雲を捕まえたい‐1270‐

 今日は子供の日。

 小さい頃は、雲を捕まえてみたいと思ったものです。

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 僅かに残る薄雲。

 勿論掴めるはずはありません。

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 朝靄の立ち込める池原ダム。

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 ゴールデンウィークの最後に、娘とやって来ました。

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 彼女は年に2、3回しか来ませんが、引きが強いのです。

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 今回の最大サイズを釣りあげました。

 他の人なら、素直に喜べるかどうか……

 しかし、娘なので楽しいと思ってくれるだけで十分。

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 自然、については何度か書きました。

 私がよりどころにしているのは、概ね以下の2つの言葉です。

 自然は美しいね。なぜだと思う。自らに責任を持っているからだよ。

-前川國男- 建築家

 美の源泉は自然にある。自然なら美しいか。
 花を雨、日で育てるのも自然。
 木を一瞬にして焼き払うのも自然。
 自然がなにを目指し何を行わんとするか。 
 けだし我々人智のよく量りえるところではない。
           
-北大路魯山人- 書家・陶芸家

 魯山人はそう言いますが、やはり考えます。

 もし、この世が快晴の日だけなら、晴れが気持ち良いという感情は生まれないかもしれません。

 美とは、永久でない、失い得る、そして覚悟に関係があるのではと考えています。

 建築の創造を通して、美を探究するなど、まさに雲を掴むような話です。

 しかしそのお陰で張りのある毎日があります。

 前回に続けて、開高健のことばで終わります。

  かくして

  魚の命は終わった。

  釣り人もやがて死ぬ。

  しかし

  河は眠らない。

  開高健『河は眠らない』

 彼の言葉は本当に美しいのです。