天才は誰がつくる‐1076‐

 ワールドカップもベスト8が出揃いました。

 ブラジルはチリと対戦。PK戦での薄氷の勝利だったようです。圧倒的な強さと思っていましたが、それでも勝ち残るところが強いと言えるのか。


 色々な意味で、更に注目を集めるネイマール。

 以前は、幼少時代のコーチの言葉を書きました。

 今度は、彼の父の話しです。

 ネイマールの父もプロサッカー選手で、3部リーグのチームに所属していました。

 しかし、家族を食べさせるのがやっとの生活。

 「試合でのミスが怖くて楽しめなかった。だから息子にはどんな時も楽しめと伝えてきたんだ」

 ネイマールも「楽しむことを忘れなければ結果は自然とついてくる。また、困難を乗り越えれば、喜びと情熱が生れる」と言っています。

 スパイクにある「ALEGRIA(楽しむ)」という刺繍が大きく写しだされていました。

 結果を残す人物の周囲には、影響を与えた存在が必ずあるはず。

 人は一人では生きらないし、子供が勝手に成長することはないからです。

 7年前のことですが、『天才は親が作る』 という本を紹介しました。

 ごく普通の家庭から、どうやってトップアスリートが生れたのか。

 10組の家族へのインタビューからなるノンフィクションです。

 イチローの父は、小学3年から6年までは毎日一緒に練習。高校卒業まで欠かさず練習を見に行きます。

 中学生の時、イチローは監督からバッティングフォームを矯正するよう指導を受けます。

 二人でフォームを創り上げてきた父は「バッティングフォームだけは変えないように指導して頂けませんか」と願い出ます。

 プロに行ってからも、同じ場面はやってきました。今度は自らそれを拒否。その結果2軍に落とされます。もし聞き入れていれば、現在の彼は居なかったかもしれません。

 丸山茂樹の父に至っては、帝王ジャック・ニクラウスのアドバイスを拒否します。

 血は水よりも濃い。時間こそが愛情でしょうか。

 苦労人に見えたネイマールの父。楽しむ天才に見えるネイマール。親子2代で、大きな夢をつかもうとしています。

 その姿を見届け、かつ傍観者であってはならないと思います。