出会いと別れの季節‐1161‐

 前回、紅葉の花と書きました。

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 紅葉は、庭木としても優れています。葉が細やかで、陰影美しい。枝がしなやかで、風を感じることが出来きます。

 秋の紅葉は勿論ですが、赤い小さな花も、緑を引き立てます。

 先日スタートした「高台の家」ですが、現場には石垣があります。

 その隙間から、顔を出すタンポポ。春は草木の写真に事欠きません。

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 こういった景色をみると、この句を思い出します。

 よく見れば、なずな花さく垣根かな 芭蕉

 垣根の隙間に咲くなずなを見つけ、春をおとずれを感じる。2011年3月31日にも紹介しました。

 この対極にあるのが以下の言葉でしょうか。

 人間の最大の罪は鈍感 トルストイ

 野村克也元監督が、よく引用した言葉ですが、野球をする理由をたどって行くと、何故生きるのかまでたどり着かざる得ない。

 そこまで言っても「ああそうですか」と言う人と、それ以上話しが続くことはないでしょう。

 4月初めから、入所試験を受けていた若者は残念ながら不合格としました。クライアントにも「頑張って」と声を掛けて貰っていたのですが。

 私は教育者として、何かを磨いて来た訳ではありません。しかし、チームで仕事をする、経営をするということは、その側面があるのは否めません。

 では、教育によって「感じる能力」を伸ばすことが出来るのか。結論で言うと否だと思ってます。

 感度が高い人は、普段から感じたい、知りたいと思っている人です。そういう人は、自分が吸収したいと思ったことは、すぐに取り入れます。

 必然的に成長するので、成功体験があります。このルーティーンが習慣化され、そういった性格になっているのです。

 この反対が、自分は特別な人だと思っている人です。

 成長のチャンスは自分の欠点が見えた時ですが、自分を特別視するので、指摘には否定的。よって成長しません。

 少々才能があっても、こういった人が持続的に成長することは無いと思っています。

 何度か「メモをとりなさい」と言った時点で、もう入所試験は終っているのです。

 教育では無理と言いましたが、感じるとは、自分の中から湧き上がって来る感情です。もし魅了することが出来たら、あんな人になりたいと思わせることが出来たら、人は変わるかもしれません。

 そういう夢と希望を持ち、また努力するしかありません。

 4年前も、新規スタッフが入ってきたこの季節に芭蕉の句を引きました。春は出会いと別れの季節です。