株式会社‐1242‐ 

 先週は概ね天気が悪く、金曜日だけ晴れ間がのぞきました。

 「宝塚 RC打放しの家」は、昨年中にほぼ工事が終わっていましたが、この日が引渡し。

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 晴れるならと、急遽、第一弾の撮影をしてきました。

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 まだ、本格的な生活は始まっていませんが、家具があると、スケール感が伝わるでしょうか。

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 RC打放しは、壁に光が当たるだけでも絵になります。

 これらは、また現場日記にUPしたいと思います。

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 撮影を終え、帰りは阪神高速・空港線通ります。

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 この日は3人で現場へ行っていました。

 普段、ゆっくり話す時間もなく、移動も貴重な打合せ時間。

 しかし、こんな景色をみるとつい話題はそちらに。皆で外に出るのはやはり良いものです。

 20代の頃、一人で変な汗をかきながら撮影していた事を思い出し、チームの有り難さを痛感するのです。

 社会派小説、経済小説というジャンルを確立した作家・城山三郎。

 「官僚たちの夏」、「総会屋錦城 」「価格破壊」など、いずれも面白く、読み応えがありました。

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 「雄気堂々」は、幕末、明治初期に、薩長土肥いずれの藩閥にも属さない埼玉県の農夫、渋沢栄一が、実業家として成功していく物語です。

 日本初の商業銀行、第一国立銀行(後のみずほ銀行)の初代頭取、東京商法会議所、理化学研究所の設立。 多くの企業等の創設に関わり、合体組織(株式会社)を日本に根づかせました。

 日本初の株式会社は、坂本龍馬のつくった「亀山社中」という解釈もありますが、フランスで資本主義を学んだ彼が、実際の功労者と言えそうです。

 渋沢栄一は実在の人物なので、登場人物もキラ星のごとく。西郷隆盛、木戸孝允、大久保利通、徳川慶喜、大隈重信、山形有朋、伊藤博文、岩崎弥太郎……

 しかし、近代国家は個々の才能に頼るだけでなく、知恵、お金を持ち寄り、協力しなければならないという哲学を持つようになりました。こんな下りがあります。

 書くためには、筆と墨と硯が要る。それぞれの役割や動きも違えば、寿命も異なる。硯は何年経っても寿命が来ないが、墨は数カ月のうちに影も形もなくなってしまう。筆に至っては、もっと寿命が短く、激しく使えば。数日ですりきれてしまう。受け身で動かぬ硯が寿命が長く、最も動く筆の寿命が短い。これは人間社会にもあてはまる。

 正直に言えば、自分一人の圧倒的な能力で、成功したいと思っていました。

 しかし、一人はやはり一人。多くのキャストで演じられるような、よりダイナミックな舞台をつくり上げることはできませんでした。

 しかし一方で、栄一はこうも言っています。

 好んで争うこともないが、人生、衝突を避けるわけには行かない。人間には、まるくとも、どこかに角がなければならぬ。まるいだけだと、ころびやすい。正しいことは、ゆずってはならぬ。

 角と、ゆずらぬは大丈夫のはず。後は、栄一の言う、合体組織の本質、特性を伸ばして行かなければなりません。

 本来の意味での株式会社の特性を活かせているかは疑問です。

 ただ、私個人の為にこの会社が存在しているのではなく、物創りを通して、クライアント、社員、家族、社会、そして人類の役に立てる存在でありたいと思うのです。

 一つ分かったと思ったらまた振り出し。実業は本当に奥が深いのです。