真実は現場にしかない‐1037‐

 大雪続きの日本列島。

 各地のクライアントから、雪景色の写真が届きました。我が家の梅も凍えそうです。

 しかし、それはそれで美しいもの。 

 晴れた日曜日は、一気に勢いが増しました。3分咲きというところでしょうか。

 話は変わりますが、昨日こんなことがありました。

 母が近所のショッピングセンターへ買い物へ行きました。ついでに、私の靴下を買ってきてくれたのです。

 あっても困らないだろうというのと、あまり時間も無だろうと思うのか、時々そんなことがあります。ところが、袋を開けると、ちょっと私の趣味と……

 そこは親子なので「これちょっともうひとつやわ」と言い、レシートを貰い店へ向かったのです。衣料品売り場へ着くと、先に同じ金額の商品を選び、レジで事情を説明しました。

 「お客様済みません、○○カードで買われた場合、ご本人に○○カードを持って来て頂き、カードへ返金してから、新たな商品を選んで頂くことになります」と。

 55歳くらいの細見の女性店員は、丁寧に対応してくれました。しかし、私としても同じ金額の商品を選んでいるし、レシートも持って来ているので、納得はいきません。

 「決まりは分からないではないけど、折角プレゼントしてくれた母親に、またここまで来てくれとは言いにくい。何かいい方法はないですか」と私。

 彼女は、隣にいた50歳くらいの小柄な女性店員に「プレゼンなんだから、お母様には来て貰えないものね。何とかならないかな。母の日のプレゼントの時は、どうやって交換したっけ」と相談してくれました。

 「多分大丈夫だと思いますが、課長に確認を取らないといけないんです」と言い、小柄な方の店員が、内線で課長と話をしています。しかし、どうも芳しくないよう。
 「お客様すみません、やはり駄目とのことなんです」と。

 聞くと課長は、すぐ近く居るそう。「課長さんに来て貰っていいですか」というと、1分程で出てきてくれました。36歳の男性で、一流企業も社員らしく、育ちの良さそうな顔立ちです。

 「話は聞きしました。2人の店員さんは、何とか交換してあげようと、色々知恵を絞ってくれたんです。こういう解釈なら、交換できるんじゃないか、と。念の為と、連絡したら駄目という。普通にあるケースだと思うんだけど」と再度事情を説明しました。

 「基本的には駄目なのですが、そう言う話なら、サイズが違っているのでサイズ交換とうことで何とか」という結論でした。聞くと2人の女性はパートさんだそうです。

 「現場で働く人達は、僕の立場で何とかしてあげようと頑張ってくれたんです。とっても有難いと感じました。どんな結論を出すにしても、もう少し現場の声を聞いてからにしたほうがいんじゃないですか」と、つい言ってしまいました。

 事件は会議室で起きてるんじゃない、というセリフがありましたが、組織が大きくなればなるほど、組織の層が厚くなればなるほど、現場の声は届かなくなって行きます。

 しかし、松下幸之助にしろ、本田宗一郎にしろ、現場にこそ真実があると知っていたはず。4人しか居ない当事務所で、私が現場から遠ざかる心配はありませんが。

 真実は現場にしかない。現場には必ず解決の鍵が転がっているはずです。