奈良には冬が良く似合う‐1122‐

 先週は、法隆寺の宮大工、西岡常一から、弟子となる小川三夫への手紙について書きました。

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 実物を見たくなり、奈良県斑鳩町へ。家から西名阪で30分程です。

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 607年、聖徳太子が建立した現存する世界最古の木造建築。日本初の世界遺産でもあります。

 柳のようなしなやかさで揺れをやり過ごす考えは、日本初の超高層ビル、霞ヶ関ビルにも応用されました。

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 五重の塔の高さは約32m。中央を貫く芯柱は他の構造体と触れていない事で知られます。

 揺れの周期が違うことで、運動エネルギーを打ち消しあっているのです。

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 1400年もの昔、構造解析など無い時代に、どのような経緯でこの構造体は生まれたのか……

 子供達の名前も記載できるとの事で、瓦を1枚寄進してきました。

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 その後、明日香村まで移動。子供はマイ自転車で、大人はレンタルで、大和路を走ってきました。

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 石舞台、亀石、高松塚古墳。

 何故か奈良へ出掛けるのは決まって寒い季節。奈良は冬が良く似合うのです。

 「鬼」と言われた宮大工、西岡。その話を子供にしていると、長男からこう聞かれました。

 「お父さんは仕事の鬼?」

 ここでひるんでいては。「もちろん」と答えました。

 広辞苑には、天つ神に対して、地上などの悪神、邪神とあります。その恐ろしい形相から転じて、何かに精魂を傾ける人を指すようになったのでしょう。

 楽しんで働くのも正なら、鬼の形相になるのもまた真。

 古い考えかもしれませんが、仕事人にとって「鬼」は最高の褒め言葉でしょう。