ストッパーを外せ、タガを締めろ‐1070‐

 梅雨は、梅の実がなる時期にかけたという説もあるそう。


 短期間で辞める若者が続くと、心も梅雨空のよう、と言ってみたくなります。

 経営とは、樽に水を溜めるようなもの。樽を構成する一枚の板でも無ければ、一滴の水も溜まらない。「足らない板」「短い板」を探し、そこに手を打つ。

 さらに樽には「箍(たが)」が必要。いくら、いい板が揃っていても、それを束ねる「箍(たが)」が無いと、樽として成立しない。

 「箍(たが)」とは、経営者そのもでもあり、企業理念そのもの。

 始道塾塾長、恩田さんの言葉です。

 長所を伸ばすのは重要なこと。しかし、水が溜まらないほど短い板があっては、リーダーなど勤まらない。短い板を少しでも延ばしなさい、と。

 現在、入所試験中のイタリア人青年は27歳。スチューデントビザで入国しています。

 間もなく日本語学校を卒業すると、その資格はなくなります。よって、ワーキングビザへの切り替え手続きを始めました。

 取り組む姿勢は非常に熱心。そこだけクリア出来れば、採用するつもりです。

 朝のミーティングの時間に、事務所の哲学の話をします。

 「デザインとは良心にうったえかけるもの。誰かを幸せにしたいという意思なんだ」という話をしました。

 彼は「良く分かる」と言いました。(多分) 良心は人類共通。同じ方さえ向いていれば必ず分かりあると思っています。

 彼が加わっても4名の事務所。それでも箍(たが)の緩い樽など無用の長物です。安っぽいストッパーなど外し、タガを締めろ、です。

 しかし、電話口からたどたどしい日本語が聞こえてきたら、なるべくゆっくり話てやって下さい。