子供とアルバイトに見えて、大人に見えないもの

 今週は前半から、妻と長男が風邪気味でした。

 長男の咳がひどいので、妻が病院に連れて行くと。

 火曜日は長女もプールがあり、進級テストの日。

 それで、私が連れて行くことになりました。

 娘も最近通い始めたのです。

 「凄く頑張っているから、一度見に行ってあげたら」とも言われていました。

 この日のテストは、息継ぎ無しのバタ足5m。

 そのくらいという事なかれ。手が離れても駄目、頭が上がっていても駄目、ヒザが曲がっていても駄目。

 このスミングスクール、厳しいので有名なのです。

 娘はぐんぐん進み、10mくらい泳いだでしょうか。

 そこで、コーチが止めました。

 結果は合格。

 合格者は皆の前に立ち、拍手でたたえて貰えるのです。

 4ヵ月で、見違える程上達していました。

 一際大きなワッペン。

 クラスが上がる度に貰えるワッペンを、楽しみに彼女は頑張ってきました。

 この試験は3回目の挑戦でした。

 着替えて出てくると、満面の笑み。

 進級だけが目的なら、週2回の練習をこれ程楽しみには出来ないはず。

 練習し、進歩、成長する喜びが、彼女のモチベーションになっているのです。

 以前、オープンデスクに来ていた女の子が、マクドナルドでのバイトの話をしてくれました。

 店内には完璧なマニュアルがあり、出来る事が増えて行くと、それこそ進級のようにランクがあがって行く。

 それによって、バイト代も上がるのでしょうが、その事を凄く嬉しそうに話していました。

 私にすれば、マクドナルドへの就職が希望なら別ですが、ここでのオープンデスクにもっと身を入れたら、と思っていたのですが。

 しかし、これは理にかなっています。自らの成長が動機になるなら、誰に言われるでなく、どんどん学び、勝手に伸びて行くのですから。

 今週も、教育者の在り方が引き続きメディアを騒がせています。

 体罰については月曜日に書いたので触れませんが、指導者の思い入れが、受け手の思いを超えてしまう事は良くあります。これは、スポーツに限らず、勉強、仕事でも全く同じ。

 子供の水泳とアルバイトには理想的なモティベーションが生まれるのに、肝心の実社会ではそれが難しいのは何故か。「目に見えての成長ではなくなるから」だと思っています。

 子供の頃、もしくはアルバイトなら、日々進歩して行きます。しかし、大人になり、技術、熟練が必要となる仕事が、目に見えて進歩できることは稀です。

 目に見えない、日々の僅かな成長を(大きい方が嬉しいのですが)、信じれるか。その積み重ねが大きな成果になりえると思えるか。このあたりが分岐点なのだと思います。

 知ったような事を書きましたが、チームのモチベーションを上げるのは簡単ではありません。私にとって、現在最も取組み甲斐のある課題です。