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大人はグッと我慢、そしてSmile!‐1167‐

 「ピンチは笑え」とは宮崎駿の言葉だったか。

 ネガティブよりポジティブ、難しそうな顔より、笑顔のほうが好きなのは誰でも同じ。

 松虫の長屋のクライアントと話をしていて、あることに気付きました。

 こちらの家族、ご主人のお母さんと同居です。人間関係の中で、嫁姑関係は最も難しいと言われます。

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 しかし、奥さんが義理の母に話す姿は、私が見る限り、ほぼ遠慮がありません。

 「実の母ではないので、有る程度の線引きはありますよ」と言いながらも、「何なら、母と2人になって、主人の文句を言ってますよ!」と笑うのです。

 そんな言葉を聞く旦那さんはこの笑顔。

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 よって、長男君も笑顔。

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 そして奥さんは、更に笑顔。

 ご主人のお母さんは「ドラマで嫁姑が揉めるけど、全く理解できないの。私の母と、兄の奥さんはとても仲が良かったし、いつも笑っていたから」と言うのです。

 自分がそう思っていたなら、一般論は関係ありません。

 その言葉に無理がなく、凄いなと思って聞いていたのですが、自分が子供と話をする光景を思い浮かべていました。

 例えば、勉強すること、学ぶことの価値を話す時、つい難しい顔になってはいないか。

 必要以上に力が入り、眉間にシワを寄せていないか。

 熱弁を奮えば奮う程、子供は親の怖い顔だけを目の当たりにしているのでは。

 人生の目標が定まっていない時、勉強をする理由とはなんだったのかと考えます。

 いい点をとれば、周りが偉いと言ってくれる。親が喜ぶ。100点取ったら100円くれる。

 最後のは駄目ですが、その程度の動機だったような気がするのです。

 ということは、子供にとっては内容より、その光景、映像、表情の方が大事なのでは……

 「勉強の話=怖い顔」

 これが悪循環の源なのでは、という仮説をたてました。

 少々勉強が出来ずとも、逞しく生きていく方法はいくらでもあります。赤点取ったところで死ぬわけでなし。仮にピンチだとしても、ピンチ攻略ゲームだと思えばいいのです。

 しかし、難しい話を、笑いながらするのは、少々ハードルの高い行動です。

 私の知る限り、立派な人であればあるほど、物腰が柔らかく、常に柔和。その差はピンチの時こそ開く気がします。

 人はついつい頑張ってるんです、苦労してるんですという顔をしたくなります。私もそうでですが。

 大人はそこでグッと我慢。そしてSmile!

 これ、本気で実践してみようと思います。いいと思ったら即行動。これも人生をよくする呪文だと思っています。

誰も咳をし、笑う‐1159‐

 一昨日の火曜日は、雨の京都へ。

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 蹴上のウェスティン都ホテルへ行っていたのですが、雨濡れる古都もなかなか良いものです。

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 盛和塾の勉強会だったのですが、参加者は約1300名。同じ支部に属する方が、自らの経営体験を発表しました。

 本当に立派な内容でした。従業員270名の人生を背負うことが、人をこれだけ成長させるのかと思うのです。

 会の最後は、全員が輪になって「ふるさと」を歌います。

 塾長の稲盛さんが、落ち込んだ時のこの唄を歌い、勇気を貰ったことに由来するもの。

 全員が、稲盛さんの考えに共感し、少しでも会社を良くしたいと思っている同士なのです。

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 会場となったウェスティン都ホテルは、関西が誇る巨匠・村野藤吾の設計です。

 「ウェスティン」となり、かなり手が入ったようですが、柔らかなフォルムの階段は、村野好みが良く現れています。

 色がもう一つで残念なのですが、実際の感覚で言えば「ミルキー」が適切でしょうか。

 これも村野好みの真骨頂。 

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 本館の裏には、本格的な和室別棟エリアがあります。

 待ち時間を利用し、見て廻りました。

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 中でも、佳水園は村野流数奇屋建築の傑作と言われます。

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 門をくぐると、まず白砂の中庭が広がります。

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 エントランスホールに掛るのは、川端康成の書。

 一流は一流を知るのです。ただ、純粋な書としての評価は別ですが。

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 この日も満室とのことでしたが、外国人観光客が多いようです。

 どうせなら、本格的な和の空間を体験して貰えると、建築に関わるものとしてはやや誇らしい気持ちになります。

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 回廊をぐるりと廻り見返すと、軒の薄さに驚嘆します

 なぜ薄いのか。薄く作るには、素材のことを良く知っている必要があります。また、過去の実作での経験から、その最小値を探っていくことになります。

 その葛藤と手跡を、人の目は一瞬で見抜く能力を持っていますし、過去に見たことがないものに心が動きます。創り手はそういうものを目指すのです。

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 軒に穿たれた開口。視線を誘導しています。

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 軒の隙間から見えるのは八重桜か。どこまでが意図なのか。巨匠が没して30年、もううかがい知ることは出来ません。

 早くに独立したので、自分には師が居ないとよく嘆いていました。

 稲盛和夫、村野藤吾、ミース・ファン・デルローエ、ル・コルビュジエ、アルバート・アアルト……

 良き師は掃いて捨てるほど居る、と言えばバチが当たりそうですが、自分にその気と、行動力がないだけだったのです。

 謦咳に接すると言いますが、謦咳とは「咳払い、笑ったり語ったりすること」と広辞苑にはあります。

 人は、同じように咳をし、笑い、語る。どんな立派な人でも、同じ人間だと知ることが、その本質なのではと思うのです。

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 有り難いという気持ちと、さあやるぞという気持ちを秘めて、京都を後にしたのが、夜の11時過ぎ。

 ちょっと遅くまで飲みすぎました。

ハートに火をつけて‐1158‐

 このところ、寒い日が続きます。

 とはいえ4月中旬。そろそろ、魚もアクティブになってくるはず。

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 土曜の夜、秘密基地から出発です。

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 昨日の池原ダムは曇天で、最高気温が10度。

 覚悟して来たのですが、そこまで寒くはない感じ。
 
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 ソメイヨシノがほぼ終りで、ヤマザクラが見ごろでした。

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 今回は、昨夏以来の長男と2人旅。

 しかし、この寒さで水温が12度まで低下。水の中は冬に逆戻りといった感じでした。

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 そんな非常事態に備えて、禁じ手も準備してあります。

 ライブベイト、生き餌を投入。ミミズの餌釣りで、なんとか小さなブルーギルを1匹確保。

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 私はルアーしか使いませんが、子供には何とか1匹は釣らせてやりたいのが本音です。

 結果、何年振りかのボーズ。まあ、そんな時もあります。

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 最近バトミントンを気に入っているらしく、昼寝の時間を少し割いて相手をしました。好きというだけあって、それなりに打ち合いが成立する感じでした。
 
 今回の釣行には、もうひとつ目的がありました。長男が、塾に行きたくないと。

 小学5年になり、それなりに彼も悩んでいます。

 道中に2時間強の時間がかかるので、話をしようと思っていました。もし「どうしても辞める」というなら尊重しようと思っていました。

 「中学から良い学校へ行ったほうが得」みなたい事だけは言いたくないと思っていたのです。

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 塾を辞めて、中学受験をしないのも良し。これを機に勉強を嫌いになるも良し。

 しかし、それに変わる生きる術、世の中に求められる大人となる為の方法を見つけなければなりません。

 大学を出た時、仕事というものが、これ程厳しいものかと驚きました。親業においても、同じことを感じます。

 いつまでも舗装道路を歩かせてやりたいのですが、それは不可能。むしろ、その道から外れた時の為に教育とはあるべきものです。

 長男に、自分の半生を交え、勉強、仕事、人生について話ました。

 「もう一度、頑張ってみる」とのこと。

 凡庸な教師は、ただ喋る。良い教師は、説明をする。優れた教師は、自らやってみせる。そして、偉大な教師は、生徒の心に火をつける。 

  ウィリアム・アーサー・ワード  

 彼の心に、火を付けることが出来たのか。

 これで解決、と言うほど現実が簡単ではないことは、それなりに心得ているつもりですが。

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 ちなみに、秘密基地は実家の仕事場。

 2艘の愛艇が、次回の出動にそなえています。 
 

必ず勝つ‐1157‐

 今日は昼から「松虫の長屋」の現場へ行っていました。

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 現在進行している計画の3割はリノベーション。

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 この計画は、中でも構造の付け替えがかなり複雑です。

 腕利きの大工も「これはなかなか大変」とのこと。でも「やってやれないものはない」が口癖です。

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 子供さんにとっては、スーパーマンに見えるでしょうか。監督とともに、全幅の信頼を置いているのです。 

 昨年の秋頃、コンペ開催の案内メールが届きました。

ネット上で開催されるコンペで、参加料を支払う必要はありますが、その他の制約は全くありません。

 また、クライアントの要望も非常に明確で、熱意と誠意を感じました。

 ネット上のコンペは、過去に一度参加したことがありますが、その際は負けてしまいました。

 以来、絶え間なくオファーを貰っていたこともあり、参加する必要も感じていませんでした。

 しかし、人員も揃い、直接貰ったオファーではない仕事で、事務所の力を試してみたいという気持ちもあり、参加を決めました。

 まずは十数社から十社への書類選考でしたが、無事通過。

 その1ヶ月後、11月初めに実際のプレゼンテーション資料を作成し、郵送しました。

 11月後半、3社に残ったとコンペ主催者から連絡がありました。その後、順に面談があり、実際に契約することになったのです。

 主催者が、当事務所を選んだ理由を連絡してくれました。恥ずかしげもなく、公開させて貰います。

 アトリエ m様に決定された一番の理由としましては全社による最初のプラン提示において、同じようなプランが並ぶ中、アトリエmさんだけが一風変わった物をご提案いただきました。

 また、平面図+立体模型、数十頁に及ぶ概算見積もり書なども付属をしてくれたのもアトリエmさんだけでした。

 妻と相談する上で、アトリエmさん以外は考えられないと言うのが正直なところでした。

 実際にお会いをさせていただき、お話をしてみると守谷様の人柄や設計に対する思いや取組み方なども大変すばらしいものを感じました。

 心から嬉しいコメントですし、そう思って貰える人と仕事が出来るほど幸せなことはありません。

 以前の敗戦から、出る以上は必ず勝つと決めていました。

 当事務所は現在5名ですが、アトリエ系事務所としては小さい方ではありません。

 コンペの図面、模型作成のピーク時は3人を投入し、図面は2プラン、模型は計3つを作成しました。

 概算見積り、キッチンの本見積り、当事務所の契約条件なども合わせて、ダンボール箱に梱包して郵送したのです。

 ものごとに絶対はありませんが、ここまでの時間とマンパワーを投入できる事務所はそうはないはずだと考えていました。

 スタッフの成長も感じていましたし、これで負けることがあれば、私のプランが悪い意外に理由はありません。クライアントの幸せと、環境の特徴を両輪としたプランを作成したのです。

 以前の敗戦は、中途半端な自信だったと思います。コンペに出なくても仕事はある。それなりの実績は残してきた等など。それなら出なければ良かったのです。

 もし負けていたらこの事を書いたのか。それは分かりません。

 しかし、勝つと決めていたのは本当です。
 

桜40回‐1156‐

 ここのところ、花曇りの日が続きます。

 先週末はソメイヨシノのピークでした。良い花見酒となったでしょうか。

 日曜日の夕方は、子供を連て出掛けました。

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 夕方から出掛けて、子供が遊べるところは以外に少ないもの。

 結局、7時まで開いている、扇町のキッズプラザになりました。大方親は同じような事を考えるようで、かなり混みあっていました。

 キッズプラザは、舞洲焼却場と同じく、オーストリア人建築家、フンデルト・ヴァッサーのデザインです。

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 名物と言っていいでしょう。

 空気でボールを空中に運ぶアトラクションはいつも人気です。

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 動植物の展示もあり、モリアオガエルが居ました。

 小さなオスが、メスに背負われている姿は、現代社会の合わせ鏡、と言えば皮肉でしょうか。

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 小1の娘が丁度で、小4の長男には、少し年齢層が低かったかもしれません。

 しかし、遊びながら本物に触れるのは良いことですし、本来デザインとはそうあるべきものです。 

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 先週末、「滋賀の家」の奥さんから、写真が届きました。

 この家は、元城だった敷地に建っており、周りの自然が素晴らしいのです。

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 かつ、古来より桜の名所で、その景色を窓で切り取るようデザインしています。

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 竣工後、初めての春で「この感激を……」と写真を送ってくれたのです。

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 しかも、3日続けて送って。このようなクライントに私達は支えられているのです。この件はまた現場日記に書きたいと思っています。

 人は時間という概念を見つけてネガティブになった  
 
 これは、元雑誌編集者、山本隆司のことばです。

 古代天文学によって、人は暦を手に入れました。それにより、農耕は飛躍的に発展したはずです。

 365日で四季が一巡りすることを突き止め、1日を24分割しました。

 24時間=440分=86400秒

 時間の概念によって、より正確な生活が送られるようになりました。

 それより、地球がぐるりと一回りするするのが1日で、太陽の周りを1周するのが1年と言ったほうが、ピンと来ると彼は言います。

 長男とキッズプラザに行くのは、一生でこれが最後かもしれません。この満開の桜とて、多くともあと40回見れるだけ。

 64万分は沢山の時間に見えますが、桜40回の方が圧倒的に、自分のサイズになるのです。

 私という存在は外して考えれば、自然はこれまでも、またこれからも、変わらぬ営みを繰り返して行くだけです。

 そんな事を考える時、最高に楽しい気持ちではありませんんが、やる気がフツフツと湧いてきます。

 全てを一期一会の精神で。事務所内の言葉で言うなら「必ず一発でしとめろ」。

 大阪の事務所なので多少品がないのは、桜に免じてお許しを。

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まず思う First, I hope. ‐1127‐ 

 今日は一年で最も、歓喜の声が上がる朝。

 子供達も普段はグズグズしているのに、この日に限っては6時にパッチリ目が覚めるようです。

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 兄妹とも、足元にプレゼントが置いてあり、朝からテンションは最高潮。

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 長男は室内用の、小さなラジコンヘリコプター。

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 これは間違いなく面白い。

 家の中を、大きなハチが飛んでいる感覚といえばよいでしょうか。写真を撮るのに苦労しました。

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 娘は、輪ゴムで作るアクセサリーメーカー。これも、ブームになっているそうです。

 昨晩、2人で盛り上がり、サンタに手紙を出すことになったようです。娘の質問は「どこからやってくるの」です。

 プレゼントの中には返信の手紙が入っていました。英語で「Santa villageから」と書いてありました。

 長男は、全部の鍵を閉めると入ってこれない。サンタは1人なのか複数いるのか。担当の家が決まっているのか……

 もっともな質問ばかりです。その答えはお父さんも分からないのですが、担当は決まっていると思います。

 スタッフへのプレゼントと言えば、ボーナスです。今日は給料日でしたが、残念ながら寸志レベルでした。

 私の来年のテーマは以下の通りです。

 まず思う   First, I hope.

 考えるのは後。思わなければ何も始まりません。必ず、しっかりボーナスを出せるように頑張ります。今年のテーマは以下の通りでした。

 一日生きることは、一歩進むことでありたい

 今年もまだ1週間残っています。せめて7歩進めるよう。