タグ別アーカイブ: 香川

子供も楽しくなければアートじゃない‐1372‐

 先日の墓参りと合わせて、香川県の豊島(てしま)へ行ってきました。

 「ベネッセアートサイト直島」のwebサイトには、直島、豊島、犬島を舞台に、展開しているアート活動の総称とあります。

 この活動が始まってから、島を訪れたのは初めて。

 岡山県の宇野港から高速船で25分ほどですが、ちょっとした船旅が旅情をもりあげてくれるものです。

 豊島は周囲20km、人口900名の自然豊かな小さな島です。

 1970年代には不法な産業廃棄物の投棄が社会問題になりました。

 島の北西、家浦港のすぐそばにある「豊島横尾館」。

 画家・横尾忠則の美術館ですが、到着時にはまだオープンしておらず、今回は残念ながらパス。

 島の南側に移動して、まずは「遠い記憶」という作品から。

 廃校の中央を、窓で作られたトンネルが貫きます。

 木製建具で出来たトンネルが、訪れる人たちの記憶を呼び戻すのか。

 「心臓音のアーカイブ」という変わった作品もありました。

 海沿いに建つこの建物の中には、真っ暗な部屋があります。

 そこで世界各国の様々な人の心臓音が鳴り響くのですが、子供たちにはちょっと怖かったよう。

 アートは観る人に全て委ねられるものなので、解釈は常に自由です。

 島の北東にある唐櫃港エリアまで移動する途中、海に飛び込んでいくような坂道があります。

 電動自転車を借りている人が多く、西も東も多くの外国人が写真を撮っていました。

 一番小さい24インチが娘にはちょっと大きく、私たちはレンタカーにしましたが。

 島の中央は山になっているため、棚田が多くみられます。
 

 それらを通りすぎると、山の斜面に「豊島美術館」が見えてきました。

 水滴をイメージしたデザインで、右の大きなものが美術館、左の小さなものがショップです。

 ショップの前を通り過ぎ、海を見下ろす小道がぐるりと巡らされ、美術館に導かれます。

 撮影は入り口まで。内部は撮影禁止でした。

 中に入ると、白いシェル状の空間に、2つの開口が穿たれています。

 そこにガラスなどは入っておらず、直接日の光が差し込み、風が流れるのです。

 床には、1mm程の小さな穴が多数あり、そこから少しずつ水が湧き出してきます。

 それらは、概ね光の差す開口部の下へ向かって、ゆっくり、ゆっくりと、緩い勾配にそって集まっていきます。

 来場者は、座ったり、寝転んだりして、その様を静かに見守るだけ。

 いくつかの水滴が集まっては動き出し、そしてまた止り。

 離合を繰り返しながら、ゆるゆると動く水滴が、アートとなることに感動します。

 美術館に行こうというと、いつも「え~」という子供たちも興味深々で、飽きることなくかぶりついて見ていました。

 これらはアーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛がコラボレートしたもので、建築、空間の全てが作品です。

 ショップも西沢立衛の設計。

 こちらは撮影可能でした。

 天窓の大きさこそ違え、シェルの中に光が差す様は同じく美しいもの。

 もっとも、こちらの開口部にはアクリルガラスが入っていましたが。

 産廃問題でうけた痛手を、アートの力で応援しようという試みは、成功しているといえそうです。

 西沢立衛は、自らの師である妹島和世とSANAAを共同設立し、2010年には建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞しました。

 2010年には、中辺路美術館を訪れました。

 1998年の完成で、SANAAがはじめに手掛けた作品です。

 金沢21世紀美術館は2012年のゴールデンウィークに訪れました。

 プールの中に入り水面を見上げるという作品、レアンドロのスイミング・プールは子供にも凄い人気でした

 誤解を恐れず言えば、これまでの成長時代、押しの強いアーティスや建築家が結果を残してきた気がします。

 しかしSANAA自体が自らの師とのユニットで、コラボレーションといえます。

 認め合えれば、自らの弟子とユニットを組む妹島和世の度量も凄いのですが、これからの高度情報化社会では、全ての分野に置いてボーダレス化が進んで行くはずです。

それを最も体現しているのがSANAAだといえます。

 コラボレートといえば聞こえはよいですが、調整、集約、決断と簡単ではないことが想像できます。それらを含めて、実現力が問われる時代なのだと思うのです。

 人は生まれながらに「真・善・美」を求めるといいます。

 中でも「美」ほどあやふやなものはありません。

 子供にあれだけ興味をもたせる作品を創り上げた、内藤礼と西沢立衛の仕事に脱帽しました。

 これまでに、子供たちも、ゴッホ、カンディンスキー、岡本太郎は十分楽しんでいました。 

 面白くなければ、感激できなければアートに意味はありません。彼らこそ、本物の現代のアーティストだと思うのです。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■■■5月14日(日) 1:00pm~3:30pm 丸善<京都本店>にて
「無料相談会」に参加■■■

【News】
■3月25日『大改造!!劇的ビフォーアフター』朝日放送(ABC)「住之江の元長屋」再放映■
■10月29日『住人十色』毎日放送(MBS)「松虫の長屋」放映■

『建築家カタログ2016』8月29日発売に「遠里小野の家」掲載
『住まいの設計07・08月号』5月21日発売に「松虫の長屋」掲載

『homify(中国)』4月9日「住之江の元長屋」掲載
『homify(韓国)』1月18日「柏の家」掲載
『homify(韓国)』1月17日「細工谷の家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

墓参りと讃岐うどん、毎日一つは楽しみを‐1371‐

 長らく墓参りにも行けておらずで、岡山と香川へ行ってきました。

 父の郷里、倉敷市の児島は繊維産業で栄えた街です。

 その街の小高い山の上に祖父母の墓があります。

 山陽というくらいなので、南に見下ろす瀬戸内海の景色は素晴らしいものがあります。

 材木商で財をなした祖父と、50歳で胃を全摘出したにもかかわらず、晩年まで驚くほど元気だった祖母

 ともに93年の生涯でした。

 母の郷里まんのう町は、海上交通の神様、金刀比羅宮のふもとにある街です。

 NHKのブラタモリでも「こんぴらさん」が取り上げられていました。

 年間300万人が訪れるというこんぴらさんですが、平坦な讃岐平野の中にぽつんと盛り上がった象頭山(ぞうずさん)の中腹にあります。

 海からでもよく見えることから、海上交通の神様として祭られてきたのです。

 そのこんぴら参りのために敷かれたと言ってもよい琴平電鉄。地元では「ことでん」と呼ばれています。

 その線路の近くに墓地はあります。

 とにかく真面目だった祖父は87歳で、一番怒られ、可愛がってもらった祖母は91歳で亡くなりました。

 長男の進学も含めて、報告してきました。

 墓地のまわりでは、麦が青々とした穂をつけています。

 小麦、塩田、いりこ出汁、醤油などが揃うこの地が、うどんの産地になったのは必然です。

 今回はすぐ近くにある、元祖ぶっかけの「山下うどん」へ行ってきました。

 味噌で食べるおでんと、てんぷらをつけて4人で2千円ちょっと。安くて美味いのが讃岐うどんなのです。

 田植えをするまでのあいだ、赤紫の花をつけるのがレンゲソウ。

 土を肥えさせるため、種がまかれたものです。

 娘はレンゲソウを知らないというので、何本か摘んできました。

 昭和50年代、学童教室など無い時代で、長期休暇はずっと岡山と香川で過ごしました。

 雨の少ない瀬戸内海気候の香川。農業用水は大変重要なものですが、とても綺麗なのは、水を大切にしてきた表れかもしれません。

 大阪生まれの大阪育ちですが、これらの景色も私の原風景です。

 一日一善ということばがありますが、毎日、何か一つ楽しみがあれば日々に張り合いがでます。

 日常でも、旅先でも全員が楽しめるということは結構心掛けて、計画を立てます。

 子供も大人も喜べる讃岐うどんは、墓参りといつもに対になっているのです。

 墓参りのあとでちょっと締まりませんが、2004年からコツコツと通った6店を以下に貼っておきます。

 香川へ行く際は、よければ参考にして下さい。

 讃岐うどん名店めぐりⅠ ひやあつの「やまうち」
 讃岐うどん名店めぐりⅡ 元祖ぶっかけの「山下」
 讃岐うどん名店めぐりⅢ 釜揚げの「長田」
 讃岐うどん名店めぐりⅣ 元祖しょうゆうどんの「小懸屋」
 讃岐うどん名店めぐりⅤ 純手打ちうどん「 よしや」
 讃岐うどん名店めぐりⅥ かまたまの「山越えうどん」

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『homify(中国)』4月9日「住之江の元長屋」掲載
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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ミスター‐1200‐

 このところ、雨が続きます。

 昨日も雨予報で、予定を変更して墓参りへ帰ることにしました。

09 - コピー

 父の里、岡山県の児島。

 守谷家の墓は、瀬戸内海を見下ろす高台にあります。

 今回は、雨で景色のほうは今ひとつでした。

15

 母の里は、香川県満濃町。

 海の神様、こんぴらさんの麓にある街です。

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 両親、弟家族も一緒で、雨なら雨で賑やか。

 祖父母も喜んでくれたはずです。

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 周りの田も、稲穂が黄色くなり始めていました。

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 ぶっかけうどんの元祖と言われる「山下」。

 まんのう町には、いわゆる有名店が沢山あります。

 前回行ったのは2006年3月でしたが、昨今のうどんブームでか、建物は新しくなりました。

23

 1歳になったばかりの長男はいつも小食でした。

 9年前、ここのうどんを沢山食べたことを思い出します。

 「有名になったから味が落ちたとは言わせない」と、今回も子供達はズルズルと完食。人気店であり続けるには理由があります。

 世間を賑わし続ける東京オリンピックのエンブレム問題。

 先週のヤフーニュースで「佐野氏無関係の会社にイタ電」というものがありました。

 社名が同じ会社が東大阪にあり、無言電話、いたずら電話が掛ってきて、迷惑をしているという記事です。

 この方、私のクライアントであるOhanaのカメラマンの友人です。Ohanaのwebサイトも彼の仕事。

 先月も一緒に飲む機会があり「ウチの方が先につけた社名なのに、ほんとに困ってる」と言っていました。その社名がミスターデザイン

 初めて聞いた時、いい名前だなと思いましたし、そう彼にも伝えました。

 「見た目はジャイアン、ハートはのび太」とプロフィールにありますが、これを聞いた時は吹き出しました。まさにそんな人なのです。

 彼は、自分の仕事のコンセプトを思い至った時「これが自分のやりたかったことだったんだ」と涙が止まらなかったと言います。

 誰かの役に立つヒーロー、ミスターにはそんな気持ちが込められているのです。

 知り合いだから正しく、知らないから間違っているという話ではありません。

 法廷では疑わしきは罰せずと言いますが、仕事の世界では反対です。胸を張って即答できないことは、全てバツと見なされます。

 私もそう判断しますし、そう判断されているのは間違ありません。全ては時間と社会が判断を下すのだと思っています。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■10月10日(土) 3:30pm~6:00pm ジュンク堂<京都店>にて
「無料相談会」に参加

【News】
homify(ドイツ)に8月11日、homify(ポーランド)に8月18日「加美の家」が紹介されました
「セブンドリーマーズ・梅田ラボ」4月2日 OPEN
『HOUSING 5月号』3月21日発売に「遠里小野の家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』9月20日に「住之江の元長屋」再放送

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うどんと建築、讃岐詣で & 讃岐うどん名店めぐりⅥ‐1085‐

 母方の祖母が亡くなったのが今年の1月5日。

 初盆には少し早いのですが、岡山、香川へ墓参りに。


 父母、弟家族をあわせて11人の団体旅行です。

 宿は小豆島に取っていました。

 日曜日の朝食前、皆で釣りに出ました。バタバタしているうちに、カメラがボトリと水中へ。

 情けないことに定期的に水没させています。今回は1年半でした。


 よって、写真は弟からの貰ったデータです。

 しかしこの写真だけはwebサイトから拝借しました。

 道中の高松にある、香川県立体育館です。

 1964年、国立代々木競技場と同時期に完成した丹下健三の代表作。

 耐震補強の応札がなく、この9月で使用停止が決まりました。

 この日の四国は記録的な大雨。右端に突き出た鼻のような部分から、滝のように雨水が落ちていました。

 高度成長期の日本。丹下が一番前を走っていた時代がビリビリと伝わってきます。圧巻でした。

 保存か解体か、という論議になっています。これほどの建築が簡単に出来ることはありません。天井が低いなら、保存というよりは、用途を変更しリユーズするのが良いのではと思います。


 小豆島は安価なフェリー料金を設定し、観光客を誘致しています。

 四国への橋ができ、何とか立ち寄って欲しいという事です。

 まずは壺井栄の「二十四の瞳」の舞台、岬の分教所へ。


 1日2回、干潮時に現れるエンジェルロード。


 150年は続く醤油蔵ヤマロク醤油

 醤油蔵内まで見せて貰えます。

 醤油は勿論、醤油アイスも美味しかったのです。


 小豆島を4:00pm頃でて、7:00pm神戸港に到着。

 天気はあいにくでしたが、その分スケジュールはゆっくりでした。


 今回の名店めぐりは、山越えうどん。噂に違わぬ繁盛振りでした。

 かまたま(釜揚げ卵いり)1玉250円。

 建築を学ぶ学生の間に「讃岐詣で」という表現があります。

 詣でるべき建築が沢山あるのですが、うどん名店巡りと共に、私の楽しみです。

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【News】
『ハウジング9月号』7月19日発売に「あちこちでお茶できる家」掲載
大阪の住まい力アップ:第1回 リフォーム・リノベーションコンクール 「住之江の元長屋」が戸建部門、最優秀賞を受賞しました
『家は買わずに建築家とつくる。』2013年11月20日発売に
「あちこちでお茶できる家」掲載
■2013年1月6日(日)放送<「匠」が選ぶビフォーアフター大賞2012>
「住之江の元長屋」が空間アイデア部門2位に選ばれました

【Events】
■8月24日(日) 1:00pm~4:00pm
住まい情報センターにて「建築相談」に参加

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ズルズルとうどん県‐1003‐

 母の郷里、香川へ帰っていました。

 生憎の雨でしたが、祖父の13回忌だったのです。

 7回忌から、あっと言う間に6年が経ちました。
 

 最近の自治体は、自らの売り出しに熱心です。しかし、うどん県は想像以上にうどん県。

 法事の前、住職、来訪者にまずうどんを出すのです。

 皆でズルズルとやって、初めて法事が始まります。全くお茶を出す感覚。

 長い読経のあと、線路沿いの墓地まで歩きました。とても真面目な祖父で、87歳まで生きました。

 時々うどんを打ってくれたものです。

 今月初め、鞆の浦へ行きました。その際、デイサービスからお年寄りが「ふるさと」を合唱するのが聞こえてきました。

 生まれも育ちも大阪の私にとって、故郷とは。毎夏休みを過ごした、香川と岡山でしょうか。

 志を果たして帰らん。水は清き故郷。 

 間もなく90歳になる祖母も、ズルズルと。うどん県はうどん県なのです。

「ふるさと」
作詞/高野辰之
作曲/岡野貞一
 兎うさぎ追いし かの山
 小鮒釣りし かの川
 夢は今もめぐりて
 忘れがたき ふるさと
 如何にいます 父母
 つつが 無しや友垣
 雨に風につけても
 思い出ずる ふるさと
 志を 果たして
 いつの日にか 帰かえらん
 山はあおきふるさと
 水は清き ふるさと

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3月19日(火)大阪の住まい力アップ:第1回 リフォーム・リノベーションコンクール 「住之江の元長屋」が戸建部門、最優秀賞を受賞しました

【Events】
■10月24日(木)~28(月) ASJ建築家展に参加
梅田阪急ビルオフィスタワー24F 11:00~18:00
■11月16日(土)、17(日) ASJ建築家展に参加
ビッグハート出雲 アートギャラリー 11:00~18:00
(17日は10:00から)
■11月23日(祝・土)ジュンク堂京都店 15:30~18:00
JIA×JUNKUDO 共催『住宅無料相談会』に参加

【News】
■1月6日(日)放送<「匠」が選ぶビフォーアフター大賞2012>
「住之江の元長屋」が空間アイデア部門2位に選ばれました
■3月11日(月)オウチーノに「劇的ビフォーアフター」の匠たちとして紹介
4月9日(火)リフォーム産業新聞「住之江の元長屋」掲載

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人生の晩秋を向える時& 讃岐うどん名店めぐりⅤ

 この連休は墓参りに帰っていました。

 まずは岡山県倉敷市へ。

 父方の祖父母は亡くなりましたが、共に92歳まで生きました。

 今は瀬戸内海を見下ろす墓で、静かに眠ります。

 瀬戸大橋を渡り、今度は母方の里、香川県まんのう町へ。

 祖父の入る墓は、船の神さま、金毘羅山(こんぴらさん)を望む田の中にあります。

 曲がった事が大嫌いな人でした。

 自分で言うのも何ですが、私が一番その気質を受け継いでいると思います。

 香川に来た時、うどん店めぐりはかかせません。

 今回寄った店は「純手打ちうどん よしや」。

 名店も多い、飯野山(いいのやま)別名讃岐富士の麓にあります。

 麺が冷たい、だしが熱い「ひやあつ」としょうゆうどん。

 ゲソとレンコンの天ぷらに、おにぎりとおでんのスジ。

 これで1050円程。

 「純手打ちうどん」の看板通り、手打ち麺を包丁で切るこだわりの店長。

 「大将」と呼ばれていましたが、まだ若い感じでした。

 一時のブームは去ったとは言え、連休の昼時は店外まで列ができていました。

 その表情にはやや疲労の色も。

 「気長にやりなよ」と声を掛けてあげたい気持ちもありましたが……

 味の方は間違いないものでした。

 母方の祖母は88歳で健在です。

 今は年に1回くらいですが、小学生の頃は夏休みを一緒に過ごしました。

 段々と仏さんのような顔になってきました。

 愛おしいと思えるのは我が祖母だからでしょうか。

 子供たち、そして私もあと何回会えるのか。

 人生の晩秋を迎えた時、果たして私はどんな顔をしているのか。

 そんな事を考える時間が彼岸なのだと実感するのです。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日)「匠」として出演しました

【Events】
■9月1日~9月31日までハービスPLAZA(大阪)4階にて
「加美の家」のパネル、模型を展示

【News】
『MY HOME100選 Vol.11』8月27日発行に「サロンのある家」掲載
■『建築相談ハンドブック』6月1日発行に「Shabby House」掲載

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彼岸前

 昨日から、岡山、香川に来ています。

 彼岸前ですが、祖父母の墓参りに来ました。

 折角なので、皆で泊まろうという事になったのですが、寸前に探したのでどこも一杯。

 空きを見つけたのが、バンガロー。香川県まんのう町にある大川山キャンプ場は標高1,000mを超える山頂付近にあります。

 総勢11名。子供たちは修学旅行みたいなもので、テンションは上がりっぱなしです。

 誰かが頭打ったとか、口を切ったとか。何やかにや起こりますが……

 讃岐平野を一望に見下ろす景色は絶景です。

 気温も5度は低いでしょうか。気持ちの良いところでした。

 現在も元気な祖母は今年で87歳になりました。

 小学生の頃怒られていた元気はもうありませんが、愛おしく思います。

 いつまでも元気で……という言葉に、寂しさを覚えるのです。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【News】
『SUMAInoSEKKEI』9月21日発売に
「イタウバハウス」掲載
■8月24日香港建築科学出版社の『Star Week』に掲載
『関西56人の建築家と家をつくる』7月10日発売に
「加美の家」掲載
□7月8日「Ohana」『第5回キッズデザイン賞』受賞
【Events】
■9月23日(祝・金)1:00pm~3:30pm『JIA×JUNKUDO 建築相談会』
ジュンク堂(神戸店)に相談員として参加します
■9月17日(土)~23日(祝・金)10:00~19:00『JIA×JUNKUDO 住宅作品展』
堂島アバンザ1Fエントランスホール「加美の家」のパネルを展示します
■9月1日~9月30日までハービスPLAZA(大阪)4階にて
「Shabby House」のパネル、模型を展示しています
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まんのう町、鳴門、津名 食べる旅 & 讃岐うどん名店めぐりⅢ

 先週末は、友人家族と旅行の約束をしていました。

 しかし、下の娘が保育園でロタウイルスに感染。今朝あたりは随分良くなって来たのですが、土曜日はそんな状況になく、妻と2人で留守番に。

 初めて長男と2人で旅行に出ました。

 友人家族とは、夕方に徳島県鳴門にあるホテルで待ち合わせで、土曜日は釣りでもするつもりでした。

 しかし雨風が強く、急遽香川県まんのう町に住む祖母を訪ねる事に。

 今年で85歳。昔の元気はなくなりましたが、血色も良く1時間半ほど話をしました。歳を取ると、ひ孫と話すのが一番楽しそうです。

 母の実家、香川県まんのう町は讃岐うどんの有名店がひしめきます。

 近くに、そんな本出てくるお店が20店以上ありますが、私のお勧めは、1番「やまうち」、2番「山下うどん」。共に繁盛店ですが、流石に美味しいです。

 今回は時間が遅めだったこともあり、超人気店「長田」に行ってみました。

 うどん屋さんにあるおでんは、甘めの味噌ダレをかける店が多いのです。

 卵、大根50円。スジ120円。

 この店は「釜揚げ」が売りです。おでん、おにぎり、釜揚げの大と小で、900円弱でした。

 しょうがは自分ですって、ねぎと一緒にダシの中へ。

 太めの麺で、ノド越しと香りの素晴らしい釜揚げでした。子供も小をほぼ完食。

 こちらも有名店の、元祖しょうゆうどん「小縣家」が辻向かいにあります。

 まんのう町を後に、夕方には本日の宿に到着。

 瀬戸内海を望む山の頂き付近に建ち、小豆島を見下ろします。素晴らしい眺めでした。友人家族が到着すると、近くの活け魚料理店へ。

 造りとワカメ汁がとても美味しかったのですが、写真を撮り忘れました。

 ほとんど同じ頃に生まれた長男同士は、たまに会っても非常に仲良く遊びます。

 朝食の後、淡路島の津名にある、おのころアイランドへ移動して遊んでいました。

 昼に予約してあった焼肉に向けて、私達も体を動かし、準備万全です。

 淡路牛特集などあれば、ほとんど登場する「ありい亭」

 友人が予約をいれてくれました。

 自分達で飼育した淡路牛をだしているので、値段はびっくりするくらい安いのです。

 特選バラ600円、塩タンは900円、キムチ100円。

 ストレスの無い状態で育て、脂をつけすぎないようにしているとの事でした。どれも抜群に美味しかったです。

 良く食べた子供達にはイチゴにアイスの入ったデザート。大人は、ピリ辛スジクッパ450円でしめ。

 家族経営で、都心のサービスを期待するのは無理です。昨日も大繁盛で、一杯一杯の感じでした。更に予約なしは難しそうです。

 しかし、大人3人と子供2人で9600円。品質と味を考えると、凄く安いと思います。どうせ行くなら、予約してでも行きたいお店でした。

 ETCの特別割引もあって、香川県まんのう町まで高速代が2000円程。通常なら1万円弱は掛かります。讃岐うどん、淡路牛。食べるなら今、でしょうか。

7回忌

 先週の土曜日、久し振りに母の郷里に帰りました。祖父の7回忌だったのです。香川県満濃町は、瀬戸大橋を渡れば車で30分ほど。

 祖父母4人はみな本当に元気でした。6年前に初めて祖父を亡くします。87歳でした。

 祖父は、7人兄弟の次男に生まれます。比較的大きな農家でしたが、14、5歳の頃、弁護士を目指して東京へ。書生しながら勉強し、東京の大学に進みます。

 これからは何をするにも学が必要と考えていました。昭和5年頃の事、日本は戦争への道をひた走っていました。

 在学中に第二次世界大戦が勃発。中国大陸に出兵されますが、なんとか生還。戦後は通産省で働き、マッカーサー率いるGHQと、政府の橋渡しの仕事をしました。しかし過労もあり、結核を患います。療養の為、故郷に戻る事になったのが、昭和30年。祖父37歳、、長女の母が5歳、叔父3歳の事でした。

 結核の為、最終的に肺を一つ切除することになります。その前後10年間は、働く事が出来ませんでした。祖母は子供2人を育てるのに懸命に働らき、随分苦労をしたようです。

 やっと体調が戻りはじめた祖父は、電気屋を始めます。都会で使った便利な家電を、重労働に苦しむ農村の女性へと考えたのです。

 その理想を実現する為、起こした会社は”生活改善社”。金毘羅さんに通じる参道に今もあります。

 祖父の生い立ちについては、何となく知っていました。

 しかし、10年も働けなかった事、肺を失った理由が結核だった事、それによって、祖母、母、叔父は働きづめだった事は、初めて知りました。90歳になる亡き祖父の妹が、教えてくれたのです。

  祖父は今、讃岐富士を望む墓地に眠ります。孝行したい時に親はなし。祖父母も同じでしょう。十分孝行できたかと聞かれれば、やはり首をかしげざるえません。

 しかし祖父なら”そんな事を悔やむより、り、一生懸命働き、真面目に生きなさい”と声を掛けてくれると思います。

 そんなことを想う、秋晴れの7回忌でした。

さぬきへ その1 & 讃岐うどん名店めぐりⅠ

 この連休を利用して、香川県に行ってきました。母の実家が金毘羅さんと日本一長い石段が有名な門前町にあり、3年前に亡くなった祖父のお墓参りを兼ねての旅行です。

 昼食には、本場の讃岐うどんを食べに行きました。お店は最近のブームですっかり有名になった、山あいにあるにも係わらず常に行列の店『やまうち』

 かけうどんのメニューにも「ひやひや」、「ひやあつ」、「あつあつ」とあります。

 これは、麺とダシのそれぞれを熱い、冷たい、を選べて組合せは自由。私は「ひやあつ」(麺は冷+ダシは熱)の大とてんぷらを頼みます。薬味のしょうがは各テーブルにある、おろし金ですりおろし、大目にいれて頂きます。

 コシが強く、かつもっちりしているうどんはそのまま食べても、充分美味しいくらいの、塩の下味がついています。麺の味がしっかりしているのでダシは薄味で澄んでいます。

 一旦口に運ぶと、心地良いのど越しであっというまに一杯たいらげ、もう一度行列に並び直して、しょうゆうどんも食べました。こちらは、麺に醤油を直接かけて頂くのですが、麺を味わうなら、こちらもおすすめです。

 と、非常に満足した上に値段は、小200円、大250円、特大350円で100円のてんぷらを乗せても500円あれば充分と、非常に安い!そして美味い!

 香川県では、全国平均の4倍うどんを食べるそうです。小麦粉の産地、イリコが良く獲れる、醤油造りが盛んなどの理由からのようで、少し前まで、ごく普通に一般家庭でも手打ちうどんを作っていました。小学生の頃は、夏休みの半分を香川で過ごしていたのですが、亡くなった祖父も、良くうどんを打ってくれたものでした……

 コシを出すために、麺を足で踏むのですが、その姿を思い出しました。