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蹴上インクラインでレンガ積みの粋をみる‐1465‐

 毎年この時期、ウェスティン都ホテル京都を訪れます。

 盛和塾の勉強会があるからですが、これだけの天気に恵まれたのは初めてです。

 手帳をみると、日曜日には「彼岸」の文字が。

 火曜日の三条蹴上は24℃まで気温が上がり、 まるで初夏の陽気でした。

 ホテルの前には、蹴上発電所があります。

 琵琶湖疎水を使って発電するものですが、明治24年(1891年)から現在に至るまで現役だそうです。

 三条通りを挟んで、向かいには蹴上インクラインがあります。

 インクラインは琵琶湖疎水を使って行き来する船を運ぶもので、橋の上に現在もレールが残っています。

 台車の上に船を乗せ、その上に人や荷物載せて運んだのです。

 インクライン下のトンネルをくぐると、南禅寺へ抜ける小路があります。

 5分程歩けば南禅寺。

 日本三大三門に数えられる、南禅寺三門。

 空、無相、無作の三解脱門を略したものと南禅寺のwebサイトにありました。

 境内は苔むしており、雰囲気があります。

 そんな中に突然現れる水路閣。

 この上を琵琶湖疎水が流れています。

 修学旅行生や、インスタグラマーが様々なアングルで写真を撮っていました。

 私も今更ながらインスタグラムへ写真を上げ始めました。彼らの随分と後輩になるわけです。

 行きには気付かなかったのですが、インクライン下のレンガ積みが、素晴らしく美しいものでした。

 螺旋状にひねられているのが見れるでしょうか。

 「ねじりまんぽ」というそうです。

 上を、船を積んだ台車が通るので、その重さに耐えられるよう、こういった積み方をしたようです。

 アーチとは、組積造の建造物に開口部を設けるため考えられたものです。

 それをより立体的に連続させたこの積み方が、より強度を上げることは、見た感じからも伝わってきます。

 「凄い」という感じです。

 architect(建築家)の語源は、ラテン語のarchitekton(アーキテクトン)だと言われます。

 「arche」と「teckton」からなる言葉ですが、更に二説に分かれます。

①「arche」 はアリストテレスの説いたアルケー「原理」を差す。

「teckton」はテクニック等も同じ語源で、「長けた」などの意味。

 よって「原理を熟知したもの」という説。

②「arche」 は窓や開口をつくる為に生まれたアーチを差し、転じて芸術を差すようになった。

「teckton」は「熟練した、一番」などの意味。

 そこから「一番目の芸術」を意味するという説。

 大学時代に、ゼミの先生から教えて貰ったのですが、どちらも重い言葉ですし、身が引き締まる気がします。

 しかし、どんな難しい問題でも、原理原則と向かい合えば、答えが導き出せるとも解釈できます。

 盛和塾の塾長、京セラ名誉会長の稲盛和夫さんは、「儲かる、儲からないでなく、人として正しい行いかどうかで、経営判断をしなさい」と言います。

 「それで利益がでればいいが、商売とはそんな甘いものではない」という声も聞こえてきます。

 しかし、一代で京セラを1兆円企業にまで育てた結果が、全てを示していると言えそうです。

 レンガ=brickは、ヨーロッパでは最も安価な素材です。そこから生れる原理原則に基づく美しさ。

 物創りには、こんな可能性があるので、この仕事を選んだのだと思うのです。

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