人生道場、終焉‐1541‐

 火曜日は本当に暖かい一日でした。九州では夏日になった所も。

 異常気象という言葉を使えないほど、色々なことが起りますが、それでも12月に夏日とは……

 昨日、私が所属している「盛和塾」が、来年をもって解散するという発表がありました。

 私は2007年に入塾させて貰いました。

 初めて参加した塾長例会は、4月の宝ヶ池プリンスホテルでの開催でした。

 1983年、京セラ、DDI(現KDDI)の創業者、稲盛和夫さんに教えを請いたいという勉強会が発端となっています。

 1989年に盛和塾と改名され、日本のみならず、アメリカ、ブラジル、中国なども合せて、現在は1万人以上の塾生が在籍しています。

 2010年には経営破綻したJALの再建を政府から託されました。

 京セラを1代で1兆円企業にまで育て上げたその経営手腕を求められてのことです。

 78歳でJALの会長に就任、2年で世界最高収益を上げる航空会社へと復活させたのです。

 昨日、稲盛塾長から塾生へ向けてメッセージが発せられました。

 冒頭にはこうあります。

 私は来年(2019年)1月で87歳になります。今までにお伝えしたい事はすべてお話ししてきたつもりです。私は力の限り盛和塾に心血を注いでまいりました。

 「すべて」お話しして貰ったのです。

 何度も何度も話して貰わなければ背筋が伸びないは、完全にこちらの甘えです。

 そして、こう結ばれていました。

 是非今まで学ばれた事を実践し、社員の方々を幸せにし、社会のために尽くさます事を切に望みます。皆さんが利他の心をもって、世のため人のために貢献されますことを祈っています。

 2010年の5月。

 大津プリンスホテルでの勉強会後、懇親会では塾長と同じテーブルで食事をさせて頂く機会にも恵まれました。

 近年は塾生が増え、年で最も大きな勉強会はパシフィコ横浜での開催となりました。

 夏の時期が多く、日差しが痛かったのです。

 稲盛さんは経営の神髄をボランティアで話して下さいます。

 真髄とは方法論ではありません。

 この自由経済社会の中で、ぼろ儲けなどありえない。リーズナブルな利益を営々と積み重ねるしか、企業が成長、発展することはないと言い切っています。

 その当たり前のことを、誰にも負けない程やってこられた結果が、京セラ、KDDI、JAL再生の結果なのです。

 夏がくれば秋がやってきます。

 山は極彩色に。

 落葉樹は葉をおとし、冬へと向かいます。

 いつかこの日がくることは分かっていました。

 「人生哲学」と「経営哲学」を学ばせて頂いた人生道場は来年で終焉を迎えます。

 道場無しで、トレーニング無しで人が成長するのは不可能です。

 これからは自分が小さな道場の主として、研鑽を積まなければなりません。

 誰よりも働き、教え、世の役に立ってこられた塾長には、静かで穏やかな冬を過ごして頂きたいと心から願います。

 そう思える存在を持たせて頂いたことに、心から感謝するのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<&lt;/a&lta</lt;/