くものすくぐって‐1399‐

先週土曜日、3つの現場をまわりました。

朝一番は「中庭のある無垢な珪藻土の家」

タイル工事に手直しがあり、私も立ち会ってきました。

次は「KISHIWADA HOUSE」の1年点検。

1階の玄関を入ったところが涼しいらしく、彼はここがお気に入りとのこと。

9カ月振りの訪問でしたが、全てモノトーンでビシッときまっています。

四季を過ごし、暑さ寒さの問題もないとのことでした。

普段はテレビをみるのに、この席が一番人気だそうです。

パウダールームは、奥さんがリラックスできる空間を目指しました。

この日は残念ながら不在で、感想は聞けずでしたが。

バスルームにレインシャワーがあるのですが、うまく雨になっていないようです。

すぐに手直しの手配をしてもらいました。

最後は「さかたファミリー歯科クリニック」の内覧会。

ユニフォーム姿がとても凛々しく感じます。

廊下と待合を兼ねた空間には、ところせましと花が並びます。

受付の奥にあるのがカウンセリングルーム。

早速何組かの方が相談されていました。

妻と娘を連れていきましたが、院内をゆっくり見て回る機会はなかなかありません。

娘も興味をもってみてくれたようです。

治療体験もさせてもらいました。

私たちが居るあいだは、絶え間なく訪問がありました。

設計者としては嬉しいかぎりです。

クリニックのイメージカラー、紫の濃淡でアレンジして欲しいと、近くのフラワーショップにリクエストしました。

このあと、長男をピックアップし、バタバタと南港へ向かったのです。

無垢にこだわった木造住宅、ミニマルな2世帯住宅、ランドマークを目指したクリニックと、本当に色々な仕事をさせてもらっています。

10年程前、ある経営者に「あなたの強みは?」と質問されました。

少し考えて「必ずクライアントの夢を実現することです」と答えました。

すると「もっと何かに特化しないといけないね。差別化をはからないと」と。

私のことを思いアドバイスしてくれたので、もちろん理解できます。特化することが、ビジネス上よいこともわかります。

しかし、いくら沢山の仕事があったとしても、同じ道をたどることはさけたいし、クライアントも望んでいないと思うのです。

一度も歩いたことのない道を行くから、大変ではあるけれど楽しいのです。

「さんぽ」の歌詞にもあります。

 さかみち トンネル くさっぱら

 いっぽんばしに でこぼこじゃりみち

 くものすくぐって くだりみち

曲:さんぽ 歌詞:中川李枝子

歩きやすい道は、もっと優秀な誰かが先に歩いていきます。

デコボコ道だけが残っているし、そこに物語りの種が落ちているのだと思うのです。