背負い水‐1035‐

 週末にかけて、関東はかなりの雪が降ったようです。

 「柏の家」のクライアントから「念願の雪見風呂が満喫できました」と写真が送られてきました。

 大変なとき、それを楽しみに変えるくらいのバイタイリティを持ちたいものです。

 海老江下水処理場に隣接してあるのが「下水道科学館」

 昨日、娘を連れて行ってきました。
 
 以前から、下水のことをもう少し知りたいと思っていたのです。

 大阪市を水害から守るため、長居公園通り地下につくられた、なにわ大放水路。直径6.5m。その実物大模型がありました。

 娘には「勉強に行こう」と言ってあったので、メモを持参していました。

 何を言った訳でもないのに、覚えたてのひらがなで、下水処理の方法をメモしはじめます。いつまでも、こんな素直な子供で居てくれたら……と願わずにはおれません。 
 
 下水道には大きく分けて3つの役目があります。

 1. 家や工場からでた汚れた水を処理場まで運ぶ。
 2. 地面に染み込むことのできない雨水を排水する。
 3. 汚れた水を綺麗にし、自然へ戻す。

 大阪市では、汚水と、雨水を同じ下水道で運んでいます。これを合流方式と呼びます。

 半日ほど勉強し、分かったことがいくつかあります。

 汚れである有機物を取り除く方法は、バクテリアの分解に頼っている。

 処理には、様々な最先端の技術が使われています。しかし、最終的には微生物という自然の力を借りているという事に、ある種納得、安心しました。

 驚いたのは、大雨が降った際、いくらかの汚水は、そのまま川に放流されているという事です。

 処理場の能力を超えた場合、下水管からフローするような形で、市内のあちこちで、直接放流が行われているのです。自分が出した生活排水が、そのまま川に流されているなど、想像もしていませんでした。

 電気、水を節約する。街に落ちているゴミを出来るだけ拾うことで、多少環境に配慮していると思っていたことが、恥ずかしくなってきました。

 ドラえもんの声を担当していた声優、大山のぶ代さんがこんなことを言っていました。

 「人が一生に使える水の量は決まっている。それを使い切った時が命の終わり」

 背負い水という思想ですが、最後に行き着くところは、このような考えなのだと思います。地球が水の惑星と呼ばれる通り、水こそが生命の源なのです。

 娘に、柴島にある「水道記念館も行こうか」と相談してみました。これは「公園へいきたい」と拒否。

 上水道の勉強はまたの機会に。