直感を信じる勇気、失敗を許容する寛容さ‐1361‐

 塾でテストがあった日、娘はたこ焼きを食べに行きたいと言います。

 大阪で、たこ焼きの昼食は「あり」ですが、娘は会社近くにある店「チャッピー」限定。

 確かに、ここのたこ焼きはまわりがサクッとしていて、なかなかに美味しいのです。

 おじさんは「ちょっといい粉を使ってます」と言っていましたが、多めの天かすも理由かもしれません。

 しかし、ここまで好きだとは分かっていませんでした。

 店のおじさんに、手紙を書くと言い出したのです。

 たこ焼きのイラスト付。

 先日「冬になってお客さんが減ったと、おじさんが言ってたよ」という話になりました。

 「あの店がなくなったら、もうあのたこ焼きが食べれない。自分が食べに行かなくては」と、気が気でなかったようなのです。

 大阪のたこ焼きで、美味しくないところもそうありませんが、よければ食べてみて下さい。

 8個300円。味は私が保障します。

 一応、地図も貼っておきます。

 おじさんは、店を辞めても手紙は置いておくよと言ってくれました。

 この高度情報化社会、SNSやインターネット網に引っかかれば勝者、そうじゃなければ敗者というような風潮です。

 娘の舌がすごく肥えているとは言いませんが、彼女にとって手紙を書きたいほどの店。

 客足が遠い現実をみて、何が正しいのだろうかと考えます。

 彼女の好物はアジの刺身で、醤油を付けずに食べます。また、味の濃いラーメンなどは「辛い、辛い」と全く食べません。

 味覚はは小学4年生くらいが最も鋭いようなので、案外一番味が分かっているのかもしれません。

 たまの外食は「やっぱり美味しかったね」が理想です。

 しかし、飛び込みの店で「見ためより美味しかったわ」や「完全に見掛け倒しだったねえ」も、もちろん「あり」です。

 誰しも失敗は嫌ですが、長い(短い)人生、失敗の数こそが、そのまま成長への係数になるような気がします。特に若い頃は。

 長男がスマホで検索する姿をみて、どうしても寛容な気持ちになれないのは、このあたりにあるのかもしれません。

 はずれの店もよし、時にはぼったくられるのもまたよしなのです。

 ネットで検索して、知ったような顔になっていないか。自分の目、直感を信じる勇気をもっているか。

 そして、多少の失敗を許容できる寛容さをもっているか。

 これらは、大人側の問題だと言えそうです。