神様は50%減を目指す ‐996‐

 今週土曜日に、グランフロント北館でのイベントに出ます。

 『住まいの設計相談会』が北館の5階で開催されます。私は建築家紹介のある2:30pmから会場に居ます。良ければ遊びに来てください。

 グランフロントがオープンし、梅田が活気づいています。

 母校の、近大産まぐろも話題になりました。未だ通りがかった程度で、それも楽しみにしています。

 来場者は多いが、見て回るだけ。あまりお金は使っていない、という報道もありました。お金にはシビアな関西人も、価値があると思えば使うはず。まだ様子見といった所でしょうか。

 ケチ(とは言っていませんが)と言えば松下幸之助。この夏、何度か天理へ行く機会がありました。市内の至るところに、天理教の建物が建っています。松下幸之助の「水道哲学」は天理教がきっかけになったという話があります。

 幸之助の取引先に熱心な信者が居り、一緒に天理へ行きました。巨大な建築の全てが、信者の奉仕によってできたものと聞きます。自らが望んで、求めて、全国から奉仕にくるのです。

 普通、人は生きるため、お金を得るために働く。しかしここでは、それらを得るためではないのに、皆が楽しそうに、活き活きと奉仕している。
 
 それは、ここに理想や使命があるからだ、という考えに至ります。企業にも、理想や使命があれば、みなが活き活きと働けるのでは……そこに生まれたのが「水道哲学」です。

 水道の水は加工された、価値のあるものだが、道端の水道水を飲んでも咎められることはない。それは、量が豊富で安価だからである。松下電器の真の使命も、物資を水道の水のごとく安価無尽蔵に供給して、この世に楽土(ユートピア)を建設することである。 

 この哲学には一点の曇りもありません。松下電器はますます発展していったのです。

 松下幸之助の逸話は多く聞きます。ある製品のコストダウンを図るなら、10%ダウンを目指すのでは駄目。50%ダウンを目指す。何故なら、10%には自己肯定が含まれており、大胆な改革が出来ないから。

 人は弱いものなので、つい自分を、過去を正当化したくなります。しかし、そこに踏み込めるかで、成果は大きく変わると感じます。

 経営の神様。その言葉には、ある種、信心に近い気持ちが含まれているかもしれません。