孔子も音を上げた‐1195‐

 お盆を過ぎ、朝夕は幾分涼しくなってきました。

 日も少しずつ短くなり、僅かながら秋の気配を感じます。

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 最近、長男が野球を教えてくれと言います。

 野球好きの友人に触発されたようで、夏の旅行中も暇をみつけてはキャッチボールをしました。

 花火大会を待つ赤川河畔でも。

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 小雨の上田市の公園でも。

 私は中学まで野球一筋だったので、何度か誘ったことがあるのですが、やはり友達の影響は絶大です。

 キャッチボールは、相手の捕り易いところに届ける、という気持ちが大切。あとは繰り返した回数がものを言います。

 長男は塾に行っていますが、大学受験までは、記憶力が結果を大きく左右する事は否めません。

 記憶というものは、大きく分けると短期記憶と、長期記憶に分かれるそうです。

 それぞれ、担当する脳の部位が違うのですが、短期記憶から長期記憶へ移すにはやはり「繰り返す」ということが重要なようです。

 とても分り易いサイトがありました。

一時記憶 → 短期記憶

短期記憶 → 長期記憶

 脳家学者の茂木健一郎も同じようなことをテレビで語っていましたが、加えて、記憶を定着させるには、声に出したりと、体で覚えた方が良いと言っていました。

 この理論が分れば、暗記はもう完璧、とならないのが現実です。

 野球を上手くなる方法が分っていても、野球が上手くなりたいと思わなければ、上達する訳がないからです。

 マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、人種差別の無い世界を目指しました。

 ”I Have a Dream”の演説はあまりにも有名ですが、彼は命を懸けても自由と平等を実現したいと思ったに違いありません。

 F1ドライバーだった中野信治は、小さい頃から全ての基準を「F1レーサーに近付くか、否か」という基準で判断してきたそうです。

 このケーキを食べると、F1ドライバーに近付くか否か。焼肉を食べに行くのは……

 今も現役のドライバーとして活躍しているようですが、彼はその夢を見事に実現しました。

 長男は、時々反乱を起こして、塾を休んだりします。喜びはしませんが、そんなこともあるだろうと思います。

 近所の中学校へ行きたくないという動機はでは弱いのです。

 そういう私も全く同じで、中学から私学に行ったのですが、勉強する理由を、中学になって見失いました。

 何故勉強しなければならないか。

 人生の目標が定まっていない時期に、納得のいく説明をする自信はありません。おそらく答えはないのだと思います。

 あの孔子でさえ、わが子の教育は早々に諦め、他者に託したと言うのですから。

 人任せは駄目ですが、塾にいる仲間、中高で知り合う友人に影響を受けるのでしょうか。キャッチボールのように。

 夢だけは、人から譲り受けることは出来ないという大原則。子供から、改めて教えて貰うことになりました。

 夢さえ定まれば、後はおまけです。

 情報過多の時代、この差を明確にしておかないと、自分を見失ってしまうような気がします。