タグ別アーカイブ: つかこうへい

2016年 暮れは元気にご挨拶‐1338‐

 昨日で役所も御用納め。

 しかし今日も現場は動いています。午前中は「北摂の家」の現場へ行ってきました。

 建築と農作業は似ていて、一足飛ばしが出来ません。よって年末年始は正直堪えます。

 しかし土曜休みなどないのが職人の世界。たまの休みには英気を養ってもらいましょう。

 2016年の日記も今日で最後。1年間を振り返ってみます。

1月 日に新た‐1235‐
 01

 2014年9月27日に噴火した御嶽山。

 麓のスキー場で年明けを迎えました。

 今年のテーマは「日に新た」。本田宗一郎の言葉です。

02-2

2月 とどめの一撃‐1247‐

 芥川賞の選考委員をしていた作家・開高健は受賞作を選ぶ基準をこう表現しました。

 その作品に『鮮烈な一言半句』はあるか?

 「クー・ド・グラース(とどめの一撃)」とも表現しています。

 「高台の家」で、私が目標にしていた、賞をとることは出来ませんでした。再度、戦いを挑む覚悟です。

03-2

3月 朝焼けの中で‐1259‐

 3月27日(日)は、「SEIUNDO」の写真撮影でした。

 深夜0時まで夜景を撮り、仮眠をとって5:00amから撮影再開。

 写真家は、何時であろうと最高のカットを求めます。

04-1

4月 火の鳥のように‐1265‐

 4月14日(木)21時26分に熊本で最大震度7の地震が発生しました。

 しかし、火の国・熊本。不死鳥のように蘇ると信じます。

05-3

5月 枯れて石庭、燃えて金閣‐1275‐

 観光シーズン真っただ中の金閣寺。

 夕日を受けて黄金の軒裏が、池からの反射を受け輝いていました。

 5月には『住まいの設計07・08月号』の「阿倍野の長屋」が掲載。

 3月にも『住まいの設計05・06月号』に、「滋賀の家」が掲載されました。

06

6月 10年待てば必ず実がつく‐1281‐

 弁護士・宇都宮健児は言いました。

 1年2年じゃ花も咲かなきゃ芽もでない

 でも10年待てば必ず実がつく

07

7月 積年の澱‐1289‐

 熊本地震の被災地支援活動に、初めて参加しました。

 建築の専門家として、これらの活動に参加できていなかったことが、常に引け目としてあったのです。

08

8月 フィンランドの旅① -ヘルシンキ、ユバスキュラ編 -‐1299‐

 憧れの建築家、アルヴァ・アアルト。

 作品群をみにフィンランドへ。25年来の恋人は、私の想像より美しく、逞しいものでした。

09

9月 近鉄特急で行く名古屋の旅‐1309‐

 名古屋と言えば、櫃まぶし。

 娘との2人旅でした。

10

10月 一滴のしずくが川となるように‐1321‐

 10月末、『住人十色』「阿倍野の長屋」を取り上げてもらいました。

 快く出演を引き受けてくれたクライアントこそが、私達の一番の強みなのです。

11

11月 さらば、緑のディスカバリー‐1327‐

 5年半乗った、休日の相棒とお別れしました。

 建築も車も物ですが、機能という血管に、愛情という血液が流れだした瞬間、心が通い始めるのです。

12-1

12月 大阪の宝‐1333‐

 織田作之助は、大阪人を「紋切型を嫌う、永遠の新人」と言い表しました。

 私も大阪人のはしくれ。その意地をみせたいと思います。

 日曜日の新聞に、俳優・風間杜夫の記事がでていました。

 「鎌田行進曲」などで、その才能を発掘してくれた演出家・つかこうへいはこう言ったそうです。

 「舞台ではおまえの幼児性も正義感もストイシイズム(禁欲主義)も一緒くたに出せ!」

 人間はひと色ではない。この役はこうだと決めつけず、役の中に何色も塗り込んでいく。

 風間杜夫は、役者を最高にかっこよく見せてくれるつかこうへいを指して「こういう人を天才というのかと思いました」と言っていました。

 リーダーとして、身につまされる思いがします。

 ひとりで出来ることは限られている。人はひと色ではない。

 今年最後の自戒の言葉にしたいと思います。

 今年一年、この日記、並びに現場日記にお付き合い頂き、本当に有難うございました。

 来年も素晴らしい一年となることを確信しております。

 2016年12月29日 守谷昌紀