、敦賀半島をぐるっと回りました。

 海水浴場の駐車場は閉鎖しているところが殆ど。

 ただ開けている駐車場もあり、このあたりは二分されているようです。

 海に来れば、釣って潜って食べてと、一日目一杯遊ぶので、「敦賀」という街をゆっくり回ったことはありません。

 名勝、気比の松原も初めてだと思います。

 人は少な目で、のんびりとしたムードですが、海の美しさは先の浜の方が上でしょうか。

 子供達も待っているので、夕方には大阪も戻りました。

 獲物は少な目ですが、喜んで食べてくれたのです。

 小さい頃から散々通った浜ですが、一番良く来たのは大学時代だと思います。

 色々な友人を連れて、7月、8月、9月に8回くらい来た年もあります。

 何度も来た理由は、まず多くの人が海の美しさに感激してくれること。

 そして、自分達で獲った獲物での食事がをとても楽しんでくれることだったと思います。

 原始の生活に戻ることはできませんが、そもそも、自分で獲って食べることは最高に楽しいのです。

 ただ、野外遊びは準備が肝心で、10年前くらいからなかなかそれも叶わなくなりました。

 一番その面白さや、自然の美しさを伝えたい自分の子供に、その醍醐味をあまり伝えてやることが出来ず……

 この点が唯一の心残りなのです。

 今回は、長男は週明けにテストがあると、娘はそもそもあまり海が好きな方ではなく、丁重に断られてしまいました。

 長男に、「お父さんは、美しい海や湖をみるとワクワクするんだ」と伝えると、「僕も好きだけど、ちょっと怖いかな」と。

 私はこんな景色をみると、どんな獲物が居るんだろうと思うのですが、長男は不安が先に立つと言っていました。

 生物は海が生命の源なので「好き」が大前提だと思っていましたが、親子でもこれだけ違うのは面白いところです。

 「好み」や「好き」は他人がコントロールすることはできません。ただ、知らない人を「好き」になることは絶対にありません。

 そう考えると、「見る」「好き」「遣り甲斐」はかなり親密な関係にあると言えそうです。

 親が出来ることは一番前の「見る」機会を増やすことだけです。

 子供にどれだけ忙しいと言われても、自分が忙しいと絶対言わず、行きたくなるプランをプレゼンテーションし続ける。これが私の理想です。

 ただ、「私も行きたい!」というポイントは外さないのが大方針なので、理想的な親ではないかもしれません。

 それでも良いのです。だって人間なんだもの。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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明石海峡に、日本一のタコとゴミ問題をみる‐1500‐ 

 土曜日は、父の船で海へ出ていました。

 朝焼けの岸和田から出船し、走ること1時間半。

 明石海峡大橋も超えて、東二見沖までやって来ました。

 この時期、明石ダコがピークを迎えます。

 タコの釣り方は色々ありますが、大きく分けて2つ。

 1つは、エギやタコジグなどの疑似餌での釣り。

 早速タコジグで、父の友人が初めの1杯を上げました。

 続いて父、私にも。

 私はテンヤという針付きの台にイワシをくくり付けたものを使いました。

 タコは本当に好奇心旺盛な生き物で、色々な釣り方があるのです。

 速い潮流に流されないよう踏ん張るため、筋肉質で美味しいと言われる明石ダコ。

 太く短い足が特徴で、立って歩くと言われます。

 しかしこの日は後が続かずで、海峡付近まで移動してきました。

 淡路島の北端あたりは、本当にのどかな風景が続きます。

 西日本豪雨の間、通行止めだった明石海峡大橋も通行が再開され、多くの往来が見てとれます。

 この橋が完成して20年経ちますが、橋の北と南でこれだけ風景が違うことに驚き、またほっともするのです。

 釣りのほうは、淡路島の東岸を流しながら南下して行きます。

 淡路夢舞台の建築群は、安藤忠雄の設計です。

 左はウェスティンホテル、右が百段苑。100の大きな花壇が幾何学的に配置されています。

 コンセプトがシンプルで誰にでも分かりやすい、そして心に残る。それが、安藤が時代に愛された理由でしょう。

 そんなことを考えながら、ガシラを10匹ほど追加。

 そしてアジも数匹。

 本当に暑い一日で、午後2時には納竿して岸和田へ向かいました。

 家に帰ると、妻が熱中症気味だというので、久し振りに獲物をさばきました。

 料理好きの娘も手伝ってくれ、まずはタコを塩揉み。

 アジは刺身にしました。

 明石ダコは、完全な生とさっと湯にくぐらせたもの。

 日本一と言われるだけあり、一瞬で売りきれました。

 私の釣った小さいアジは、写真を撮ったあと跳ねて逃げてしまいました。

 アジに目がない娘のために、父の友人が一番大きいものをプレゼントしてくれたのです。

 夏だけ魚をさばく季節料理人なので、見栄えのほうは勘弁してもらい……

 味のほうは問題なしで、一瞬で娘が平らげてしまったのです。

 この日は豪雨の影響で、多くのゴミが浮いていました。

 明石海峡あたりが、真水を多く含んだ濁った水と、太平洋の海水の境となっているようです。

 潮目には多くのゴミ、流木が集まり、ゴミ袋が針に掛かって上がってきました。

 被災地のゴミ問題は深刻です。

 また、今日の新聞にも載っていましたが、こういったプラスチック系のゴミ問題は、より深刻に受け止めなければなりません。

 マイクロプラスチック(微細なプラスチック片)が、海洋生物の中に取り込まれ、蓄積、濃縮され、最終的には人に害を与えます。

 ゴミのポイ捨て、タバコのポイ捨てを見た時ほど、憂鬱な気分になることはありません。

 自分の家に持ち帰り、ゴミ箱に捨てる。

 たったそれだけの事を出来ない一部の人が、未来の子孫に、いや、たった今も、害を与え続けるのです。

 石油製品という、安価と便利をもたらす発明が、一部の美意識のない人によって害を与える。

 この構図を何とかする方法はないのかと、歯ぎしりしたくなります。

 スターバックス、マクドナルドと、プラスチック製のストローを廃止すると発表しました。

 その判断のように元を絶つしか方法はないのでしょうか。
 
 何れにしても、一刻を争う問題として世界全体で取り組むべき最重要課題です。

 ゴミには、その人の全てがでるのではと思っています。

 ゴミを美しく捨てると、幸せが近付いてくる。

 そんなメルヘンチックな言葉では、何の解決策にもならないでしょうか。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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いちばん小さな海‐1479‐

 前回は、仕事のことを書きました。

 今回、次回はゴールデンウィークモードでいきたいと思います。

 久し振りに父の船で釣りに行ってきました。

 大阪湾と友ヶ島の間にある紀淡海峡。潮流が速く、魚も豊富です。

 岸和田から出船し、1時間程かけてやってきました。

 今回は、父、私、娘、弟、甥っ子の5人で釣行です。

 小5の子供が2人なので、いわゆるファミリーフィッシング。

 確実に釣れる、根魚狙いです。

 娘も釣りは久し振りですが、早速ベラを釣り上げました。

 ベラ、ガシラが飽きない程度にポツポツと上がってきます。

 甥っ子は子供たちの中で一番の釣り好き。マイロッドまで持っていました。

 2人で楽しんでくれたなら何よりです。

 今回一番大きい魚は私の釣ったアジ。

 40cmくらいでしょうか。

 で、夜の食卓へ。

 船上で父が〆てくれたので、身が引き締まって歯ごたえが別次元。

 娘はアジの刺身が何よりも好物で、その歯ごたえを満喫していました。

 ガシラとベラは、から揚げに。

 淡白な白身に旨みが増すので、私この食べ方が一番好き。

 開高健は「顔のヘンな魚ほどうまいものだよ。人間もおなじ。醜男、醜女ほどおいしいのだよ」といいました。

 こんなことを書くと、ガシラとベラが夢にでてくるかもしれません。

 肉より、魚のほうがいい年齢になりましたというか、なってしまったというか……

 これも豊かな海の恩恵です。

 生命はこの海から40億年前に誕生しました。最後は、ちょっとロマンティックに締めたいと思います。

 なみだは人間の作るいちばん小さな海 -寺山修司-劇作家

 全ての源である母なる海。ひととき波間を眺め、心静まるのを待ちます。

 私の体の中にも海があるのです。

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